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02-08 王太子捕縛の話し

「当然であろう。本日御使い様がご登城されているのだ。その間周囲に必要以上の出入りが無い様にするのは、当然の事であろう。

 それなのに貴様という奴は。

 何故今、この公務の時間に、無理矢理見舞う必要があると言うのか!」


 うん、そうだよね。なんで無理してまで、ニアの母親を見舞おうとしたんだろうねえ。


『持っている魔素薬の量からすると、対象の生命を奪う目的であった可能性が推察されます』


 ん~、なんで今なんだ?

 ・・・ってもしかして、僕やニアがお城に来たからか?


『イエス。その可能性が高いものと推察されます』


 死人に口なし、とは一寸違うか。

 でもまあ、体調を崩していたニアの母親がここで死ねば、その騒ぎで僕やニアが、ニアの母親に会ったりする事も無いだろうし。

 何か散々、神の使いだ御使いだと言われるとさあ、そういう僕が会えば、バレる可能性を考えるかも知れないよね。

 まあ、別の理由があるのかも知れないけども、それはまあどうでも良いか。それよりも今、証拠を持ってるんだし、都合が良いとも言えるんだよね。


「とにかく、今は公務に戻れ。

 理由は後程ゆっくりと問うとしよう」


 ああ、王様が王太子を下げようとしてる。これは急いで動かないとだな。


『ニア、これから一寸動くけど、何があっても動じない様に、王様に伝えてくれる?』


 直接言えれば良いんだけど、そうすると王様が、かなりパニクる事になるっぽいし。結構面倒なんだよねえ。

 王様に言われて、王太子が部屋を出る為にか動く気配を見せ、その時に僕の方を向いた事を確認したので、僕はそこで腰に佩いた剣を、王太子に向かって放った。

 一瞬ビックリした玉な表情を見せた王太子だったけど、反射的にか、放った剣をしっかりとその手に受ける。すると次の瞬間、本当に一瞬の内に王太子は意識を失い、その身を床へと崩したのだった。


「な、何が!」


 騒ぐ騎士達だったけど、ニアから言われた為だろう、王様が動じる事無く居たので、直ぐに騎士達もその騒ぎを収めた。

 さて、ニア伝手で状況説明をしないとだねえ。


   ◇ ◆ ◇


 あれから、ニアへの説明を終えて、今は床に崩れた王太子を、騎士達が用意した縄で拘束したり、持っていた物を確認しているところだ。


 僕がやった事は単純で、要は僕の剣って、世界神が用意した神器な訳だ。

 勇者召還じゃ無くて神器が与えられた場合には、その使用者を選別するって聞いてたけど、その理由は単純で、神器を持つには神力を扱えないと無理だからだ。

 そもそも神器とまで行かなくても、聖剣とか魔剣なんて言われる代物でも、それらは持ち手の魔力を吸い取り、それによってある種特殊な程に攻撃力とかを持つ。それが神器ともなると、当然神力を扱える程の魔力内包量が無いと、吸い取られた魔力だけで魔力欠乏に陥るらしい。

 まあこれが、使い手を選ぶって言われる所以な訳だね。

 ましてや僕の剣は、同じ神器でも、世界神が僕用に用意した代物で、当然とんでもな代物でもあるんだから、そんなのを持たされれば、当然魔力欠乏になって意識を失うって事にもなる訳だ。

 そもそも魔力は、人にとってエネルギーみたいなものでもあるから、それが欠乏状態になれば意識も失う。流石に生命維持に必要最低限な魔力までは、体が吸い出される事に抵抗するから、魔力欠乏に陥ったとしても、直ぐに生命が危険なんて事にはならないらしいけども、それでも素の状態が続けば危険な事に間違いは無いから、剣は速効で回収したけどね。

 今の王太子は、少しずつ魔素を取り込み、魔力の自然回復をしてる状態だろう。


「ありました! こちらがその魔素薬かと」


 持ち物を確認していた騎士の一人が、そう声を挙げるまで、あんまり時間を必要としなかったのは、王太子が直ぐに取り出せる様に持っていたからって事なんだろう。


「御使い様の仰る事なので、疑いはしなかったが、本当に出て来たとなると流石にこれは・・・」


 まあ、王様にとっては実子だからねえ。

 しかも、聞いた話しだと王妃同士は仲が良いらしいし、身内内でこんな事があるなんてのは、信じたく無かっただろうなあ。

 とは言っても、そこを汲んで流せば、ニアの母親の命は危なかったしなあ。

 ニアがどう思ってるのかは、仮面を被ってるから表情が分からないけど、じっと床に崩れている王太子に目を向け・・・ああ、手を強く握りすぎて、血が出てるじゃないか。

 実の母親を苦しめ、殺そうとしてた相手だからなあ。いくら身内とは言え、キツいよなあ。

 こういう時に、どうすれば良いのかは分からないけど、とりあえず手から流れる血は止めないとだよな。僕はそう思って、そっとニアの手に触れると、その手を僕の方へと持って来る。

 それに気が付いたニアは、王太子から僕の方へと顔を向けたから、僕はニアに呼び掛ける。


『ニア、手が傷付いてる。

 気持ちが分かるなんて言わないけど、先ずは冷静になろうか』

『・・・はい、申し訳ありません。少し取り乱しました。

 落ち着きましたので、もう大丈夫です』


 何が大丈夫なのかは知らないけど、とにかく手に入りすぎてた力は緩んだから、僕は掌に付いた傷が治る様にイメージして、魔力を流す。

 この世界では奇跡の力だとか、神の力を借りて行うんだとか言われてる治療だけど、僕の場合は体の構造とか、簡単にだけど学校で習ってるからね。傷が治るのがどういう事かは、この世界の人達よりもイメージし易い。

 結果としてニアの傷は、瞬時に消え失せたから、続けて流れた血もクリーンで魔素に還元しておく。


『さてと、ニアの母親の状態を見せて貰えるかな?』

『あ、はい。

 リク様その、ありがとう御座いました』


 ニアの言葉を受け、僕は軽く頷いて返事とした。

 特にお礼を言われる事でも無いんだけど、ここでそんな細かい事を言ったりするのも意味無いし、それよりもニアの母親への対応を急がないとね。

 ニアから王様に、その話しをしてもらい、僕達は部屋の中で、これまでの騒ぎの中でも目を覚ました感じが無い、ニアの母親の居るベッドへと向かった。

 王太子はそのまま、騎士達が部屋から運び出して行ったし、使用人達も騎士達と一緒に部屋から出て行ったから、今この部屋には、僕とニア、王様、そしてニアの母親の四人だけになっていた。

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