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00-04

 水曜日投降予定を落とした挙げ句、昨日の日曜投降も寝オチ等々で落ちました(orz

 という事で、数時間遅れですが投稿します(^^;

「先刻ニアは、伝承にあるって言ったけど、僕はこの世界に来たばかりだし、『世界より知を得られる』って其処に書かれていたとしても、僕的には何の事だか全然分からないんだよ。

 ええと、この世界では自分の能力とか、そういうのが分かる様なものってあるのかな」


 所謂ステータスってやつだね。

 小説とかの異世界転移とか転生モノだと結構ありがちなやつ。ゲームチックとも言えるけど。

 そういうのがあるなら、今の僕の状態が多少は分かると思うんだよね。


「ええと、鑑定石という魔道具を用いれば、ある程度分かりますけど」


 魔道具ね。スキルとか魔法とかの方法は言わなかったから、その魔道具を使うしか、この世界では方法が無いのかな。


「既に司祭様にリク様の召還が成った事は、連絡が通っていますので、間も無く鑑定石は持って来て頂ける筈ですが」


 この世界では基本的に、九才になると個々の能力とかを、教会が無償でチェックするらしい。

 まあ貧民街とか、辺境の集落や村に住んでたり、色々状況的に鑑定石でチェック出来なかったり、しない人とかも居るみたいだけども、教会の慈善事業の一環で無償チェックを始めてから、それまで以上に多くの人達が、自分のステータスと言うか、自分の適正を知っている状態になったらしい。

 とにかくその鑑定石で、どういう能力や適正を持つかを調べて、将来に向けての参考にするんだとか。

 と言うのもこの世界では、十五才で成人となるから、一般的には十才で色々と仕事の手伝いに入って、成人までの五年間で一応の一人前を目指す。だから進む先への参考も重要になる訳だね。

 でもまあ、実際には例えば農家の子供だとすると、十才になる前から一寸した家の手伝いとかはしていたりするから、当然だけど能力とかも、元々進む先、つまりは家業に絡んだ方向になる訳だ。だから参考と言うより、確認程度のものになる事が多いらしいけど。


 で、当然だけども、勇者として召還された僕の能力とかは、この世界の人達も、そして何より僕も知らないから、司祭が鑑定石を用意して来てくれるらしい。

 何でも、準司教や牧師には、鑑定石を持って辺境の集落とかを回る、巡回師っていう役目もあるんだとか。だから、この世界の人達にとっては、僕くらいの年齢では既に、自分の能力と言うか、適正を認識しているのが、基本的には当たり前になってる訳だ。

 とは言っても今回、召還が成される想定はあんまりして無かったみたいだし、準備が遅れているというか、多分今頃大慌て状態なんだろうなあ。

 しかもその鑑定石、魔道具としてのランクが幾つかあって、広く教会施設に用意してある--あるいは巡回師っていう人達が持って歩いてる--のは、ランクの低い物なんだとか。要は低品質品と言うか、低スペック品と言うか。

 通常の子供を計測するなら、その程度のランク品で十分だからという事らしいけど、多分コストとか、製造数とかの問題が大きいんだと思う。

 これが高ランク品ともなると、探索者ギルドとかの、所謂職業系組織が用意していて、教会ではあまり数を持っていないっていうのは多分、対象の違いからだろうね。

 ただ僕の場合は、それこそ神の使いな訳だから、そんな高ランク品でも計測対象外になる可能性があるって事で、最高ランク品を教会本部から運んで来ないといけないらしい。


「それとですね、力不足かとは思いますが、リク様の助力サポートにつきましては、私が行わせて頂きますので、何なりとお申し付け下さい」

「いや、先刻も言ったけど、巫女は忙しいでしょ」


 教会っていう組織は大司教を頂点に、各祭事の責任者になる司祭と、各施設の責任者となる司教、教会の施設軍とも言える神聖騎士団の頂点である枢機卿という、大きく三つの構造に分かれるらしい。

 例えて言うなら、司祭をトップに据えて、その下に準司祭、輔祭と続くのが内務、司教をトップに準司教、牧師が外務、枢機卿から神聖騎士団、教会騎士団、教会兵団が軍務ってところになる。

 てかまあ、そう例えたくなるくらい、大きな組織なんだよ。それこそこの世界だと、下手な国とかよりも大きな組織って言える訳だから、間違いでも無いんだろうけどさ。


 ただ、やっぱり神が身近だからなのか、この世界唯一の宗教でもある教会は、政治とかには一切関与せず、特定の国家や組織に与する事も無いっていうのが、前提の教義らしいし、上の位に行く程に、その分責任と、修行と称する慈善事業や、神への祈りの時間が増えるらしい。

 はっきり言って厳格過ぎて、僕だったら保たないと思う。

 軍務で例えたけど、騎士団や兵団も、要は教会組織の私兵団みたいなもので、教会内に在って不当に私腹を肥やしたり、神を貶めたりした人への対応や、国とか傭兵、探索者の手が回らない部分に、無償で回ったりだとかで動く為に存在するみたいだし。


 そんな組織体制から外れているのが巫女、あるいは神官という存在だとか。

 要はニアの様に、神託という、神の言葉を聞ける存在であり、これは教会トップの大司教と同等の権力? 地位? まあ、そんな感じの位置付けなんだとか。

 巫女や神官にも上下はあるんだけど、それはその神の位と同様になっていて、実際にはその上下で、少なくとも教会内では、明確に権力構造が成立する訳では無くて、あくまでも同等の巫女や神官としての扱いらしい。

 とは言っても、教会外の人達にとっては、巫女や神官も含めての上下関係は、そのまま上下関係として扱われる事が多いみたいだけどね。

 つまりニアって、この世界ではかなり上の人な訳だよ。

 そもそもが王女--しかも第一王女--だし、更には世界神--この世界での最高神--の巫女だし。

 そんなニアが、忙しくない訳が無いと思ったんだよね。

 でも僕のそんな考えは、ニアの一言で吹っ飛んだんだけども。


「リク様が召還された時の巫女ですので、私はその時点で次代に巫女の立場を委ね、リク様の侍祭アコライトとなりますので」

「侍祭って?」

「只一人の存在、これは神々や、神々の使いとなりますが、そのお方に身も心も捧げ、一生を掛けてお仕えする立場となります」

「・・・はい?」


 何か、もの凄い事を聞いた気がするんだけど。

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