02-01 勇者姿の話し
第二章開始です。
第一章の最終話(01-31)の後、「第一章登場設定まとめ/後半部」を予定していましたが、取り纏めが進んでおらず間に合いませんでした。一応は後日、差し込み投稿の予定です。
ただ、第二章以降については、既にこの状態の為、「登場設定まとめ」を継続するかは検討中となります。
王様から謁見希望の話しを受けてから二日経った。
色々試して帰って来たあの日は、夜に一通り手持ちアイテムのチェックをして、現物確認をする元気が完全に失せたから寝た。ハッキリ言ってふて寝だけったけど、仕方無いと思うんだよねえ。
でまあ朝、また薄暗い内に目が覚めて、またニアに抱き枕にされてて色々困ったり嬉しかったりと、感情の葛藤があったりしたけども、それで気持ちもリフレッシュ? して、現物確認もしたけども、精神的に速攻で疲れ果てたから、結局昼までうだうだして、これじゃマズいと探索者ギルドに行って、近場で出来そうな依頼を受けてみたりして過ごしていた。
お金も得たし、何時までも教会にお世話になっててもあれなので、その日には教会施設から出て、宿生活しようと思ってたんだけども、何でも城からお迎えが来るとかって話しだったから、もう一晩お世話になったというオチ。
宿に迎えに来られても、色々マズいからねえ。正体隠す意味無いし。
そんなこんなで今は、教会で朝食をご馳走になって、迎えの馬車に乗せられてお城に来たところだったりする。
今の僕の格好は、召還された時に着ていた筈の、学校の制服だったりする。ただ何故か神器になってて、色々付与されてるっぽいんだけども、それでも見た目だけは変わらずに制服だった。
何故制服を神器にしたし? そもそも制服を神器にして、防御力やら何やら、何か無茶苦茶な事になってるんだけど、それなら召還された時に僕が来てた、いかにもこの世界の冒険者とかっぽい、皮服だの鎧だのは、必要だったのか疑問。
いやまあ、そのおかげで変装と言うか、その状況で変えられるから助かるんだけど、まさか僕が変装して、勇者って事を隠すだろうと思って、世界神が用意した訳じゃ無いだろうしねえ。もしそうなら、それこそ召喚時、制服のままで良かった訳だし。
ほんと、何考えてこうしたのか、全然分からないんだよなあ。
ちなみに、僕が通ってた学校の、この制服は色々おかしかったりする。
特徴的なのはブレザーと、ネクタイじゃなくてアスコットタイだって事だろう。
一つ一つ挙げて行くと、先ずズボンは茶色のラインに紺と青が重なり合う細かなチェック柄で、遠目で見るとグレーっぽく見える感じ。
シャツは、ネクタイじゃ無くてアスコットタイだから、それに合わせると通常はウィングカラー--襟の前部分だけが折り返されていて、後ろは立ち襟--になるらしいんだけれど、それは制服として流石にって事になって二枚襟--襟の部分が二枚重なっている様なデザイン--のYシャツだったりする。
何でアスコットタイになったかと言うと、理事長が『ネクタイは、無事な帰還を祈って妻や恋人から贈られたスカーフを巻いたという謂われの物だ。謂わば生還祈願であるそれを、学生に着けさせるのか?』と言って、紆余曲折の結果、『昼の正装を起源とするアスコットタイ--スカーフの様な幅広の物--が適切であろう』という事になったそうだ。
で、正装としては、アスコットタイにはフロックコートだって事になったんだけど、正式にはフロックコートはグレーだそうだ。でもズボンも遠目から見ればグレーだし、そもそもグレーのフロックコート--学校はあくまでも、丈が眺めのブレザーだと言い張ってたけど--はどうなんだ? って話しになって、フロックコートはキャメル色になった。
そんな感じでまあ、元の世界では何処の学校の学生なのか、直ぐに分かるという悲しさだったんだけども、この状況ではむしろ都合が良いというオチが付いた感じ。
で、その制服の上から、やっぱり何で持たされたのか分からない、表が白と言うか白金色で、縁取りと、全体的に細かく紋様みたいな感じで金糸銀糸で飾られ、裏は濃いワインレッドっていうマント。
マントっていうと、僕のイメージでは背中を覆う感じなんだけど、何故かこのマントは前側が、右腕を覆う感じで後ろに回り、左腕の肩口辺りまでという、要は前面の左側が空いているというか、右半神を覆う様な感じになってるんだよね。
しかも、脚までも覆う様に長いんだけど、実際に身に着けてみるとすっごく軽くて、正直着けているのか分からないくらいっていう代物。
はい、ハッキリ言って派手ですが何か。
でもまあ、見た目のハッタリ的には良いのかもね。
靴はやっぱり学校指定の革靴なんだけど、何故かこの靴、黒だった筈なのに、マントと同じ白金色に変わってた。
まあ世界神的には、マントも込みで一式なんだって示したのかもしれないけどさ。
そんなこんなで格好だけは、この世界に来てからの格好とは全く別で揃える事は出来た訳だけど、一番の問題は顔、後は髪になる。
いくら格好だけ違っても、顔バレしてれば何の意味も無いんだよねえ。
そこで見つけたのが、ガーメントっていう仮面。これは丁度中央に、縦に一筋の角が上から下まであって。そこから左右に顔全体を覆う感じに曲面が広がる物で、学校の文化祭兼新入生歓迎会でやった--正確にはやらされた--劇で使った物だけど、この仮面なんか持ち歩いてなかった筈だけど、何で手持ちとして拡張空間に入ってたんだろうね。
この仮面は、中央の筋状の角以外は、目の部分しか空いていないっていう代物。劇の時は白かった筈だし、それっぽく作った、遠目から見ればそれなり程度の仕上がりだったけど、今はマントとかと同じ様に白金色になってるし、近くで見てもしっかりとした作りに変わってる。
ほんと、どういう理由で世界神は、これを用意したんだろうね?
しかもこの仮面、被ると髪色も白金色に変わると言うか、正確には仮面から神力が放出されて、白金色に見える様になるんだよ。正確には神力で頭の防御力が強固に上がるんだけどさ。
まあ、そういう性能だけ見ると、頭部用の防具って扱いになるんだろうなあきっと。
そんな感じで僕は、制服にマント、仮面を被った状態で教会を出て、向かえに来た馬車に乗ってお城に来てる訳だ。
ちなみにニアは、侍祭用の体を覆い尽くす様な神職服と言うかローブを羽織り、同じくガーメントを被った状態になってたりする。
白い聖職服って感じのローブに身を包み、大きく深めのフードを被った上で、顔には白金色の仮面・・・うん、何か僕よりニアの方が、一寸神秘っぽいし、神の使いっぽい気がするんだけど、そこのところはどうなんだろうねえ。




