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01-25 前提の話し

 魔法もそうだけど、それ以外にも色々と、僕と言うか元居た世界だったら、そうはならないだろうなあっていうのが、この世界では常識だったりと色々分かった。ある程度の違いは覚悟してたけど、本当に多くの違いがあるんだよ。


 例えば今、目の前に魔物や山賊に襲われ、しかも劣勢な人が居たらどうするだろうか。

 まあ元居た世界には魔物は居なかったし、山賊だって僕が生まれた時代には、少なくてもあの国には居なかったけどさ、まあそういう危機を目撃した場合って考えると、中には助けに飛び出す人も居れば、劣勢な人が逃げられるチャンスを作る為に声を掛けたり、状況によっては警察とかに連絡するだろう。

 状況とかにもよるけど、どうにか助けられないかっていうのに先ず、気を回す人が多いだろう。

 対してこの世界では、そんな事はしないらしい。

 別に助けようっていう気が無いとか、そういうのじゃ無いんだけど、とにかく前提が異なるんだ。


 例えば魔物の場合、それに対しているのは大抵が探索者になる。それが行商人や、護衛とかの傭兵かも知れないけど、とにかくその全てに対して、どう見ても劣勢に見えたとしても、急いで助けに入るのはNG。

 実際には感謝してくれる人の方が多いらしいけど、それでも少なくない割合で、助けに入った結果、獲物の横取り、あるいはどさくさに紛れた賊だと受け止められて、攻撃を受ける場合もあるらしい。

 実際に助けに入った相手を傷付けたり、それこそ殺しても、ステータスの賞罰欄は傷害や殺人とはならないって辺りも、この世界の事を示してるんだろうね。。

 世界の記憶から引き出される情報は、個人特有のもの以外は、人の認識の平均、つまりは多数決だ。実際に獲物の横取りや、助けたと見せ掛け弱っている相手を襲う等の危険性があるから、勘違いで攻撃されても文句は言えないし、それこそ本当はどうだったか何てのは、助けに入った側が生きてないと分からないんだよ。

 だから、今直ぐにでも助けに入らないと手遅れになるなんて状況であっても、声を掛けて、相手から手助けを頼むって返事を受けてからじゃないとダメな訳だ。


 山賊とかの場合、実際に護衛や奴隷が被害を受ける事はあっても、商人とかが命を取られるケースっていうのは少ないんだとか。

 と言うのも、護衛の場合は相手に武器を向けるから、逆にやられても仕方が無いし、奴隷は物扱い。だからこの辺りがやられたり、それこそ攫われたとしても、近隣の村や町では『山賊に注意』とかって状態になるだけ。

 それが武器を向けていない、つまりは襲った側に命の危険が無い相手をも殺す山賊ともなると、危険性の高い賊だとして衛士隊とかの軍人が派遣されたり、討伐要請が領主や国から出される事になる。これが単に、商人が荷物や奴隷といった物品損害にあったとしても、それは商人が雇った護衛の不足、つまりは危機管理が足りなかったって扱いになるらしい。

 まあそれ以前に、魔物が居るこの世界では護衛を失った後、商人だけで村や町に無事辿り着ける保証も無い。それでも何とか辿り着いても、危機管理不足だと言われてしまうから、その商人が自費で、傭兵ギルドとかに討伐依頼を出すしか無い。

 しかもだ、山賊--野外を通る相手を待ち伏せする等して襲う--や盗賊--村等の手薄な場所を襲う--に奪われた物は、討伐した者に所有権が移るから、討伐されても商人に戻って来る訳じゃ無い事もあり、討伐依頼を出す意味も薄れる事になる。

 だから賊にしても、通常なら商人はなるべく傷付けないらしいけど、これが援軍じゃ無いけど、助けに飛び込んでくる様なのが居たらどうだろうか。

 答えは単純で、場が混乱して身の危険を感じ、商人さえ傷付けるかも知れない。

 そうなると、討伐が向けられる可能性がある訳だから、そこで賊を全滅、あるいは全員捕縛出来なかった場合、助けに入った人に対しては、賊の生き残りの恨みを買う訳で。

 それに助けに入る、つまりは通り掛かったその人は、偶々そこを通っただけで、自分達が狙われ、襲われた訳じゃ無い。護衛に雇われてる訳でも無いから、そもそも助けに入る義理も無い。結果として、明確な救助要請と報酬の提示が無い限りは、助けに入らず横をすり抜けるのがアタリマエ(・・・・・)なんだそうだ。と言うかすり抜ける前に、賊に対して『自分は雇われた者じゃ無い』事を宣言して、自分の安全を取るのが普通らしい。


 実際先刻、試しをしつつ森を進んでて、魔物と対峙して劣勢だった探索者パーティーが居たんだけど、飛び出して行こうとしたらニアに止められたんだよね。

 その上で『手助けは必要ですか?』と離れた場所からニアが声を掛けて、必要だって頼まれてから助けに入った。こうした理由はその後で、ニアから聞いて知ったんだよね。


 助けに入った方がトラブルが大きくなったり多くなるっていうのは、色々間違ってる気もするんだけど、それが現実なんだからどうしようも無い。

 他にも野外で、近くを通り過ぎる場合とか擦れ違う場合には、それがどんな相手であっても警戒するのが当然だったり、武器を向けられたらそれだけで、その相手を殺しても罪にならなかったりと、まあ色々だ。

 そういう意味では、ニアで知ったけど、この世界の男女関係も、色々と僕にとっては常識外なんだよね。

 でもそれは、この世界の人達にとってはアタリマエ(・・・・・)であり、僕の方が非常識って訳。

 そうだなあ、常識が違うとかってより、そもそもの前提が違うって感じかなあ。前提が違うから、常識とか色々、違うところがあり過ぎる。

 僕にとっては非常識に思ったり、それじゃあダメでしょって感じても、よくよく聞けば僕にとっての常識で動くと、この世界では上手く行かない事もいっぱいある事が、昨日の今日なこの時点でさえ分かった。


 この手の異世界ものにあるパターンの一つに、それこそ元の世界の知識とかでチートなんてのがあるけどさ、この世界では前提が違うから通用しなかったりする。

 技術チートもさ、元の世界でこういう便利な物が、なんていう概念というか知識があっても、それをそのまま作れるかというとそうでも無い。何しろ魔素が関わって来るから、例えば鉄一つ取っても、元の世界と全く同じ性質って訳でも無いんだよ。

 内政チートとか、戦術チートなんかになると、流石に僕には良く分からないけど、多分思う様には通用しないと思う。商業とか経済チートなら、何とかなるかもだけど、そもそもそれを可能とする為の前提になる、商業ギルドへの加入がクリア出来ればになるしね。

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