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01-24 認識間違いの話し

 ニアに妙な宣言? をしてから数刻。

 何の意味も無くした訳では無かったけど、あれから色々試してみて、自分で推測してはいた--知識の上ではカイによって裏付けも得ていた--けれど、はっきり分かった事があった。


「やっぱりおかしすぎるだろ、これ。・・・じゃ無くて、色々やっぱり間違ってたなあ」

「いえ、リク様がおかしいのは、十分理解できました」

「え~、ニアまでそんな事言うかあ」

「あ、違うんです。リク様の所為では無い事は分かっているのですが、あまりにもあまりにだったので。

 それに、やはり世界が違った事で、ものの捉え方がこうも違うものかと思いまして」


 まあねえ。僕が現状おかしいのは、ほぼ百パーセント世界神の所為だし。

 考え方や捉え方が違うっていうのも、確かにそうだけど、それもそもそも、世界の違いが大きいんだろうしね。

 僕は悪くないと思うんだ。


「リク様の仰る通りでした。

 むしろ今日、確認出来た事を私は、極力隠して行こうと思います」


 ふむ。


「理由は?」

「先ず、あまりにもこの世界で、これまで常識とされていた事に、間違いが多過ぎる事を知りました。これが世に出れば、相当な混乱が生じるでしょう。

 そしてリク様の言う通り、それこそが真実だとしても、この世界に生まれた身では、その真実を活かす事が難しい事も、実感しましたので」


 出会う魔物を、こう言っては何だけども試し相手としつつ、下手に探索者とかに見られるのも色々マズいと思って、森の奥へと進んで行った結果、思ってた以上の数の魔物を相手にする事になった。

 おかげで色々試せたけど、その分自分の人外ぶりと、この世界で常識とされてる事が間違ってるって、次々に分かったんだよね。

 僕の人外ぶりはまあ、今は良いや。てか正直なところ、今だけじゃなくて今後も、深く考えたく無い。

 でまあ、常識の部分についてはもう、それこそ属性。元の世界にもそうした概念はあったけど、属性そのものでさえこの世界では、そういうものだとされている常識が間違ってた。


 この世界では属性が、火、水、雷、土、木の五属性に、光と闇の特殊二属性、空間、重力、解放の無三属性の、計十の属性に分けられるとされていたらしいけど、色々検証の結果、火、水、土、木、光の五属性に集約されるんだよ。

 しかもだ、火は炎、水はそのまま水みたいな単純なものとしてこの世界でも、僕の居た世界の概念でもそうだったけど、実際にはそうじゃ無かったんだよ。いや、僕が居た世界での方は分からないけど、少なくともこの世界では、それは間違いだった。


 実際色々試した結果分かったのは、火属性と言われているのは熱、水属性は抵抗と言うか質量、土属性は硬さで、木属性は生命力、光属性は空間への影響っていう感じ。

 つまり雷属性っていうのは、単に大気中の魔素に対して、水属性の抵抗性が影響して放電現象が生じた結果だったし、闇属性って言われてたのは、光属性の空間影響による相反的なものでしか無かった。火属性は高温だけじゃ無くて、その相反になる低温も火属性って言われてた魔力で生じた。

 下手に火属性だの水属性だので括ったからおかしな事になったのであって、それぞれを熱属性、質量属性、硬度属性、生命属性、空間属性とすれば、それが正解とまでは言わないけども、でも、かなり正解に近いと思う。

 まあ、確かにそんな分け方だと分かり難いけどね。

 しかもこの世界、魔術とかがある所為か、科学とかはあんまり進んで無いから、多分その分類をしたら、殆どの人が意味不明になったか、あるいは科学--化学か?--が進んだかのどっちかになったかもだし。

 現実として、そうならなかった結果が今、この世界の基本ベースになっているんだから、それをどうこう言っても意味は無いと思うんだけれどね。


 問題と言うか、僕としては想定内、ニアにとって想定外だったのは、この世界で生まれ育ったニアが、僕が示した事実でそれが正解だと認めたのに、実際には意識って言うか、それまでの固定概念が邪魔をして、イメージが固め切れずに、結局これまでと同様の魔術しか発動出来なかったんだ。

 そう、それが事実だからって、それを広めても・・・意味は無いとまでは言わないけどさあ、かなりの混乱を招くよね。

 ニアが言う『真実を活かす事が難しい』っていうのが正にそれになる。

 慣れとか、固定観念の問題なんだけどね。


「まあほら、他の人はともかく、ニアに関しては頑張り次第で、もっと効率的に属性とか色々使える様になる訳だし」


 最初にニアに言っておいた様に、この世界の常識間違いを指摘する気は僕には無いんだけど、ニアは当然それを知った訳で。

 固定観念ってのは、本人が自覚しても、そう簡単には修正できないんだよね。僕もそうだし。

 でもニア次第では、他の人達より一歩や二歩どころか、一周も二周も違うスタートラインに立ってるんだからねえ。

 それにしてもなあ。

 魔術の根本にも関わる属性とかの認識が間違ってれば、そりゃ魔術もあんまり発展しないよなあ。無駄が多くなるんだしさ。

 極々一部の魔導師って呼ばれる人とかは、むしろ本能とか、野性的な部分でそこら辺を吹っ飛ばしてるんだろうなあ。あるいは、王族であるニアでさえ聞いた事が無いって言ってたけど、それなりに論理立てて研究してる様な組織とかがあったり? ・・・流石にそれは無いか。

 勿論個人レベルとかでは、研究者肌と言うか、物事を突き詰めて考えるタイプの人も居るだろうけど、組織立って行われてるなら、それなりに力を持った魔術師や、それこそ魔導師の数は、もっと多くても良い筈だしね。


 魔素だとか魔力だとかがあって当然なこの世界でも、魔術師と呼ばれる存在はあまり多く無い。それ以前に、魔術師と呼ばれる段階に至らない初級魔術を何とか使えるって人でさえ、十人に一人も居ないそうだし。

 魔術を学ぶ機会を得てこそ、初級魔術であろうとやっと扱える様になるのだから、平民や自由民も含めると、それこそ百人や千人に一人レベルな話しになるんだろう。

 それもこれも多分だけど、根本的な間違いと言うか、魔術の属性認識自体を間違ってるんだから、ある意味当然な気もするけどね。


「個人で力ある存在が増えれば、どうしても被害が大きくなるって問題もあるからねえ」


 それこそ、強大な戦闘力である中級、上級魔術を使える人が増える程、その力が魔物等の危険に対してだけで無く、他者に向く可能性だって増えるのだから。

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