01-22 魔法の話し
また前回投稿日に投稿出来ませんでした(><;
リアル優先なので、その辺りご容赦下さい。
「待ち構えているのかも知れません」
ニアに何となく分かる雰囲気を話すと、魔物の待ち伏せかも知れないと言われた。
感じるものは、兎よりも大きいけど、人より小さいって感じ。魔物の中には獲物が通る道の傍で、待ち構える様なのも居るらしい。
「かと言って、このまま此処に居ても仕方無いしなあ。
ニア、念の為直ぐに戦える準備をしといてくれるかな、僕は魔術・・・じゃ無くて、僕の場合魔法になるんだっけ。まあそれを試してみるから」
何しろ戦闘経験なんて無いし、魔物自体が道の存在なんだから、どうすれば良いかさえ分からない。
そもそも、自分が何処まで出来るのか、自分の事も分からないんだからなあ。最悪隠れてる魔物が飛び出して来るだけの結果になる可能性もある。
二十メートル無いくらいっていうのも、何となくそのくらいかな? 程度だし、正直言えば距離感なんて、そんなにはっきり分かる訳じゃ無いんだよね。要は直ぐ近くでは無いけども、結構近いくらいの距離感。
多分これ以上近付けば、襲いかかって来る雰囲気を凄く感じる。
ん~、この感覚って、体がこの世界の現神とかいうのに適合した結果、なんだろうなあきっと。
とりあえず、ニアが身構える--構えてるのがゴッツい棍棒で、なんか怖いんだけど--のが目の端で確認出来たから、とりあえず状況は整った。
さて、頭の中でイメージするのは弾丸と言うか、そんな感じの小さな物。圧縮とか掛けなければ、当然大きさは魔力量に比例する。
言うまでも無く、試して無くてもこれまでの事から分かるのは、神力だとそれなりの量でも、その威力が洒落にならないだろうって事。目的の一つが試しだから、先ずは量を少なく、つまりは小さな物のイメージで攻撃してみる訳だ。
単純に言えば、基準が分からないってだけなんだけどね。
魔法に関しては、攻撃目的は当然初めてだけど、昨日カイを創った時と、先刻の鑑定石を作るので実践済み。要はどういう結果を求めるのか、そのイメージをしっかり持って、そのイメージを乗せて展開すれば良い。
「ギャヴッ」「ギョア」「ギャギイ」
・・・体の中から力が、ほんの一寸抜けた感じがした次の瞬間、向かう先から悲鳴の様な、叫び声の様な、何か濁った声が複数聞こえて、更にはドサッとか、ガササッとか、何かが地に倒れたり、草だか木の葉だかを引っ掛ける様な音がした。
「ええと、一体何が?」
ニアが聞いて来るけど、僕にも分からないよ。魔法とかが発動して、要は銃弾イメージのが飛んで行くとかそんなのも、一切何も無かったし・・・。
「・・・ってそっか、忘れてた!」
「リク様、どうかしましたか?」
そうだった。昨日カイに聞いた事をすっかり忘れてたよ。魔法は発動すれば、その結果に至る。要は経過が無いんだった。
僕は今、一寸先に感じる魔物の存在感みたいなのに対して、元の世界のTVとか漫画で見た様に、弾丸でその命を奪う、つまりは急所を打ち抜くイメージを持ってたんだ。
それが法則に反してなかったから、発動した瞬間に結果が生じた訳で・・・そりゃ確かに、何が起きたのか分からないや。
これ、かなり反則だよなあ。
まあそういう事を含めて僕は、ニアに説明する事にした。説明しないと、何が起きたのか分からないだろうしね。
勿論その場に立ち止まって、何て事は無くて、多分斃したであろう魔物の処に移動しながらだけども。
「これも、頭に一撃ですね」
ニアに説明しながら歩いてみると、本当に直ぐ辿り着くくらい近い場所に、濁った緑色の肌をした、身長が百二十から三十センチくらいの、人型の何かが倒れていた。
そもそも下草に埋もれた獣道みたいな道、その周辺に隠れていた様で、木の下にある下草が少ない空間に倒れているのは未だ、その姿は見えるけど、草に埋もれてる様な状態で倒れているのもあって、全部を確認するのに手間取ったのはまあ、最初だから仕方が無いと思う。
倒れていたというか、要は魔物の死体なんだけども、それは全部で六体だった。その全てが、ニアが言う様に頭、と言うか額に一つ穴が空いた状態になっていた。
『全て緑小鬼です。
単体で探索者ギルド評定ランクが青銅Ⅱ相当となりますが、通常三体から五体の小群で行動し青銅Ⅲ、今回は六体の為、二小群と思われますので、黒鉄Ⅰ相当です』
僕の疑問を受け取ったんだろう、カイがこの魔物の情報を教えてくれる。
成る程、これがゴブリンかあ。元の世界でもファンタジーものでは良く扱われてたやつだなあ。
カイが緑小鬼ってあえて言った様に、どうやら肌の色も色々違うのが居て、若干強さとかも変わるらしい。まあ、環境によっての亜種っぽいし、ここら辺では基本形? の、この緑小鬼系しか居ないらしいけど。
元の世界では基本的には、醜くて邪悪な小人で、大抵腰ミノのみ装備って感じに描かれる事が多かったけど、実際にこうして見てみると、緑肌の餓鬼っていう印象で、何かの動物の皮とか、木の皮とかを体に巻いて、ぱっと見は鎧っぽい防具を纏った様にも見える。
まあ、近くでしっかり見れば、全然防具でも無いんだけどさ。
顔付きの醜悪さや、下腹が出て痩せ気味な体、細くガリガリな腕とかは、ほんと餓鬼って感じなんだけど、脚は何故か太くて筋肉質という、妙にアンバランスな体型だった。
繁殖力が高いけど、圧倒的に雄が生まれる割合が高いらしくて、人の女や人型魔物の雌を襲うってのもまあ、元の世界での印象のままだなあと思った。
人の空想力で生み出すものって、現実に有り得る程度でしか無いのかもね。
「ゴブリンは、売れる部位は頭の角くらいです。他は何の価値も無いですね」
「討伐証明部位は左耳だっけ?」
「そうです。後は魔石が売れますけど、角も魔石も大した額にはなりません」
「ん~・・・ミスっても大して損失にもならないし、ちょっと試してみても良いかな」
試すのは何も、攻撃関係だけって訳じゃ無いしね。
「何を試すんですか?」
「生活魔術に分解ってのがあるだろ。それを一寸ね」
「生活魔術、ですか」
ニアは一寸呆れ気味だ。それもまあ、そうだろう。
生活魔術は文字通り、日常生活に役立つ魔術で、特に魔力量をあまり必要としない、つまりはより多くの人が使える魔術を指す。
種火的に使える発火、多くてもバケツ一杯程度の飲料可能な水を出す生水、一刻程持つ光源を生み出す発光、汚れを取り除く清浄、そして大まかな部位に分割する分解。
普通に考えれば、このゴブリンの死体を部位毎に分けて、討伐証明部位と売れる部位を取ろうってだけに聞こえるだろうしね。




