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01-18 魔力値と強さの話し

 この世界では、魔力値がかなり重要になるらしい。

 元の世界でゲームとかだと魔力値=MP、つまりは魔術を使う為のエネルギー値みたいな感じだけど、この世界での魔力値数値は、あくまでもその個々での最大魔力内包数値になるらしい。

 魔力数は精神数みたいなもので、魔力を使いすぎて枯渇状態になると、最悪衰弱状態になって意識を失うらしい。逆に言うと、例えば何らかの事で精神的疲労があると、その疲労分魔力数は減る。

 要はゲームとかみたいに、通常時がMP満タンで、魔術を使うとその分減るとかじゃ無く、その時の体調や精神状態で常に数値は変動する感じになる。だからあくまでも魔力数じゃ無くて、この世界では最大値である魔力値しか意味を持たないんだそうだ。

 ちなみにHPの様な数値は、この世界には無いらしい。

 神がそう決めたのかまでは分からない--世界の記憶からの知識も、神絡みのものはあんまり引っ張り出せないんだよね。僕の立場的に規制が掛かっているのかも知れない--けれど、少なくともこの世界の人には、そもそも『生命力とかの数値って、何を基準にして?』って話しになるらしい。

 しかも魔力値同様に、その日体調悪ければ下がるし、疲れてても下がる、要は常に変化する様なものだから、更に基準が分からないという。


『そもそも、いくら生命値が高くても、急所にダメージを受ければ即死もするので、その数値に意味があるとは思えません』


 と、カイにまで言われると、その通りとしか言えないんだよなあ。


 話しを戻すと、魔力値は体内に溜め込める魔力の最大値になる。

 この世界では他の生命を奪ったり、食物を食べる事で、相手の魔力を取り込み、自身の魔力値が上がるんだとか。

 魔力には、個々で独自の波長がある。波長の異なる魔力を体内に取り込む事は、要は異物を取り込む事と同じな訳だ。

 でも、元々この世界では、生きているだけで魔素を取り込み、体内で自分の波長の魔力へと変換する。


 元の世界では、体内で主にたんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素が分解されて、生命の維持や生活活動に必要なエネルギーが作られるって習った。

 ここにこの世界では魔力が加わる訳だ。

 この世界では、生命も含めて魔素によって作られるからか、それをエネルギー化した魔力が、エネルギーとしては一番効果が高いんだそうだ。まあ当然、空腹だとか色々あるから、食事による栄養摂取も重要だけど。

 で、魔力も生命の維持や生活活動のエネルギーとして使われるって事は、その魔力値、つまりは体内の魔力内包数値が高ければ高い程、生命維持が強固になるし、生命活動も活性化、肉体強化や精神強化、反応速度の向上等々、様々な強化として現れる訳だ。


 生命を奪っての場合、その生命が死を迎えると、体内に残留した魔力が放出される。この時、ダメージを与えた魔力波の強弱によって、その元になる魔力波を持つ存在に、放出された魔力が吸収されるらしい。

 要は、ゲームとかで敵を倒すと、それに見合った経験値を得て強くなる、みたいな感じになる訳だね。

 吸収された魔力は、当然自分の魔力波とは異なる波長だから、体内でその異物魔力の変換が行われる。その時に、その身体がその量を受け入れる様に、体が作り替えられる感じになるんだとか。

 ちなみに、魔力内包数値以上の魔素からの魔力変換を行っても、余剰魔力として発散されて、魔素へと戻るから、魔素を幾ら取り込んでも、それだけでは魔力内包数値が上がる事は無いっぽい。


 食事による場合、食物に残る残留魔素、つまりはその食物を構成している魔素分を体内に取り込む訳だから、その分魔力内包数値が上がる。

 ただ、残留魔素っていうのは、残留魔力が放出された後、徐々に拡散して減少する。要は時間が経てばその分、鮮度が下がって最後には腐敗するとかそういう感じに、構成魔素が減って行く訳だ。

 加えて、それこそ野菜とかが持つ魔力内包数値は小さいから、農家が収穫によって、もの凄くパワーアップするなんて事も無いらしいし、食物を食べての影響も、本当に僅かなものらしいけど。


 何が言いたいかというと、要は魔力値が高ければ高い程、戦闘能力や防御力等々、色々高くなるって事。それは鍛えたり、経験して上げた能力等以上に、明確な差となって現れる。

 例えば、魔力値五十くらいの人同士で、片方はデスクワーク中心、片方は肉体労働中心なんていう場合、肉体労働中心な方に、基礎体力や戦闘力で勝てる訳が無いのは、元の世界の人と同じ感じになる。

 でもこれがこの世界だと、デスクワーク中心の方の魔力値が六十なんていう事もある訳だ。

 まあ実際には、二十や三十違っても、鍛えている方が強い場合の方が多いらしいけど、それでもやっぱり、基礎部分が底上げされるから、魔力値は無視出来るものじゃ無い。

 要は、魔力値の差があればある程、積み重ねられた戦闘技術なんかを容易にへし折るだけの力押しが可能になる訳だね。


 人の値は十から百桁。僕は百万桁・・・実際には神力だから、魔力概算値になるとは言え、その差は圧倒的過ぎる事になる。

 探索者ギルドでは、魔力値が百の桁になる場合、一応の適性試験はするけど、よっぽど性格とかに難が無ければ、一番下の青銅ランクからなんて事にはならないらしい。それは力があるんだから、その分早い内から適正な依頼をこなしてもらいたいっていう、ギルド側の都合もあるみたいだけど。

 もっとも、生まれつき数値が高いけど、戦闘経験とかが無ければやっぱり、危険性は高くなるから、登録してから一月、百三十五日の間は、自分のランクよりも低い依頼ばっかり受けてても、特に問題にはならないらしいけどね。要はその間に慣れろって事だ。


 さて僕の場合は、桁が違いすぎるから、適性試験の意味が無いんだってさ。

 試験官が幾ら攻撃しても、突っ立ってれば試験官の体力が消耗するだけになるとか言われた。・・・やっぱり世界神、明らかにやり過ぎだろ。

 僕の適性試験をあえてするなら、探索者最高位で、現状この世界に五人しか居ない白金ランク全員を集めて、その全員に竜滅ドラグキラー装備、出来れば世界中の神器を集めた上で、金ランクパーティーを最低でも五は付け、それで何とかチェック出来るかどうかになるっぽい。

 確かに数値場だとかなり差はあるけれど、そこまでのものかなあって思ったんだけど、『そもそも人が、神に傷一つでも負わせられるのか?』て言われて、返す言葉は僕には無かった。

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