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01-17 探索者登録の話し

「ふうむ、ステータスカードが二枚ねえ。

 これはどう扱うべきか・・・」


 いざ登録って段階になって、とりあえず僕は、正体もバレてるからって事で、鑑定石で作った方を見せたんだ。

 その結果、流石にこれは正体を隠すにはムリがあるって言われた。まあ当然だよね。

 だから、僕が作った方も見せた訳だけど、そこでラルフさんとカルラさん--カルラさんは案内してくれた職員の人だ。何でもトラブル等をなるべく防ぐ為に、此の支部では専属みたいな感じで、なるべくカルラさんが対応するっていうつもりだったらしい--が固まった。


「そもそもステータスカードってのは、内容が偽れない、同時に複数作れないっていう絶対条件があるから、身分証明にもなってた訳なんだがなあ」

「支部長、言葉遣いが」

「おおっと、これは失礼を」

「え~っと、それはニアが王女だからなのかな? 僕が勇者とかだから、言葉遣いを気にしてるなら、むしろそういうのは無しで。

 この世界での僕の扱いとか、正直未だあんまりピンと来てないけど、元の世界では単なる一般人のガキだったから、むしろ丁寧に扱われる方が落ち着かないんで」


 まあ、ニアの場合は探索者見習いとして活動もしてたからか、『エウジェーニアさん』呼びしてたし、僕に対してなんだろうけど。

 ほんと、僕は単なるガキでしか無いんだよね。偶々、なのかは知らないけど、この世界に召還されただけで、僕の力で来たって訳でも無いんだしさあ。


「しかし・・・」


 ラルフさんとカルラさんは困った様に顔を見合わせ、その後ニアの方を見た。ニアが軽く頷いたところからすると、やっぱり僕の立場とかに対してのものだったらしい。

 大体さあ、ニアにしたって王女だ巫女だってばれない様に、『エウジェーニアさん』呼びにしてたんだろうし。

 まあこういう時は、早々に話を逸らして、勢いでやっちゃった方が良いよね。


「それよりもこのカードだけど、あくまでも登録石で作る時と同じで、僕なら僕のカードしか作れないし、それ以前にこういう事が出来るのは、人の上位種以上じゃ無いと条件を満たせないから、特例みたいな感じになるんじゃないかなあ」


 実際には、世界の記憶に独自でアクセス出来るのが人の上位種、ハイヒュームとかからになるってだけで、実際に作れるかは必要魔力量にも依るから、確実って訳でも無いんだけどね。


「それに、表示こそ違う感じになってるけども、同じ僕の情報を読み込んで表示させてるから、どっちのカードも連動して更新されるし、そういう意味では表示情報が変更されてるとか、出鱈目が表示されてるって訳でも無いし」


 あくまでも表示単位とか、その辺りが違うだけで、どこがどう違ってるかさえ分かってれば、方方だけを見てもう一方も分かるんだよね。


「神のなさり様って事で、良いですかねえ。

 俺には難しくて分からねえや」

「支部長、ですが・・・」

「じゃあカルラ、お前さんならどうするよ?

 俺には神がする事を否とは言えないし、そもそも説明聞いても、半分以上が良く分からねえから、言える事も無いぞ」

「あ~・・・アタシにも分からないなあ。

 そういうのは事務長とか、頭の良い人が考える事だよねえ」


 困惑、混乱とかからか、大分二人共時が漏れて来てるなあ。それにしても、ラルフさんとカルラさんの二人共、多分脳筋寄りだな。


「事務長にも勇者の事は言ってあるが、このカードとかの事は言う必要あるのか?

 あんまり神絡みの事は、広げたくないんだがなあ」

「あ~そっか。でもアタシ達だけで、どうするのさ?」


 今の内に、この二人について確認しておこうかな。どうも気安い関係っぽいけど、支部長と職員の関係としてはどうなんだ? と思うところもあるし。

 カルラさんが単純に職員ってだけじゃ無いとすると、後々厄介になるかも知れないし。


『って事で、どうなのかなカイ』

『ラルフ=コーウェン。元、金Ⅲランク探索者で、現探索者ギルド、アランブル共和国王都支部支部長。

 現役時の二つ名は剛拳ハードフィストのラルフ。

 カルラ。元、銀Ⅱランク探索者で、現探索者ギルド直契探索者。

 銀ランクとしては異例の、閃撃フラッシュシュートという異名持ち。

 以上ですマスター』


 剛拳って・・・やっぱり脳筋系かな? まあイメージ通りって言えばイメージ通りなんだけどさ。

 カルラさんの閃撃ってのはどうなんだろうね。印象からするとスピード系かな?


『イエス。閃撃というのは、速攻で打撃によるダメージを与えて行く戦闘スタイルより、その異名で知られる様になった様です。

 なお、両名とも手甲ガントレット脚甲グリーヴを用いた接近戦を得意とした戦闘スタイルです』


 二人共肉弾戦かよ! まあラルフさんはパワーファイター系っぽいし、カルラさんはスピードファイターっぽいから、実際には色々違うんだろうけどさあ、魔物相手に肉弾戦って凄いなあ。いくら魔力を乗せて、身体能力が上がったとしても、それこそ近付きたく無い様な魔物だって居るだろうし。

 そこら辺の感覚は、この世界の人達だと違うのかもだけどね。

 何て色々考えていると、どうやら答えが出たらしい。


「どうせ神のなさり様だ。誰もが出来る訳でも無いのだし、勇者が作った方で登録すれば騒動も少なくて済みそうだしな。

 それで良いんじゃないか?」


 思いっ切り脳筋的な結論でした。

 カルラさんも首を縦に振って同意してるしさあ。こんなんで良いのか探索者ギルド。


「ああだが、総本部長ギルドマスターには流石に、報告しない訳にも行かないが」

「何か、大事になるのかな?」

「どうだろうなあ。多分だがそれを了承された上で、俺達には一応口止め指示が来るくらいじゃないかね。

 口止めされるまでもなく、神の事を口外なんかしないが」


 そういう事らしい。

 まあそれじゃあって事で、僕が作った方、つまり見た目的には普人族扱いの方のカードで、探索者登録を進める事になった訳だ。


●リク

 性別:男

 年齢:十五歳

 種族:普人族

 身分:自由民

 職業ジョブ:銀ランクⅠクラス探索者

 適正:剣術/属性魔術

 魔力値:八十

 称号:

 賞罰:

 備考:


「ええと、何で銀ランクかな?」


 登録時に適性試験を受ける事で、その結果によっては最初からランクが上がった状態にもなれるらしいけど、僕は未だ試験も受けてないし。


「それは魔力値の結果ですなあ」

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