01-05 ステータスの話し
●リク=サンエ
性別:男
年齢:十五歳
種族:神聖種現神族
身分:自由民
職業:
適正:全般
魔力値:八百万四千
称号:勇者
世界神を越えし者
賞罰:
備考:最高神格
世界神の寵愛
受肉制限状態
これが現在の、僕のステータスカードの全てだ。
これが通常時ではこうなる。
●リク=サンエ
身分:自由民
職業:
賞罰:
これなら基本的に困らないけど、どうやら警戒時の街や都への入出場、上級住居街区--貴族等が住む地区--等の特定場所への出入り時、そして国境を越える時等々、通常隠れている項目を表示させて示す必要がある場合も、それなりにあるらしい。
そうなると種族とか適正、称号、備考の、いかにもマズい部分を見せないといけない事になる。
正直な話し、僕が勇者だって事は、可能な限り隠しておきたいんだよね。
『人向けの鑑定石で作られたカードは、世界の記憶を参照した情報を表示する為、基本的に改変は出来ません』
『あ~、やっぱりムリかあ』
『イエス。鑑定石で作られたカードではムリです』
『・・・何か引っ掛かるんだけど。
鑑定石で作られたカードでは?』
『イエス。魔法により作られたカードであれば、初期設定次第で表示は変更出来ます』
カードは鑑定石を始めに使うと作られるって聞いたけど。
僕は伝承の書に手を触れて、世界の記憶から鑑定石の知識を得てみると、どうやら鑑定石っていう魔道具だけでも、人用、アイテム用、無間袋用等々、数種類ある事が分かったし、その中でカードが作られるのは人用の鑑定石だけらしい事も分かった。
要は鑑定石っていう名称は一緒だけど、実際には全然違う魔道具が、一括りに鑑定石って呼ばれているっぽい。
『ねえカイ、そもそもステータスカードって何?』
『個々の魔力波を基に、魔素を結晶化させ、世界の記憶への簡易アクセス端末アイテムとして構築されたものです。
鑑定石では魔力波の参照が行われる為、原則最初の一度しか作られません。例外は紛失等で、基となった魔力波を持つ存在から一定期間離れ、カードが魔素に還元されて以降の再発行時のみとなります』
つまりこのカードっていうのは、人用の鑑定石っていう魔道具の機能として、読み取った個々の魔力波を記録して、その魔力波を基に、カード型に魔素の結晶を作り出し、その魔力波を持つ存在の情報を閲覧抜粋表示する代物らしい。
そして鑑定石ではけど、機能的に、同じ魔力波を基にした結晶体は作れないけど、世界の記憶からその結晶体の存在が消えれば、再発行が可能になるって事の様だね。
逆にいえば、結晶体であるカードが作れる事は、法則に則って問題無く、魔法の場合は鑑定石とは違って、作れるカード数に制限が無い。制限が無いって言うよりは、作れるっていう法則の方が優先される内容って感じかな。
『制限はありますが、魔法で作成するカードであれば、作成する段階で情報規制をかけて情報表示させる事も可能です』
その制限とは単純に、魔力波の情報は偽れないというものだ。
魔力波は、種族固有のものと、個々で固有のものが合わさって出来ているんだとか。つまり、種族や個人の特性や、その系統情報を偽る事が出来ないという制限を持つ。
簡単に言えば、僕は今神族、現神ではあるけども、この世界で言えば普人族の系統である事は偽れないし、他人であるとも偽れない訳だ。
そうした条件を踏まえた制限を抑えて、先刻まで手にしていたカードのイメージを頭の中で構築する。その上で、それを果たす事に意識を向ければ、次の瞬間には手の中に新しいカードがあった。
●リク
性別:男
年齢:十五歳
種族:普人族
身分:自由民
職業:
適正:剣術/属性魔術
魔力値:八十
称号:
賞罰:
備考:
『うん、非常にシンプルで、精神的にも優しい』
『今後情報変更があれば、先に作られたカードにも同時に反映されます』
年齢が変われば、どっちのカードにも同じ様に変更があるのは、世界の記憶がその大元なんだから当然だろうね。
ちなみに、適正に関してはあくまでも、特に突出したもののみが表示される様にフィルターをかけた。
全般に適正があっても、当然全てが同じレベルって訳でも無いだろうから、特に適正値の高い二つだけの表示に絞った感じだ。
称号以下はもう、単純に神絡みの表示をしない様に、あくまでも人の世限定とした。
問題は魔力値だったんだよね。神力値での表示にしても八千四・・・千桁はハイヒュームとかの上位種で、ヒュームとかは多くても百桁になるから、桁を二つ落とした表示にする事で対処とした。
始めに作ったカードはまあ、勇者として動く時限定にして、普段は仕舞い込んでおく事にした。どうせ勇者として動かないといけない状況は発生するんだろうしね。
ただ、姿を晒せば何処でバレるか分からないから、変装か何かを考えないといけないだろうね。
後でカイと相談して考えるか。ニアにも相談した方が良いだろうなあ。
問題は、どこまで僕の情報が広がるかなんだよね。
召還された時、あの場にはニア以外にも、十人くらいの白いローブを着た人達が居た。
見た目とかからすると、不自然に各部分がゴツかったから、多分ローブの下は鎧とかを装備してたと思う。どうせニアの護衛だろうと思って、何も聞かなかったし、僕自身もニアとしか話してないから微妙なんだよなあ。
後はブラント司教くらいか。ニアにはなるべくこっそり生きて行きたいってのは言ったけども、ブラント司教を含め十人くらいの人達には、僕の姿や顔が見られてるからなあ。
どうも勇者としての役目、魔王が暴走だかした場合には十分な力を与えられてるっぽいし、僕の予想では過剰だから、まあ其処は良いとしても、それだけの力を持てば、それを利用しようとする人達も居るだろうし。
この世界でまた、元の世界のあの連中みたいなのに振り回されるなんて、正直ご免だ。
うん、やっぱりニアにも相談が必要だな。難しければ、ニアには悪いけど、暫くの間この地から離れる事も考えておかないと。
この世界にはカメラみたいなのは無いらしいし、似顔絵を残されたとしても、どうせ特徴とかだけだろうから、其処は誤魔化せると思う。問題は、直接出会った人達の記憶だけど、人の記憶なんてそう長く、細部までしっかり残らないだろうから、半年とか一年とか姿を眩ませとけば、何とかなると思うんだよね。
ああでもそう言えば、ニアは王女だから、王家絡みは厳しいかも? ん~、そこら辺は聞いてみないとだなあ。




