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ムササビ?

 皆からの視線がなぜか俺の角に集まる。


「なあ、タケ。その角…飴の味がするのか?」

「陛下ちゃん。おいしい?」

「へいかー。首飾りー。」


 また折れと?


 アレ(再生)なかなか痛かったんだけどなぁ。


「むむむ…興味がありますぞ!片角の魔族殿。セイヨウ様とどのようなご関係で?」


 おや?アンズさんだったか。気がついたようだな。


「アンズよ、タケは吾らの救い主でそなたの受けた毒の治癒も行ってくれた救い主でもあるのだ。そして、シンフォニアの新たな魔王様だそうだ。言葉を改めろよ?」

「むー。いえ、まあ…そこは、感謝しています。ありがとうごぜえますだ!…で、どのようなご関係で?」


 なんだろうか、この危ない目を見たことがある。


「そうだな、友達かね?」

「タケがそれでよいならな。吾としては救い主様とでもよんでいいのだがなぁ。」


 アンズさんは眉をひそめた。


「なら、なぜセイヨウ様はタケ様をみながら舌なめずりを?イケナイ関係ではないと?男同士のアレではないと?」


 そっち系が大好きなのかね?


「俺の角が飴のようにおいしいとこの子が言ってな…。」


 そう言いながら俺は横たわる少女に視線を送った。


「えへへ~名士チョコはどこ~。オレ・オレ・オーレわ~!」


 意識は別世界のようだ!


「「「…。」」」


 なんだ?アブナイモノを皆見てるような感じだね。


 もしや、新商品のやきいも味をこの子も求めてコンビニに…寄るところだったのか?


 てか『オレ・オレ・オーレ』ってあのあまーい飲み物か?


 不健康だぜ?


 店内にはこの子はいなかったからなぁ。


 何人こっちに来ているか分からんぞ。


 店内だけでなく、駐車場も含まれるとなると…


 その前に、トラックに轢かれそうになった人が、とかならさらに多い可能性が。


「むぅー。そこの鱗が所々にあり、妙なことを口走るおなごがか?ならば、真偽確かめさせていただく!とうっ!」


 え、跳んだ?いや、飛んだ?


 その前に…王子の背を踏み台ってどーよ?


 お供な家来じゃなかったのですかね?


「あ、こら!アンズ!タケは魔王だと言ってるだろう!」


 慣れているようだな。うおう!


 俺に抱きつくとそのまま角を…


「っと見せかけて、ちゅー。」


 なぜそうなる?


「だーめーよー?」

「むやっ!?」


 俺の頬に近づいてきたアンズさんの顔は離れていった。


「むむむっ!セイヨウ様に欲情する前にこのアンズに性を吐き出してくださればとのことです!そう!決して妾になろうなどとは…玉の輿などとは考えてませんからね!ただそのステキな筋肉に包まれたいだけですからね!」


 本音と建て前に思惑と欲望などが混ざっているなぁ。


「なにこの子…小さいわりに欲望の塊じゃない?」


 ムーちゃんがアンズさんの首根っこを掴みながら感想を述べる。


 徹夜明けのアナタも大胆な発言が…。


「陛下ちゃん。娘の前よ?」


 そうだったな、バルちゃんが残念なものを見る目を向けている。


 親が似たようなら失望をするか…。


「へいかとベッドでイチャイチャ~するのはリーナだよ?」


 おうい!俺の頬をやな汗が流れた。


「娘の今後が心配だわ。どうしましょう…まともなメイドをつけとくべきかしら。」

「ママ。みんな歳を重ねているんだよ?いつまでも子どもじゃないんだから、それに…バルは15だよ?そろそろ城内の仕事を…ね?」


 ね?


 え、ちょっと…15?


「オレが今年で14なんだ。まあまだ13だけどさ。今回のみんなでの遊びも、これからは仕事とかしはじめたりして時間が無くなるかもしれないからってことでさ…。」

「お店の仕事とかになると、休みの日が合わなくなっちゃうだろうし。訓練を受けるようになったらなおさら会う機会が減っちゃうからね~。」


 リュートくんにライアちゃんが寂しそうにしながらも言い出す。


 そうかぁ…14くらいでもう仕事が普通なのかぁ…


 学校とかそう言うのは…


「学校はまあ、余裕が無いとですね。他所の国ですし…。」


 ん?どうやらアダンさんが気付いたようだな。


「他所の国にしかないのか。難儀なものだな。」


 義務教育なんて夢のまた夢かね。


「そうねー。ライセンスは教官と支部があれば発行できるのよ。でも、学校となると違ってくるのよね。」


 ライセンス?


「ライセンスはデスねー。魔法使いとしての技能・力量を証明するためのものです。」

「説明感謝する。バセットさん。」

「え、いえ。陛下は…あのう。こちらについてはあまり知識を持ち合わせていないのですよね?」

「「「な、なんだって!?」」」


 おや?バセットさんはご存知のようだが、ムーちゃんや他は…まあ、知らないわな。


「まあそうだな。そこの鱗付きのお嬢さんと同じ世界からやって来た。よそ者だ。」

「なるほど、普通ではないわけだな。吾が住まう国にもそのようなものが時に居る。知識が違いすぎて、狂った者として扱われることもあるがな。あ、もちろんマトモナヤツも居るからな?」


 俺が悲しそうにすると慌てて訂正した。


 まあ、鱗付きのお嬢さんの奇妙な言動があるからな…狂者として扱われても仕方ない気がする。うん。


「僕の近所にも住んでるんですが…。とてもお元気なかたですね。夜がうるさくて…僕耳はいいほうなので大変ですよ。それも、相手の男の声のほうが凄くて…『もうだめ!』とか『し、しぬぅ!』とか『おかしくなりゅぅ~!』とか…聴いてる僕がおかしくなりそうですよ。」


 ああ、聞いてるではなく…聴いてるんだね。


 はははは…子ども達の前でなんてこと言うんだよ!


「アダン。そなた…それで見かけるたびにげっそりしていたのか…。引っ越したらどうだ?」


 王子に心配されてるよ!それにげっそりって…


「ほう?アダン。独りは大変だな?床の相手がおらんのか?」


 ムーちゃんに放してもらうと、すぐさまニヤニヤしながら言い出す。


「僕は兵としての仕事が。それに、アンズもだろう?」

「いや、ここにおる!決めたのだよ!一夜であろうとも…捧ぐ相手を!」


 俺を指差すんじゃない!


「さあ!抱擁して!マッチョマン!いえ、タケ様!」


 なにこのキャラ…。


 てか、ローブの中が貫頭衣って…


「この服装は、種族の特性を生かすためです!先ほど御覧になったでしょう!ナマ腋を!」

「ああ、毛深かったな。」

「うぐ…。その言い方に悪意を感じる!だが、獣化すれば毛深いんです!てか、セイヨウ様。いつまで獣化してるんです?」


 え、いまさら…。





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