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トカゲ?なあたしは今日を生きる

 ちょーいみわかんないんだけどー


 あたし、鱗あるよ?


 てかここどこさ…


 確か、新発売ってCMでやってた…


 オレ・オレ・オーレのベリーミックス味と、名士チョコのやきいも味をゲットしに…


 あ、そうだ…コンビニ寄ろうとしたら…トラックに…。


 こ、これが…転生!


 兄が読んでたラノベになんか書いてあった気がする!


 でも、似たような境遇じゃなくてもいい気がするんだけど。


 アレも確か…人外スタートだった気がするんですけどー。


 あたし的にはやっぱりどっかの令嬢(NO腹黒悪役!)に転生して、王子様とゴールイン的な?


 それとも、勇者様に求愛されたりー、魔王様に…きゃー♪


 乙女な感じを希望したいわ!


 で、ここどこさ…


『なにしてる…』


 え?


 だれさ?


『くいものだぞ…。小さき者が食わぬか…。』


 え、ちょ…生肉?


 あたしの前に置かれたのは『何かの動物の生肉』。


 いやいやと首を振る。


 そして、今生肉をよこしたトカゲ?を見る…


 怖いんですけど~


 特番で見た「コモなんたらトカゲ。」に似てる。


 たしか、あれって人を襲って食うんじゃ…


 う、うひいいいい…


『みょうなやつだ…だが、食わぬなら食うぞ。』


 あたしを?


 とはならなかったのだが、眼前で行われる生肉モグモグはちょーハードモードでした。


 ううう、その日はそのまま悪夢にうなされた。




 次の日。


 うわーいっぱい…。


 おっきなトカゲだらけ。


 でも、多くなりすぎたから移動するってさ。


 近場に川があるらしくて、そこを泳いで分かれるそうだ。


 昨日のは、お別れするやつらへのせめてものエネルギー源だったらしい。


 って、ことは…あー、あたしも泳いで他所に行くチームなわけね?


 二日連続ハードモード。


 川に映る姿が他のやつらに近いといえば近いが、目が違うことに気付く。


 瞳が違う?


 ほかのやつらはキツめな目をしているのに、あたしは元の人間だった頃に近い気がする。


 へんなのー。


 でも、トカゲはトカゲよね…。


 川は二方向に分かれており、更に分かれて移動する。


 これは、人工的なものかしら?


 途中から、用水路みたいな感じに何だか硬めになって、整えてある。


 てか、泳ぐというより流されてるわよね…。


 この姿のせいかあまり物怖じしないのが、人間辞めてるわね。


 はーおなかすいたなー、ううう…でも、生肉は食べたくなーい!


 しばらくして、ちょっとした陸地があったので皆水から上がる。


『ここで、休む。』


 リーダーっぽいヤツが言い放つと、皆頷いた。


 あたしに生肉を昨日よこしたトカゲ、偉いやつらしい。


 首もとのひらひら~が他のよりも長く、色も少し違う。


 もちろん、たべものが無いので…今日は寝るだけ。


 あー、体のつくりがぜんぜん違うのかしら、多分丸一日なんも食べてないよ。





 翌日、坑道?まあ、地下通路的な場所を皆で移動していた。


 すると、先頭グループ的なやつらが慌しくし始め、獲物が近くにいると騒ぎ出した。


 リーダーは冷静に、一匹のトカゲに上を見てくるように伝えた。


 すぐさま上を掘ると、日の光が入る。


 あら、崩れやすかったのかしら?


 と思って見ていると…


 そのトカゲの側に何か表示される。




【バジリスク】 ガジガジ (7)


LV:17


HP:876/1340


MP:0/0


SP:4/5


攻撃力 156


防御力 246


素早さ  76





 こ、これは…ステータス!!!!


 魔眼!それとも、あたしのスキル!


 やべーまじやべー




 ズパン!





 あ、死んだみたい…。


 ちょ、よわいんですけどー。


 仲間が殺されたことに気付いたほかのやつらがいっせいに近場を掘ったり、掘られた穴に向かったりしていなくなる。


 残ったのは、リーダーとあたし。


 今、上で女性の声が聞こえた気がする…


 やっぱり、食べちゃうの?


 うわーうわーやだなー


 そう思っていると…


『お前だけでも、生きろ。』


 とだけ呟いた。


 なにそれ、リーダーまじかっけーんですけど!トカゲですけど!


 そして、今の言い方からすると…


 トカゲの方が不利?


 弱いのねー。


 ヨワヨワスタートで、こりゃないでしょ。






















 地上に出ていったものたちは帰ってこない。


『見に行く。帰らなければ…逃げろ。』


 その背は逞しかった。


 そして…





 ごすっ





 地面が揺れた。


 ああ、リーダー。


 ダメだったのね。


 こりゃ、あたしも…


 どうせ、トカゲな人生?ですもの…


 一度は死んでるわ。


 まあ、死んだ気はあまりしなかったのだけど…


 光さすあの穴は、私を終わりに導く処刑台につながっているのね。


 今度があるなら…せめて、せめて人型がいいわ。


 人外なら、やっぱり…魔王様とゴールインかしら…


 イケメンならいいな~


 あ、でも…イケメンじゃ役立たずな可能性があるわね。


 カッコよければ言いや…




















 そして、あたしは地上へと…


 見渡してみると…


 ねえ、女性の声したけど…ウサミミついてるわよ!


 うわーそのスタートあたししてみたかった!


 ネコミミでもいいから、なんならそこのぽっちゃりくんみたいなイヌミミでも…


 あ…リーダーぁ


 首の部分が変な方向を向くリーダー


 その側に居るのは…



【回復魔王】 トライオス・タケル (21)


LV:---


HP:------/------


MP:-----/-----


SP:---/---


攻撃力: -----


防御力:  ----


素早さ:  ----



 ナニソレ怖い!


 そう思っていると、魔王が振り向く。


 ちょ、え、あ、え、え~!!!!


 店員さん!


 アレ、コンビニの店員さん!


 マッチョ!


 すげームキムキ!


 あれかしら、着やせするほう?


 うは、てか、あたし、トカゲ!


 ううううううううううう~~~~ハズカシヌ!




 そこで、あたしの記憶は途絶えた。




















 あれれ~?


 話し声が聞こえるぜー!


 てっきり、他のトカゲのように殺されたかと…


「ママー。この子、目が違うから石化しないよ?飼って~」


 なにそれ、どこのペットショップ?


 また人外スタート?


「なあ、ムーちゃん。バルちゃんは何者なんだ?」

「え?アタシの娘よ。面白い子でしょ?」

「いや、娘の事をそんな言い方でいいのか?」

「じゃあ、ユニーク?」

「言い方変えただけだろ?にしても、確かに…目の色がまず違ったな。」


 え、店員さん。今度は魔王じゃなくて、ペットショップの店員さんかなにかかしら?


 そして、この綺麗な声は人妻!よね?娘とか言ってるし。


 気になり、まぶたを開ける。


「っ!?あれ、確かに…陛下ちゃんに近い瞳ね?」

「だろ?…え、今なんて?俺に近い瞳…だと?」


 陛下ちゃん?それはだーれ?



 先ほどの魔王でした。



 じゃあ、まだトカゲなのね…。 

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