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亜人と称されていますよ。

 キイイイィ…



 あれれ~いつの間にか扉が開いてる。


 ん?どういうことだ…。ノック無しだったぞ?


 閉め忘れでもないし…。


 扉は半開きだが、俺が座る椅子からでは見えない。


 気になるなぁ…。


 俺は、読んでいた魔物図鑑を机に置くと扉のほうへと…














 にしてもすごいよなぁ、書いてある文字はこりゃ読めねえだろうと思えるものだった。


 だが困っていると、アルトが…


<簡単ですよ?イメージです。>

<すると、ほ~ら、読めるというか…理解できるに近いですかね?>


 ホントだ、理解できるに近い。


 短く礼をし、本の中身に目を通していた。


 いや~魔物ってくらいだからゴブリンやオーク、オーガなんかが書かれてると思ったんだけどな。


 そう思っていたら


<亜人と称されていますよ。まあ、少数部族です。>

<ゴブリンは妖精族に近いと言われています。>

<オークは獣人族に近いとされています。>

<オーガは魔族に近いんだそうです。>

<魔物じゃないですからね?>

<タケルさんのイメージみたいな感じではないということだけは注意しておきますよ?>


 えーっと


 肌が緑色でちっさくて剥げてる?


<いいえ。>


 太っていて、豚のような顔をしている?


<いいえ。>


 肌が赤くて、額に二本角、残忍で、人を食べちゃう?


<あ、えーっと種によっては肌が赤くて、額に二本角の特徴を持つ方もいるようです。>

<人は食べませんよ?怒らせなければ温厚なのがオーガです。>


 ほへーそうか、亜人か…。


 間違って討伐してしまったらそれこそ…


<ええ、戦争ですね。まあ、タケルさんが一方的に蹂躙するだけでしょうけどね。>


 うわぁ、蹂躙とか…


 それこそ残忍じゃないか!


<可能でしょうに…。>

<『ふははは!!!貴様らなどいくら束になろうと指一本で一捻りだ!』>

<とか、いいんじゃないですか?>


 うわあああああ!!!魔王だー!


 いや、待てよ。


 俺、魔王だー!


<ふ、ふふふ…まあ、冗談ですよ。>


 冗談か?


 イメージし易すぎて怖い。


<やらないでくださいよ?>

<この国を、愚かな人間国みたいな国にしないでくださいよ?>


 とても真剣な声で言われた。


 愚かね…。


 この国は多種多様な国。


 それに比べ人間国は…


<亜人に対してかなり…まあ、わたしはそういうことに関しては『NO』ですからね?>


 わかってますとも。


 いつかは関わるだろうとはいえ…先が思いやられるなあ。





 そんなことを頭の片隅に追いやりながら魔物図鑑と表紙に書かれるそれを読み始めたのが先ほどだったが…


 集中しすぎていたのだろう。


 扉が開く音がしなかったもんな。


 でも、何者かがいる気配だけは伝わってくるんだよ…。


 だって、今更だが小声で何か聞こえてたんだよな。


 リーナかヴィオリラ先生が寝言をと思っていたが、聞こえてきた位置的に違和感がある。


 なので…


「なあ、誰だ?」


 おっと、すこしぶっきらぼうな言い方になってしまった。


「わ、わわわ…」


 わわわ?


「私よ!」

「おい、声が大きい。寝てる子がいるんだ、静かに。」


 扉から顔を覗かせたのはヴィオリーン姫だった!


 それも、声がでかい。


「ご、ごめんなさい!」

「だーからー、静かに。」


 顔を覗かせた後に謝りながら体全体を顕にする…。


 面積が狭いよな。


 目のやり場に困ると言うかなんと言うか…


 なので、視線を少しずらしながらもう一度注意した。





















 ……


 …


 そして、どうしてこうなった?


「ねーねー、トライオス~ここは~?」


 俺の胸板に後頭部をスリスリしながら本の一文を指差す姫様。


「もー、静かにしてあげるんだから、読んでよね~♪」


 なぜ上から?


 さっきまで及び腰で謝っていた子とは思えないほどに…


 ちょ、そんなにもぞもぞ動かないでください!


 あ、当たってる!


 俺のに当たってるから!


 そ、そこ…嬉しそうにしながら顔を赤くしないでください!


「んっ、はあはあ、なんか硬い所があるわよ?この椅子。」

「なら下りるか?」

「いやよ、私は退かないわ…決して!」


 なにその決意。


 


 


 





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