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アルプだそうです。

 ニコニコと笑うその顔は女性…。


 視線を下げるとリーナよりか大きめ、ヴィオリーンよりかは小さい胸が…ん?


 …つけてない!おうい!つけてない!うっすら見えてますよ?


 気付かぬ振りして視線を下げると余分な物の付いていないおなか…へそだしルックってやつかね?


 健康的だ。まあ、肌は病的なくらい白いんだが…


 何より引っ掛かりを覚えるのはそのレザーパンツのある部分を押し上げるモノ…


 どゆこと?


「あ~気になっちゃう?ね~?」


 俺のぶしつけな視線にも気を悪くはしない。


 それどころか、見られたことにより主張する力を強めた。


 まじかよ!そう思い視線を少し上げると…つけてない方も…突起が…


 だめじゃないか!けしからん!


 当のご本人様は嬉々としたお顔をなされている…。


「あらあら…いつの間にか…ところで、アコーちゃん?」


 俺の顔を見た後、自身の胸やら下腹部に視線を送るが、何か思い出したのか俺の横に控えるアコーに声をかける。


「はい。どうかなされましたか?ツィンバロム様。」

「お隣の殿方、どなた?魔王のローブに似てるけど…陛下は仮面を…。はっ!?もしや、アコーちゃんのこれ?」


 小指を立てた。そのサイン通用するのか…。


 てか、仮面つけてるときの俺は知っているのか…。


「なら、幸せだったでしょうね…。でも、リーナちゃんの想い人ですよ?ですから、ツィンバロム様…盛らないでくださいね?」

「え~。それは難しいわ~。で、どなた?」


 自虐的な笑みを見せるアコー。


 対して、盛らないでくださいと言われたのにも拘らず、俺を一瞥すると舌なめずりをするツィンバロムさん。


 …ホント、盛らないでください。目のやり場に困る。


「陛下ですよ?」


 俺もアコーの言葉と共に仮面をON。


「っ!?なるほど…あらやだ、よだれが…じゅるり。どおりで似たような逞しい身体を…。アタシのオンナノコな部分が…あらやだイケナイ…いえ、ある意味イッちゃう?」


 下ネタ将軍で決まり!


 俺もアコーもそろってジトッとした視線をツィンバロムさんにおくる。


「ごめんなさいね~。徹夜明けで、テンションがおかしいみたい?あ、でも…上は下着よ?」


 …痴女?


 セクシーなポーズをとりながらアピールするとかどーよ?


「…陛下ちゃん。…する?」


 いや、するってなにを?


「そんな顔しないでよ?軽い女じゃないわよ。そして、軽い男の娘でもないわ。」


 軽くはないんですね…。てか、男の娘って…


「陛下が困っていますよ。どっち付かずなそのお姿に…」


 アコーがそう言うが…


「どっちも付いてます~!そう、ハイブリッド!無限の可能性ありあり~!」


 両性具有、アンドロギュノスもしくはアンドロギュヌス…


 無限の可能性…


 すまん。俺には分からん世界だ。


「…。まあ、とりあえずはじめましてだな。昨日、魔法を使って倒れたトライだ。」

「?トライ?トライオス陛下ちゃんでしょう?アタシこそはじめまして、陛下。」


 トライオスで通すか…実際ステータス表示もトライオスだしな。


「ああ、トライオスでいいよ。よろしく、ツィンバロムさん?」

「ん~バロムでもロムでもムーちゃんでもいいわよ?」


 ムーちゃんって…。ツィーちゃんはだめなのか?


「ムーちゃん。」

「はあい♪」


 とても幸せそうなお顔で…


 ぐ、反応してしまう。


 しかし、どうなってるんだ?どっちも付いてるんだろう?


 気になる…。


「ふふ…男の子ね。陛下ちゃん。気になるんでしょう?このパンツに隠れた世界が…どうする…する?」


 お元気ですね。


 開放されれば真っ先に見えるのはポールだろう…複雑な気分だ。


「いいわよ、好きなだけ…。」


 葛藤する俺の姿に興奮しながら艶めかしい動きを…


「ん、んっ、陛下。ツィンバロム様。場所をお考えください。それに、陛下のご様子からして…好奇心ですね?」


 ああ、まごうことなき好奇心!


「そうだ。残念ながらする気はない。だが…気になる!」

「あら、素直じゃないわね…って、あらあらアタシだけ盛ってるみたいね…。やっぱりテンションが…もう、書類整理や謁見の順番整理が忙しくてね…。」


 お仕事でしたか…まあ、この姿でスーツ着てたらキャリアウーマンだろうな…スカートならそこまでテントが主張しないだろう。


「ちなみに…」


 俺は、謁見と聞いてもしかしたらと…


「もちろん、陛下ちゃんよ?アレだけの奇跡を起こせる魔王様に、会ってお礼を言いたいとか、お話をしたいとか、覚えてもらいたいとか、娘を嫁にとか…まあ、色々とね…。」


 将軍は忙しくしていたんだな…


 それなのに俺は…初めての夜でした。


「すまん。迷惑をかけた。」


 俺が頭を下げると、指で肩をツンツンしてきた。


「だーめ。アタシはただの将軍。陛下ちゃんは魔王様。立場が違うわ、それに今までは苦情や悲痛な訴えだったの。それが、一日にして歓喜の声へと代わったのよ?感謝してるわ~。」


 俺はそういわれたので頭を上げる。それを迎えるのは柔らかな微笑だった。


「アタシは嬉しくってついつい仕事をしただけ。どのみち昼までにって話だったのを夜のうちにちゃちゃちゃっとね。だから今から休憩タイムだったの。そこで、通路で抱き合ってる男女がね~アタシの話をしてたようだったからね?」


 それは悪いことをしたな。


「悪いと思うなら…。今からアタシの部屋で運動会?」


 …。元気ですね。


「いや、ゆっくり休んでくれ。」

「ぶー。」


 残念そうにしないでくださいな。


「ふと思ったんだが、両性具有とは…生まれつきなのか?」


 俺の言葉にキョトンとするが…


「え、ああ…陛下ちゃんは初めて見るのね?」

「はい。陛下は…。いえ、元よりツィンバロム様の種族が珍しいですよ?」


 アコーは、俺の情報に口をつむいだ。


「そう?アルプって言う魔族よ。妖精族に近いとされてるわ。」


 アルプだそうです。


 世の中広いね。

 


 

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