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オン・オフ機能搭載仮面

 しがみ付く先生はひたすら俺の背に胸を押し付ける!


「我は降りぬぞ!この素晴らしきトライの背に乗っていたいのだ!安心感が半端ないぞ!」


 ふっ…駄々をこねる子どもだな、自分のベッドで寝なさい。


「ぐうう…子ども扱いしおってからに!今の我は ないすばでい だぞ?ほれほれ~この胸の感触でわかるじゃろうに~背中じゃわかりづらいか?」


 わからんな、もっと強く押し付けてもらわなきゃな。


「ねえ、タケル。さっさと下ろさないのかい?先生なんて力ずくで落とせるだろうに…。このやり取り楽しんでない?」


 ジトッとした目で俺とヴィオリラ先生がじゃれている所を見るリーナ。ああ、背に当たる感触を楽しんでます。ごめんなさい。


「ボクだってタケルの背にお世話になりたいのに…。あ、そうだ!塔からの帰りは部屋までのせてもらおう!うん。そうと決まれば、先生!はよ降りろ!ボクとタケルの時間を奪うな!ぐぐぐ…強情な!は~な~せ~!」

「い~や~じゃ~!にゅっ!こ、こっれ!我は猫じゃないぞ!首ねっこを掴むでないトライ!」


 騒がしいので背に手を回すと先生の服の襟首辺りを掴む。そして持ち上げるとベッドに下ろす。


「あ~ヴィオリラ先生?スカート丈短くないか?フリフリフリルなパンツが丸見えなんだが?ピンクってど~よ?」


 ベッドに下ろされた先生を正面から見る位置となる。


「だからの~トライ、我のことは敬意を込めてヴィオリラ様と呼べと!な、パンツを見たな!うう、これでは嫁に行けん!責任を取るのじゃ!さあ、婿になれ!今すぐ押し倒すことを許可する!かかって来い!勇者よ!」


 挑発ポーズをしながら魔王みたいなことを言い出すが…それでいいのか勇者殺し?おい、足を開くな足を!


「パンツ程度で大げさですよ先生。スカート丈が毎度短すぎるのがいけないし…それに、タケルはやらんぞ!いにしえの魔王!」


 ノリノリだな…。


「もしかして、いつも短い丈のスカートなのか?」

「そうだよ、だから先生の戯言に耳を傾けちゃダメだからねっ!」


 アレかね…見せパンだっけ?だが…あまり直視しないようにしないとな…今の先生のパンツは先ほどの暴走の所為か…まあ、ちょっとね…うん。だめだ、みてはいけない。まさか、本人は気付いてないのか?冷たいとか思わんのかね?あんなにぐしょ…おっと、止しておこう。


「リーナ。行こうか…先生はお疲れのようだ。早急に退散しよう。さよなら先生。」


 リーナの手を優しく握りながら退散することにする。



 キイイ…ガチャン!



 見なかったことにして逃げるのが一番だ。うん。変な気分になってきていたから危なかった。やっぱり先生はサキュバスなんじゃないか?


 塔の扉を閉めると…


『あ、ちょ!待つのだトライ!このカラダのほてりが、うぐぐ…。寂しいの~また部屋で一人っきりか。』


 悲しそうな先生の声が扉の向こうから聞こえてきた。ほてりとか言うなよ!


 煩悩を振りほどきながら屋上を歩く…


「そ、そろそろ手を離してくれると助かる。」


 屋内への扉を前にして、ぼそぼそと言い出すリーナ。


「ん?ああ、すまん。」


 小さな手を開放する。


「(強引なのもなかなかイイと思えてしまった。ちょっときゅんきゅんしちゃうよ。)」


 小声で何かぼそぼそ言っている。また真っ赤だぞ?風邪か?熱でもあるのか?


 俺は気になりリーナの額に左手を添える。


「熱でもあるのか?真っ赤だぞ?」

「ボ、ボクは大丈夫!いや、大丈夫じゃないようだ!さあ!タケル、おんぶを今こそするときだ!優しくしてくれよ?」


 言われたのでリーナに背を向け、方膝をつく。


「どうぞ、リーナ姫。アナタの勇者がお部屋までお連れいたしましょう。さあ、私の背に。」

「お、おおおお姫様だって!?ふふっ…はずかしいね。では勇者様、お願いするよ?」


 俺の背に乗ると肩をポンポンとたたかれる。


 俺はそれを合図に立ち上がる。


「イイ!実にいいぞ!こんな幸せをすでにバルちゃんと先生は得ていたとは!あったかいな~タケルの背は。…おっと、ローブを脱いだ時の姿を思い出してしまった。は、はずかしいな。あの逞しい背にボクは身を委ねてるなんて…。」


 ご機嫌のようだ。俺は扉を開け移動する。


 歩いてる最中もたびたび背に頬ずりされる。くすぐったい。おや、この後はどこを曲がるんだったかな?


「そこは左だよ~まだまだだね?いや、短時間で覚えれたほうが凄いのかな?」


 方向音痴ではないが、一回通っただけで覚えれるほどでもない。仕方ないよな。


 それに、帰りの時間を稼ぎたいと、もう少しこのままでいたいと思っている自分がいるのも確かなんだがね。


 あ~そう思っている間に見覚えがある通路に…ん~この城自体そこまで大きくないのか?そう思えてきたのだが…明るい時に全貌を見ればわかるか。


 階段を下り、リーナの部屋の前へと到着する。


「「アンロック」さて、幸せな時間は終わりのようだ。いや、まてよ…ふふっ!ボクにはまだ添い寝が待っていた!これは他の誰もまだだ!」


 部屋に入り下ろすように言われる。そして、添い寝らしい。


「寝るときは仮面外したほうがいいよな?」

「そのアーティファクトは優れものなんだよ?オン・オフ機能搭載!自分の意思で解除できるんだ!まあ、角からできた仮面もタケルのカラダの一部として扱われるからってのが理由だけどね。」


 ほ~すごいね~オフ!そして、目元を触ってみる…消えてる!スゲー!オン!ぺたぺた、おお~付いてる!ハイテク~


「ふふっ。タケルの驚く顔がちゃんと見れたね?ボクは満足だよ~さあ、休もうか?」


 白衣を壁に掛け、ソファーに横になるリーナ。靴は履いたままなのか?欧米だな。


 俺は裸足がいいんだがな…文化の違いというやつか?それに、エンチャントとやらで履き心地がいいからあまり気にならないのかね。


 俺もローブを壁に掛け…


「ん、ごきゅっ!」


 顔が真っ赤ですぞリーナ殿。まあ、上半身裸だもんな。今思い出したよ。


「に、にに日中にでも服屋で見繕うよ!タケル用の服は専用にオーダーメイドのほうがいいからね。普通の服だと角に引っかかっちゃうからね。うん。さあ、ボクの隣りが空いてるよ?」


 ソファーをポンポンとたたくリーナ。かわいい。去れ、俺の煩悩よ!


 なるべく無心にソファーに横になる。そして、仮面オフ。


「ふふっ、それじゃ明かりを消すよ。ライトオフ!」


 明かりが消えたぞ!これもハイテクだな、開発されてはいるんだっけか?音に反応して消えたり点いたりする照明。


 俺が感心していると…柔らかい何かが俺の頬に押し当てられた。まあ、大体なんなのか解っていたりするのだが…


「おやすみ、タケル。」

「おやすみ、リーナ。」


 寝れるかな…。



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