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おやすみのようだ

 お二人できゃっきゃと言い合いをしはじめたので、俺は空気のごとく移動し一人で個室へと入る。



 Oh!木箱!そして、コイツがスライムか…透明に近いな、少しだけ緑色をしている。


 そして、種とやらは梅干しの種のような見た目だ。サイズも似たようなもんだな。半分に割れていて二枚貝に近い感じを受ける。その中からこのスライム部分が出ているのか…


 こんなんだが、植物らしい。細胞と核のような…ファンタスティック!


『…じゃぞ!この…は…べきだっ!』

『…ですが!…だと…ですよ!…は…ですからね!』


 外から声が聞こえ…


バンッ!


「トライ!失礼するぞ!「シャドーバインド!」」

「ちょ、先生!途中だったらどうする気なんですか!」

「その時は手間が省けるだろう!儲けモノじゃ!」


 声と共に足元の影が紐のように伸びて…足首と手首の自由が…


<バインド耐性を手に入れた。>

<バインド耐性が上がった。>

<それにより、バインド状態の時間が短縮されました。>


 意味がわからないよ!なにこの状況!


「な!?おい、どういうつもりだ!動かせんぞ!」


 かつかつと足音が後ろから聞こえる。二人分。


「なに、簡単なことじゃ。好奇心が勝った!今はそれだけが正義なのだよトライ君?」

「何が正義ですか…好奇心ってだけですよね?」

「ええいっ!リーナも志は同じじゃろう?トライのが見たいのだろうに…」


 な、俺のを見たいだと!痴女じゃないかっ!


「なっ!た、確かにタケルのズボンを先ほどから持ち上げているのは興味がありますが、堂々とそんなことは、心の準備が…」

「何を今更、さっきからひたすら我にアピールしおって!我とてトライには興味があるのだぞ?気になるだろう?」

「…はい。」


 俺の左右にいるようだ、首は少しだけ動かせるな…


「俺のを見てどうするつもりだ?てか、拘束してなにをするつもりだ?」


 ヴィオリラの方が俺の前に来る。そして、テントへと手を伸ばす。


「もちろん。お主のを楽にしてやるのじゃよ?他にないだろうに、こんなにしおってからに…気になってしょうがないだろう?」


 ズボンのファスナーに手が触れると、引き手を握り下へとスライダーを下ろす。そして…


「「ん、ごきゅっ!」」


 生唾を飲む二人。


「こ、これがタケルの…対策を考えておかないと。」


 リーナさん?何を言い出すのかね?


「さあ、暴走した力を解き放って楽にしてやるとするか…。」


 ヴィオリラは不安と好奇心に揺れる碧眼を細めながらえらいことを言い出す。いや、えろいことか?


「ま、待つんだ!何かイケナイ気がする!このままではいけない気がする!」

「何を言うとる。我らはお主より年上だぞ?何の問題も無い。いけるさ!」


 いけるの意味が違う気が…


「リーナも何か言ってくれ!」

「そ、そんな…タケルを元気にさせれる言葉が見つからないよ。こんな立派なの初めてなんだ…お父さんのは見たこと無いからね…。子どもの頃は水浴びの時に同じくらいの年のころの男の子のは拝見させてもらったけど…違いすぎる。」


 ヴィオリラの隣りに並ぶリーナ。いや、元気にさせる言葉って…


 近い近い近い…




















<魔王の力により削除されました。>


























 まさか異世界に来てこんなことになるとは…。


 あの後は暴走したヴィオリラにリーナが「ショックショット」と「スタンショット」をお見舞いして…おやすみのようだ。


「ごめんよタケル。先生がこんなで…気難しいかたなはずなんだけど…。」

「なあ、この先生とやらはサキュバスなのか?」


 俺がおんぶしている先生の事を聞いてみる。ヴィオリーンよりもサキュバスっぽいのだが…角も尻尾も無い。だが、暴走した時はコウモリのような翼が背から出てきたんだよな。アレには驚いた。


「先生の種族かい?ヴァンピールだったかな?でも、血じゃなくても力を手に入れられるんだね。タケルのアレで暴走するとは思わなかった。」


 俺の魔王や勇者としての存在が彼女の身体に異なる影響を与えたのかね…。


 今の姿はあの時のナイスバディーな金髪レディーの姿だもんな。


 魅了時に一瞬見えた姿が満月の夜の姿だったとはね。


「俺が思うに行動や思考はまるっきりサキュバスっぽかったんだがな…俺の世界でのヴァンパイアではちょいとずれている印象を受けるよ。」


 隣りを歩くリーナは苦笑い。


「まあ、おやすみさせれたからよかったよ。特にボク的にはやはり…タケルとの初めてはボクが先に済ませたいし。」


 「ボク的に…」なんだ?声が小さくて聞こえなかった。だが、リーナは耳の先まで赤くなっていてひょこひょことそのエルフ耳も動いている。


「そうか。それで、この先生はどこに持っていくんだ?」

「なんだい?その言い方じゃどっかに投棄するみたいじゃないか。ふふっ、こんな扱いしてくる連中はいないだろうからこれからは先生、気楽になるかもね~。少しは気難しくなくなるかも?まあ、拗ねたりするのは変わらないだろうからね。」


 お偉いさんだから知っている連中からは気楽に接してもらえないということか?だが、アホのアコーとバルちゃんはちょっかいを出してくるらしいな。


 拗ねやすいのは俺も身近でみたからわかる。すぐに愚痴もこぼすしな…子どもっぽいよな。


「だえがこどもれしゅって~」


 なんだ、子ども扱いには敏感だな…。


 背中からヴィオリラの声が聞こえてくる。リーナは声のほうを見て


「まったく。先生は子どもですよ?ワガママ言い出すこともしばしばですからね…。タケルも何でもかんでも引き受けないようにしなきゃね。気をつけとくんだよ?」


 今度は俺が苦笑いする番か…参ったね。ワガママっ子か。世話が焼ける。


「ぶー!とりゃいっ!おぬしをむこにしてりゃりょうか~!」

「だ~め~で~す~!」

「いいじゃにゃいの~!ひゃ~りぇむめじゃしにゃよ!にゃりぇりゅしゃ!とりゃいにゃら!ハーレム王にっ!」キリッ!


 なぜハーレム王だけキリッとしながら言った!


「はいはい、なれるなれる。ついたよ、ここが屋上につながる扉だよ。今夜は星空は見えないけど…見える日はすごいんだからね~ささ、先生の塔へ行こう。その後は部屋に戻って休もうか。それで、起きたらこの場所で一緒に朝日を見ようね~タケル♪」


 そうだったな。一緒に見るんだったな…。何時間寝れるかな?


「ぶー!いいな~我も朝日が見たいのぅ。トライ!エネルギーを分けておくれっ!次は暴走せぬから、なっ、このとおり。」


 引き受けないようにしないとな。


「先生が昼間行動できるようになるなら…でも、今はまだだ~め!我慢の時だよ、先生。」

「え~」


 やっぱり子どもだな~先生。




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