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スライムは植物です。

 いじけるリーナ、仕方ないよね。異世界だもん。


「むー。これじゃボクが自慢できることはすくなさそうだね。タケルの驚く顔が少しでも見たかったのに。」

「驚く顔って…。俺、今顔の上半分は仮面で隠れてるからあんまり分からないんじゃないか?」


 俺がそう言うと、ジーっと俺の顔を見てくる。


「そうでもないさ、タケルは口元に出やすいからね。これは近くで見ているから言えることだけどね…ふふっ♪」

「なんだそりゃ、驚く顔とはいえないじゃないか…。」

「それだけでいいんだよ。ボクが満足できればね。」


 満足するならそれでいいのか?


 …ぬ、これは、どうしたものか…。


「どうしたんだいタケル?悪いものでも食べた?」


 いや、この世界に来てまだ何も食べてません。水分をとっただけです。でも、その水分が問題なのですよ。


「なあ、こんなことを聞くのは何だが…トイレとかはどうしてるんだい?も、もちろん変な意味ではないぞ?」

「…へ?そりゃあトイレで済ませるに…いや、忙しい時はオムツで済ませるよ。」


 大胆発言。オムツで済ませることもあるんですね…。あ、でも、トイレは普通にあるのか、それとも絶対数が少ないとか?


「そうか、で、だな、トイレどこ?」

「あ、あ~。タケルはこの城の間取りとか知らないんだね。仕方ないなあ、ボクが連れて行ってあげるよ?」


 恥ずかしいな、その言い方じゃまるで夜中に一人でトイレに行けない子供に仕方なく付いて行ってあげる親のような感じを受ける。


「道順だとか教えてくれれば…」

「なんだい、付いてきて欲しくないのかい?行き帰りに迷ったらどうするつもりだい?」


 それは勘弁願いたいな。その時は見回りしてる兵に聞くしか…


「ボクの厚意を無碍にするのかい?」


 ぐ、ずるいなその言い方と表情。強く出れない、相手は確かに優しさでできている。俺の独りよがりに過ぎない。


「…お願いします。」

「ふふっ、素直でよろしい。さあ、行こうか?」


 リーナはソファーから立ち上がると、こちらに向けて手を差し出す。


 だが俺は一人で立ち上がる。


 しかし、手は差し出されたまま。…どうしろと?


「もちろん、はぐれないように手を握るんだよ?…ダメかい?」


 愛らしく首を傾けた。


 俺は無言で包み込むように握った。









 部屋を出て手をつなぎながら廊下を歩く。


「なあ、ちなみにトイレはどういう仕組みなんだ?」


 俺は少し心配になってきた。和式・洋式以外の可能性を。


 俺の心配に視線を握り合う手元に向けていたリーナは…


「仕組み?そりゃ~スライムが入ってるから、そこで済ませるんだよ?」


 は!?ファンタジー世界到来。スライムにトイレするんですか?ついていけないぜ、その文化。


「こんなことで驚かれるとは…」

「いや、スライムは魔物、モンスターだろう?」


 お決まりだよね!お兄さん的にはお決まりなんだけど。キミ達はどうだい?


「なにを言い出すんだい?スライムは植物だよ?魔物なわけないじゃないか。それとも、タケルの世界では魔物なのかい?」


 ああ、そうだな。どっかの不思議でワンダーなランドでは最初に仲間になるぜ?後は、戦闘のチュートリアルで犠牲になるゲームも…


「実際に存在しているスライムは洗濯のりとホウ砂でできるんだがな。(理化の実験で作ったことがあったりする。)同じ名称だが、ゲームや小説なんかでは空想上の産物ではあるが、モンスター・魔物として扱われていたりするんだよ。」


 俺が説明すると「ふ~ん。」などと言って少し考え込む。


「作れるってのは気になるけど…。空想上の産物か。なるほど、でも…植物だよ。スライムは。」


 なるほどね・でもしょくぶつだ・すらいむは。


「その植物なスライムはどこに入っているんだ?」

「トイレの個室。」

「…。」


 お聞きしたでしょうか?個室にスライムと一緒…。


「?個室に設置してある木箱の中にだよ。まあ、外や簡易な場所だったら縦穴を掘ってスライムの種を植えた簡単なつくりになってはいるけどね。」


 和式に近いのか?それとも、木箱とやらで洋式に近いのか?スライムの種ときたか…。


「まだ説明が必要なのかい?スライムが老廃物を分解・吸収するんだよ?簡単だろう?」

「…。ああ、簡単だな。スライムの種とやらはどういうことか説明求む。」

「そのまんまの意味だよ。スライムは種の中に本体が入っているんだ。他の生物の老廃物を摂取して生きている。サイズは種類によって選べるからね。ちなみに、オムツは一番小さい種類のヤツが布の間にはさんであるんだ。一番小さいやつでも布が汚れる心配はないし、手軽に処分も可能なんだ。長時間の作業なんかでは重宝するよ。」


 オムツの中にスライム!


 おい、そこのキミ。へんな事考えただろう?…俺もだ。リーナで想像してしまった。ごめんよ…強く言えない。




 キーン


<幻術をレジストに成功した!>

<幻術耐性を手に入れた。>

<幻術耐性が上がった。>


「なんじゃと!我の幻術が効いておらぬのか?バカなっ!ええい、もういっちょっ!」


 キイイイーン


<幻術をレジストに成功した!>

<勇者様は幸運でも持ってるのかしら?>

<二連続でレジストとか…ズルクナイ?>

<幻術耐性が上がった。>

<幻術耐性が上がった。>

<幻術耐性が上がった。>

<幻術耐性がMAXになりました。>


 俺何かしたかな?幻術といわれてもな…我とかどこの誰さんだよ…。


 あと、この感じ、バグパス(カエル魔王)とのやり取りを思い出すのだが?


「タケル?どうしたん…だい?」


 リーナの表情がおかしい。熱っぽいのか?


「レジスト!」「ヒール!」


 リーナを光が優しく包む。


「なんと!我の幻術をレジストするのかっ!」


 アナタが何かしらの幻術を使っていたのですか。お嬢ちゃん?


「貴様!我のリーナとおててをつなぐばかりか我を…我を子供扱いしおるな?幻術は止めじゃ!これでどうだ!…うっふっ~ん♪」


 お嬢さん、そのポーズはどうかと思いますよ?


 ここでなびくのは変態さんのみだ!俺はリーナがいる。堕ちるわけが無い!


<魅了耐性が上がった。>

<ふっ。魅了されてますよ?>

<ね~ね~、魅了されちゃってますよ?>


 うぐ…。だって、一瞬だがオトナな女性に見えたんだよ。金髪のナイスバディーな感じに。


 今ではただの幼女だが…バルちゃんとドッコイドッコイ位か?


「き、きき…貴様ぁ~バル子と同じだとか考えなかったか?…魅了も効かないとは…貴様っ!何者?名を名乗れ。」


 偉そうだな。


「俺の名はトライ・タケル。魔王だ!名乗ったんだから、お嬢ちゃんも名乗ったらどうだい?」

「は?魔王?ふ、ふふ…馬鹿にするでない!「シャドースピア!」」



 ザンッ! がしっ!



「…は?」


 呆けてる所悪いが…今度はアコーのシーンの焼き増しか?


 芸の無いことで…

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