ルールと処罰。
「―被害者は神城涼也16歳。恋人とテーマパークに遊びに来ていたところ、犯人田中彰によって射殺。恋人及びその周りにいた市民には怪我は無し。駆けつけた警備員によって田中彰は取り押さえられた。そして、その後自分で舌を噛み切って自殺。っと。大体こんな感じか、今回の事件は。」
こう言うのは、いかにもなベテラン検事。
「田中彰のことなんですけど、右肩に奇妙な刺青をしてまして、取り押さえた時にはあったらしいのですが、死亡した後には消えていたらしいです。どう思いますか?」
ベテラン検事に比べると初々しさが残る検事が書類をまとめながらこう尋ねる。
「そんなもの、ただの見間違いだろ。そんなことより田中彰についての情報を集めることが最優先だ。」
ベテラン検事が答えた。
「ういーっす。。。」
暗闇。
いや、涼也の目の前にある巨大なディスプレイを除いてはだ。
「どうなってやがる。」
右肩には奇妙な刺青、そして扉を開けてからここに立っている間での記憶が一切ない。
そもそも支配人とはだれだったのか。様々な疑問が交差する中涼也の前の巨大なディスプレイが動く。
「―――。ようこそTwice.へ。私はこのゲームの支配人です。ですが、貴方と対面のある支配人とは別個体なのですべからず誤解の無いよう。」
「ちょっと待て!俺はどうしたらいい、Twice.ってなんだ!」
そんな涼也の声も無情にもディスプレイ越しの支配人には届かない。
「では、このTwice.のルールを説明します。
1.PLAYERは七日間のみ現世に生身の肉体を取り戻し甦ります。
2.その七日間で一日ごとにPLAYERはこちらで用意するtargetを何らかの方法を駆使して殺害します。
3.targetの殺害に失敗し、定められた時間を超過してしまった場合はPLAYERには処罰を受けてもらいます。
4.この七日間の間、PLAYERは存在を確認されてはなりません。つまり、知人に会うことはできません。もし、ルールを破ることがあったのならば即刻処分の対象になります。」
5.七日間こちらが要求したことを成し遂げますと、現世にもう一度甦ることができます。
以上。
理解していただけましたでしょうか。
では早速本日のtargetを発表いたします。
targetは、高山春人。」
そう言うとディスプレイに高山春人らしき人物の顔が映る。
「この人物を残り24時間以内に殺害してください。健闘を祈ります。―――」
「おい、まてまだ聞きたいこ。。。が。。」
言葉を言う間もなく涼也の体は再び光に包まれてゆく。
Twice. 一日目スタート。