表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

6話「護衛開始」

背中に、袋で隠した刀を背負いながらいつもの服装で栄田邸へと向かう。

今日は高級寿司の為…栄田財団の安全の為にも、俺は弟からの依頼で栄田財団一家の護衛を務めることになった。


どうやら零人が言うには、栄田財団には会長しか知らない重要な技術情報があり、それが失われれば今後世界に対する怪物(ゼロレイ)の脅威を防げずに地球が終わるとのことだ。

そもそも、零人は隊員が何人か来ると言っていたがゲートの隊員が数人程度いれば例え相手が機関銃を持っていても、無傷で対処できる。


ただのイタズラに対して命がけで友達を守ろうとするのは良いが、それで自分が捕まったら元も子も無い。まあでも、アイツはそうゆう性格だからこそ周りから好かれるんだろうな。


さて、いろいろ考えてる間にそろそろ目的地に着きそうだな。


「ここのT字路を曲がればって、えー?」


俺はT字路を曲がった瞬間、ガチで別世界にでも行ったのかと錯覚した。

目の前にはレジャー施設並みの広さの庭があり、中央の黒い屋敷はまるで巨大な城の様なサイズだ。


「やっぱり世界のトップは家の規模も段違いだな」

「あの…!すみません!」

「はい?」


そんなことを言ってると不意に後ろから声を掛けられた。

後ろを振り返ると、丸渕のメガネを掛けた真面目そうな男性が立っていた。


「もしかして、あの時助けてくれた方ですか?」

「えっと…」


(なんか見たことある人だな…誰だっけ?)


「数日前にナイフを持った大男に襲われていた者です」


ナイフ、大男…。

あっ、


「あ~雷を操る奴に襲われてた人ですか!」

「はい!そうです!あの時は本当にありがとうございました!」


しばらくその場で話を続けた。

この人は黒木と言い、階級はAクラス。どうやら黒木さんは、自身の父親が会社を経営しているらしく以前栄田会長に仕事で助けられたので、その恩を返すべく自ら栄田会長の護衛を立候補したとのこと。

そしてなぜあの時襲われていたのか理由を聞くと、あの男は黒木さんの後輩のゲート隊員を重傷にして金を巻き上げたらしく、警察に代わって個人で捕まえようと動いていたところ、背後から襲われてあの状況になったという話だ。


「いや~まさか副隊長のご親戚さんに助けられるとは、これも何かの縁ですね!」

「いえ、たまたまですよ」


そんな話を続けていると、西洋風の格子の門から栄田財団の会長夫婦と零人のダチがこちらに向かってきた。


「お久しぶりです黒木さん。そして古賀さん。本日は私の家族やご出席される方の護衛をどうぞよろしくお願い致します」


会長は低く、威厳のある声で挨拶をした後に俺と黒木さんに深々と礼をした。


「いえいえ、私達はそれが仕事ですので。しっかり守り切って見せます!」


黒木さんが元気な声でハキハキと話す。


「頼もしい限りです。では次はパーティー会場で会いましょう」


そう言うと、会長一家は後ろを振り返り屋敷へと向かっていった。


「では、私も持ち場に着くのでこれで」


理事長夫婦に続くよう、黒木さんも屋敷へと向かった。


_________








「ではこれより、栄田財団創立五十周年記念パーティーを始めます!」


司会の男性がマイクを左手に持ちながら会場の参加者にもう片方の手を向けると、拍手が沸き上がった。


凄ぇな、100人ぐらい参加してんのにまだ空間に余裕がある。これなら犯人を見つけやすいな。

会場の右隅に立ちながら俺は会場内をよーく観察する。


二階、参加者、司会、正面扉、犯人がいる、紛れてる可能性があるあらゆる存在に警戒をする。

時間は丁度12時。このまま何事もなく終わって欲しいものだね。


「それでは本日の主役、栄田会長からのご挨拶です!」


ステージ袖から栄田会長が姿を見せる。それと同時に会場からまた拍手が沸き上がる。


「ご来場の皆様、本日は栄田財団創立五十周年記念パーティーに参加してくださり、誠にありがとうございます。ここまで我が財団を拡大、世界進出できたのは私の父、栄田龍太郎のが創立したのもありますが、間違いなく皆様のご活躍や…」


ん?何だこの気配。一般人に流れる氣力(スピリット)にしては強い。

まさか…



居る。さては、手紙を送った犯人か!

どこだ!?参加者?違う、全員氣力(スピリット)が弱い。司会?この人も氣力が弱い。正面扉?いや、気配が無い。


となると…二階か!


咄嗟に会場の二階へと目をやる。


「やっぱり居やがったな畜生!」


そこに居た黒い人影は氣力のナイフを空中に浮かべ、その狙いを会長へと向けていた。

クッソ、間に合うか!?いや、間に合わせる!


「それでは、日頃より働く皆様に感謝を込めて…」


ナイフが飛ぶ。が、間に合ったぜ!


「オラアッ!」


向かってくるナイフに勢いよく刀を振り下ろしてやると、まるで小さい水たまりに出来る薄氷の様に簡単に砕けた。

なんだよ、案外モロいじゃねーか。


「チッ…」


人影が姿を消すと同時に後ろから黒木さんの声が響いた。


「皆さん!ステージ袖に隠れて下さい!」

振り返ると黒木さんや他の隊員が参加者をステージ袖に誘導している。一瞬黒木さんと目が合うと、力強い眼差しで頷いた。俺も返答するように頷く。

さあ待ってろ犯人、お前を捕まえて一貫1万の寿司を食うんだ。覚悟しろよ。


__現在の時間 12時6分


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ