2話「討伐屋の仕事」
今回も色々書き直してます。
時間は午前4時50分、ガライは愛刀である「炎来」を腰に下げ、住民の避難が完了した練馬区の路地を歩く。
【数時間前…】
「ゲートには、このことを依頼しましたか?」
「しました。それでSクラスの隊員を1人、Aクラスの隊員を5人、Bクラスの隊員を4人送ってもらいましたが…」
ちなみに玲奈の言う、「Sクラス、Aクラス、Bクラス」はハイパーバスターズの隊員と怪物の強さを表したものである。
ZZZ.スリーゼット←銀河団破壊レベル
ZZ.ダブルゼット←銀河系破壊レベル
Z.ゼット←惑星破壊~太陽系破壊レベル
SSS.スリーエス←大陸破壊レベル
SS.ダブルエス←都市破壊レベル
S.エス←ビル破壊レベル
A.エー←軍人レベル
B.ビー←ボクサーレベル
C.シー←一般人レベル
D.ディー←昆虫や小動物レベル
となっている。
更にSクラス以上になるには、氣力と呼ばれるエネルギーを操り、何かしらの能力を確定で持っていなければならない。
「それで、どうなりましたか?」
「全員もれなく返り討ちに会い、Sクラスの隊員の方が亡くなりました…その後は」
玲奈は下を向いたかと思うと、涙を流した。
「私が…私が依頼したから、関係ない人が亡くなって…本当に申し訳ないことをしたと思います…今でも、夢に出てくるんです…亡くなった方の死に姿が…」
しばらく俯いていた玲奈が顔を上げる。
「でも貴方なら、必ず怪物を討伐して下さるとお聞きしました!どうか亡くなった隊員の方の分も、討伐を…お願いします…」
ガライは玲奈の想いを強く受け止め、頷いて立ち上がった。
「分かりました、必ず討伐して見せます。玲奈さん、ついて来てください。」
「はい…でも、どこへ?」
ガライは廊下に出て、そのまま突き当りまで進むと右側の赤い扉の部屋に入った。
玲奈もついていくと、その先は階段になっていた。
階段を下りると金属製の厳重な扉があり、それを見ているとガライがどこからともなく透明な鍵を取り出して錠前を開錠する。
「玲奈さん、俺は依頼を頼んで下さった方々を信頼してこの部屋を見せます。なので絶対、私の存在を公に言わないで下さい。約束です」
そう言いながら扉を開けると目の前には、日本刀、ナイフ、斧、更にはハルバードなどの多種多様な武器が数多に存在する異様な空間が広がった。
すると、ガライが部屋の奥に掛けてあった赤い鞘の日本刀を手に取り、刀身を確認した後、玲奈に話した。
「今回の怪物は、Sクラスが返り討ちに合う強さを持っている奴なのでSS以上と推測します。ですから俺も本気を出すかもしれないので周辺に住む方々に避難を呼びかけてください。お願いします」
【現在午前5時、天玲神社前。】
「おはようございます玲奈さん。」
「おはようございます、今日はよろしくお願いします…」
「そんな暗くならないでください、必ず討伐してみせます!」
そう言い、ガライは玲奈と共に神社の階段を登る。
階段を登りきると、眼前には林に囲まれた立派な神社が映る。
「ここですね」
「はい。気を付けてください、多分、もういます…」
「はい、玲奈さん、下がってください」
そう言うと、ガライは刀身が赤く輝く自分の愛刀、「炎来」を鞘から取り出した。
その時、暗い林の中から高速でガライ目掛けて突撃する黒い影が現れた。それを見たガライは一瞬で刀を構え、その向かってくる影以上の速度で赤い刀を横に振った。
捉えた
そう思った瞬間、周囲に大きな金属音が鳴り響いた。黒い影がガライから離れ、その姿を露わにする。
その影の正体は全身を黒い装甲で覆い、その装甲の重さを感じさせない程素早く動き、大きく黒い3本爪を両手に備える豹型の怪物だった。
すると、ガライは刀を構えながら真顔で豹型の怪物に対し質問をした。
「言葉が通じるか分からないが質問する。お前は地球の生命ではないが同じ生き物を殺して罪悪感、後悔を感じなかったのか?」
すると、豹型の怪物はケタケタと笑いながら答えた。
「何デ?弱イ生キ物ハ強イ生キ物二ヨリ殺サレル。ソレハオ前等デモ当タリ前ノコトダロ。」
まるでガライを挑発するかのような回答だった。玲奈もその返答に怒りを覚え、言い返そうとした。
しかし、玲奈はガライから出る赤いオーラを見て喉元まで出かかっていた怒りの言葉を抑え、息を呑んだ。
「分かった。お前は何が何でも今、此処で殺す…!」
ガライは静かにそう言ったが、その言葉には強い怒りが籠っていた。
直後、ガライが怪物に向かい高速で突っ込んだ。それを見て階段の影に隠れた玲奈だが、目の前の光景に目を見張った。
なんとガライの刀からは紅蓮に燃え上がる炎が出ていたのだ。その光景に驚いている玲奈をよそにガライはそのまま豹型の怪物ゼロレイと超高速の接近戦をする。
「クッ…何ナンダ、コノ人間ハッ…!」
周囲に轟音が響く中、ガライの剣速は豹型の怪物の速度を完全に上回っていた。それだけでなく剣術、剣圧、剣速全てがこの怪物を圧倒していた。
豹型の怪物は氣力でつくった無数の槍をガライに向けて一斉に放つが、ガライは捌きながらも全ての槍を躱した。
死。豹型の怪物は初めて自分が狩られる側になったことに死の恐怖を感じ、一気に距離を取ったが、それを見たガライが刀をゆっくりと鞘に納めた瞬間、ガライの姿が消えた。
「何ッ…一体ドコニ…」
次の瞬間、目を赤く光らせたガライが怪物の眼前に現れた。
「この一撃で、決める…」
そう言いながら、ガライは鞘に納めた刀を一気に抜刀する。
「炎紅の一閃!」
炎を纏ったガライの刀は、高速の抜刀により怪物の体を一刀両断した。
「馬鹿…ナ…」
豹型の怪物はそう言い残し、肉体が黒い粒子となって空に吸い込まれるようにして消えていった。
「これにて無事、依頼完了」
太陽が昇り、林の木々から差す朝日がガライを照らしていた。




