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3章5話 教育の重要性を改めて学びました

なんだかんだ今週も毎日投稿出来そうですね。

最近思ったのは大まかな構想と雑な設定だけで話を進めると苦労するんだなと。次回作はこうはならないようにしなきゃ…

 ガサゴソ、ガサゴソ…ガサゴソ…フニ…ムニュ……


「こんなところでしょう。眠っているうちに移動してあげた方がリン様も助かるはずです。」


「ほんとにいいのでしょうか…勝手に…」


 あったかい…柔らかい…………ん?なんか、急に揺れて…


「私が全身全霊を持ってお守りします。リン様。」


「……え?」


 急に揺れが無くなり……意識が、クリアになっていく。重い瞼を開くとそこには…


「っとぉ…どういう状況ですか?」


「お、おはようございます…リン様。」


 青ざめた顔色をしたナ―シャががっちりと私を固定していた。これはなんだというのだ。というかガルディス様は?私確か…


「魔物の異常発生地に向かう馬車です。リン様は随分とお疲れの様子だったので勝手ながら準備を済ませ今に至ります。」


「そ、そういうことです…う…先輩、後どれぐらいで着きますか…」


「まだ出立して一時間も経っていませんよ。」


 溜息を付きながら必死の形相で私を固定するナ―シャに告げる。その言葉を聞いたナ―シャの顔ときたら…今にも吐きそうな感じがする。今はやめて、お願いだから。


「無茶はおやめなさい。貴方も馬車は苦手でしょう。」


「それでも…私は…」


 どうしてそこまで必死なのかは分からないがもう起きたのだからそろそろ離してくれないかな…ちょっと暑苦しい…


「私はリン様の従者になると決めたのです…!」


「……?」


 私が首を傾げると気分の悪そうな顔が少し嬉しそうな、明るい表情を浮かべた。


「リン様の元に着いていくと色んな場所を巡れるのでしょう?私、色んな場所の色んなグルメを堪能する旅に出るのが夢だったので…」


「…そうそうこんな短いスパンで異動は無いと思いますよ…」


 あまりにも私欲しかない要求で私でさえも呆れそうになった。ただ、こういった私欲を叶えるために頑張れるのは良いこと…だろうし責めるつもりはないが真実は言っておくべきだろう。

 今は偶々、多分ヴィンセントに目を付けられているからこうなっているがもう数年も経ってヴィンセントに勝った暁にはきっともうここまで激しいスパンで異動が続くことは無いだろう。


「そ、それでも……えっと…えっと…」


「ナ―シャ、別に貴方はお嬢様に従いはしつつも敬愛しているわけでは無いのでしょう?素直に転職先探していますと言えばいいじゃないですか。」


「うぅ…」


 こうして見るとナ―シャがとても後輩らしく見える。…というか従者皆がフィオナみたいな感じじゃないんだ。


「事が片付いて……私が治癒院を経営するようになった際にはお願いしますね…一度旅を共にした仲ですし、私もナ―シャさんが着いてきてくれるのであれば嬉しいです。」


 …本音半分、半分はもうこの会話を続ける気力が無かったためナ―シャをおだてておいた。ナ―シャの表情がいよいよおかしなことになってきたが…今はもう無視しておこう。

 それよりも気になることがある。


「えっと…アラキナは居ますか?」


「はい。なんなら今馬車を走らせているのは彼女です。」


 よかった。どうやらちゃんと私の話を聞いてくれていたみたいだ。彼女にはこれからとんでもなく働いてもらうことになるからね。


「少し話したいことがあるのでちょっと出ますね。…あの、ナ―シャさん離してくださいというかさっきから吐きそうですけど大丈夫ですか?」


「昨日の夜ごはんが…少し…」


「………失礼しますね。」


 スルリと、ナ―シャが抱き着いていたところから抜け出す。こういうことが出来るのは今の小さい身体の唯一の利点な気はする。

 いつの間に私はナ―シャにあそこまで懐かれたのだろうか…


 -----------------


「…うわ……」


 荷台の外に出て、御者台に乗り移る。

 遠目からでも分かった。禍々しい色の瘴気を放つ何かが見えた。


「お昼寝は終わり?」


「…お昼寝というには長すぎますが、まあ、はい。」


 私は夕暮れから今の今までずっと眠っていたようだ。お陰様で身体はとても軽いが…若干罪悪感もある。


「そう…後1時間もすれば着くと思うけど?何か用?」


「えっと、一応確認。練習…というか、出来るようになったん…だよね?」


 頼んだ私が心配するのもどうかと思うが私の専門外であるため心配なのだ。


「あぁー……あれね。意外とすぐ習得出来たけど?」


「え…?ほんとに?」


「うん…『ミル・ヒーリング』」


 詠唱と共に、アラキナの人差し指の先が緑色の光に包まれる。

 これは…『治癒魔法』の光である。


「一応上級までは習得しといたよ。僕、ヴィンセントに適応属性を奪われたけどその分全部の属性を扱うのに支障が無いから…」


 …驚くような情報ばっかりなんだけど?才能があるような素振りはあったから頼んだけど…経ったの数週間でそこまでやれると思っていなかった。

 魔法使いにとっての属性というのは得意不得意であり大抵人1人それぞれひとつずつあるらしい。ただアラキナは得意が無い代わりに不得意も無い、みたいな感じらしい。


「何から何まで…ありがとね。アラキナ。」


「…寧ろ私こそ…僕の力を人助けに使えるなら、嬉しいから。ちゃんと僕を使ってね、リン。」


 ……なんかお礼言ったら凄いこと言われたんだけど!言い方気をつけて欲しいなぁ!アラキナ、自覚してるのか分からないけど顔が良いから…あんまり、そういうこと安易に言わないようにして欲しい。ヴィンセントそこ教育しとけよ全く…


「お、おうふ…」


「?」


 内心でマシンガントークを繰り広げていたせいで変な返事しか出来なかった。

 ああもう……調子狂う……なんでこんな考えに…?少し疲れてるのかな…


「えぇと……着いたあとの予定、詰めたいのでちょっと戻りますね!」


 私はいそいそと荷台の方へと戻る。これは逃げじゃない。戦略的撤退である。

 主に…私の心を労った結果の。


 -----------------


 それから1時間後、問題もなく私達は魔物との戦線の拠点まで辿り着いた。

 拠点には大量の人が留まっており…皆、どこか暗い顔をしている。


「初めまして。2等治癒士のリンです。こちら…推薦状になります。」


 この場における推薦状、それがどれほどの意味を為すのか、私はあまり理解していなかった。


「うおおおお!!!」


「これで状況が一転する!!!」


「リン様!!!」


 …物凄く、士気が上がったのだ。それはもう言葉で表すには難しいほどに。

 たかが1治癒士ならこうまではならない。しかし、国王とシルヴァーナ伯爵の推薦状を持っている治癒士、となれば話は違う…らしい。


「…えー…こほん。えっと、私は、ですね…えぇと、実地調査に参りまして……その、治癒士としての仕事がメインで来た訳でなくて…」


 申し訳ない、だが言わずに信頼を得るのも難しいため私の目的を話す。


「……私に、今の状況を打開する策があります。しかし…危険が伴うものなので魔物の発生源まで着いてきて下さる方を募集します。」


 これは嘘では無い。私の予想が当たっていようがいまいが…用意はある。

 その上でちょっと調べたいことも調べられればいいかと考えている。

 最優先は魔物の発生を止めることだ。


「……はぁ?」


「無理だろ。」


「ふざけてんのか?そんなことが出来るならとっくに…」


 …急激に士気が下がっていく。まぁ、想定内かな。最悪…私が満足に動けるのなら、問題は無い。


「立候補、いいかい?」


 …どこかで聞き覚えのある、若い青年の声が響いた。


「貴方は…」


「やぁ、リン。久しぶりだね。まさか治癒士になっているとは…いや、これも必然なのかな?」


 私を知る口ぶり、少し血で薄汚れているが彼は…かつてルミエール村で出会った冒険者、リュイである。


「リン、知り合い?」


 アラキナが問う。他のふたりはシルヴァーナで顔見知りだろうがアラキナは初対面か。


「えっと、私がお世話になっていた村で魔物が現れた時に退治してくださった、冒険者のリュイさん…です。」


 ニコニコと、微笑みながらアラキナに「よろしく」と告げているリュイ。その目には…まだ、何か言いたげである。


「お久しぶりですね。リュイ殿。」


「おぉ、いつもと服装が違ったから気付かなかったよ、フィオナ。それにナーシャさんも。」


「…先輩、誰でしたっけ?この人。」


 フィオナが挨拶すると嬉しそうに近寄っていく。しかしナーシャの言葉で一瞬空気が凍った。


「え、えっと、ともかく…リュイさんは、いいんですか?私達に着いてきてくれて…」


 気まずかったため顔合わせは程々に、私は次の話に進める。


「あぁ。そうだよ…これも、恩返しさ。ぜひとも僕と…僕の仲間を頼ってくれ。中々に頼りになる奴らだ。」


 恩返しと言った時、何故か私に目を向けられたが…気にしないでおこう。うん。別に隠したい訳じゃないけどこの人には知らせない方がいいと私の直感が告げているのだ。


「あ、ありがとうございます…リュイさん。えと、出立は明日にしようと思うので今日は体を休めておいてくださいね。」


 …うーん…多分、善意だけじゃない気がするんだよね…なんか前々から…私を見る時の視線が少しおかしい気がするし…


「リン…気を付けた方がいいかも。」


 アラキナが耳に口を寄せて囁いてくる。そして、その衝撃の一言を口にした。


「あの男から少し、ヴィンセントの魔力を感じる。」


「……え?」


 驚愕しながらも私は1度、その場を後にした。何を話したかはそれ以降あまり覚えていない。多分明日どうしようか、とかそんな感じのことを話したと思う。

 でも…アラキナの言葉が嘘じゃないなら…

 リュイはヴィンセントから何らかの干渉受けているということ?

 あいつ…また…?というか……ヴィンセントもここらに居るはずなんじゃ…?


 数々の疑問を残したまま私は翌日を迎える。



リンちゃんがハーレム築き上げてきてる…

ナーシャがリンの元で働きたいと思ったのはリンに言ったことが半分、もう半分は単純にシルヴァーナで働くよりも楽そうだから、です。真面目な顔と雰囲気しといて一番私欲で動いてるんですよね。

アラキナはそういった情操教育の類を受けていないのでそこに繋がりを見いだせていないままリンに例の発言をしました。主にビルグレイとヴィンセントが悪い。

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