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3章4話 挑発交渉

いつの間にか書き上げていたので上げます…休む休む詐欺?

二日連続ランキング入りです…!感無量…

 案内されたのは想像していたものとは違い、こじんまりとした、最低限の機能だけを果たしているような部屋だ。そして、その部屋のソファに…妙な圧を放つ藍色の混じった黒髪の一人の男がいる。彼が…


「本日は、対談の場を設けていただき…誠に、ありがとうございます。レオンフリート陛下。」


「あぁ、其方とは一度話してみたかったのだ。構わない。シルヴァーナ伯。」


 レオンフリート・ヴェルディア。この国の頂点、国王陛下である。

 あ…目があった…挨拶しないと――――


「…リン?」


「へ…?」


 なんで、私の名前を?まだ、名乗っていないし…ガルディス様が言っていたのだろうか。あれでも…ガルディス様も、驚いてる?何にせよ挨拶しないと…


「お初にお目に掛かります。レオンフリート陛下。私、シルヴァーナ伯爵お付きの治癒士、リンと申します。」


「あ、あぁ。済まない。楽にしていてくれ。今日は…そう、茶会だとでも思ってくれていい。そのためにこの部屋を取ったのだ。」


「お気遣い感謝します。」


 礼を言い、向かいのソファに座る。少し引っかかることもあったが、今はそれどころでは無いだろう。

 まずは…ビビらずに、思っていることを伝えなければ。


「さて…シルヴァーナから話があると聞いたが?」


「はい。話、というのが魔物の異常発生における対応について…なのですが、こちらの、私付きの治癒士、リンが考えがあるようで…リン。」


「はい!」


 っぶな…いまちょっと噛みそうだったよ…


「今起きている魔物の異常発生…そして、その被害状況…それらは、過去類を見ないものになっています。そうですね?」


「…へぇ」


 異常発生自体は過去何度も起きている。だが冒険者や王国騎兵で毎回沈められていたものだ。

 ただ今は…違う。過去のものよりも長く、酷い惨状になりつつある。


「最年少にして治癒士になった少女と聞いたが…さて、そこまで知っていたのか。それで…?」


「はい…是非とも…この、魔物の異常発生というものの対処を私に任せていただきたいのです。」


「………この国トップの治癒士や冒険者が集って解決出来ていない問題と分かって言っているのか?」


 瞬間、男の圧が強まったような気がする。…それでも、私は気を強く持ち、口を開く。


「こちら、私の調べた魔物の異常発生についての資料です。一度目を通していただきたく。」


「ふむ…」


 言葉で出来るというよりも…過去の事例、そこからの推測で証明しようじゃないか。


「魔物の異常発生は約2年周期、18年程前から定期的に起こっています。そして…10年前から魔物が強力になった、と…」


「そうであるな。だがそれが…」


「魔法の研究には膨大な金と魔力が必要になる。新鮮な死体には…魔力が溜まる。」


「!」


 ようやく…その表情が驚きに変わった。これは、あくまで仮説であるのだが…この件おそらくは


「さもや、国の混乱に乗じて私欲の為に動くものがいるとでも?」


「えぇ…その通りであります。」


「…」


 髭を撫で、私の目をジィっと、見つめてくる。私の考えは告げた。後は、この人の判断を聞くのみだ。

 魔物の異常発生に対応するのは貴族達であり…これは貴族の中に悪事を働くものがいるという考えだ。それは証明できないのであれば、私は貴族に疑いをかけたとして最悪罪に問われるかもしれない。

 それでも…


「さて、もう一度伺いましょう。この件…私に任しては頂けないでしょうか?」


「…………シルヴァーナ、構わないのだな?」


「はい。リンは信用足る人物です。いずれは…賢人に。」


 シルヴァーナの言葉に、陛下は目を見張る。

 シルヴァーナというのはこの国の貴族における四大領地とされるほどに大きい存在である。そんな領地の長が信じるに足るというのは…それほどに、大きい意味を持つ。


「っ…そうか。分かった。では…」


 シルヴァーナの言葉が決定打になったようで、国王陛下は口角を上げ…その決断を告げる。


「治癒士リン。其方に魔物の異常発生の原因を探ってもらいたい。その責は私と、シルヴァーナが背負おう。」


 まさか、大きい後ろ盾が増えた。思わぬ結論だが…これは益々、失敗出来ないことになってきた。


「…っ…!…ありがとう、ございます!」


 私の礼で、話合いは終わった。


 -----------------


「…はぁっ〜…き、緊張したぁ…」


 帰りの馬車に乗り…ようやく、まともに呼吸することが出来た。


「はは、よく頑張ったね。」


 どうやら控え室での発言は嘘では無かったようでガルディスの額にも少し汗が滲んでいる。


「…これで、私も動くことができます。」


 国王の命令によりルナリス治癒院には代わりの治癒士が派遣されることだろう。

 私はひとつの事に専念すればいい。


「そうだね。…僕達にも協力出来ることはあるかい?」


「幾らでもありますよ。…私一人では到底無理な事ばかりですので。今後も、頼らせてもらいます。」


「…そうかい。まずは、どうするんだ?」


「…準備をした後、まずは魔物の異常発生地に向かいます。直接確認すべきなのと…足りない人手を補いたいので。」


「じゃあ、フィオナとナーシャを貸そう。シルヴァーナのことは我々に任せてくれ。」


 正直誰かしらには着いてきて欲しかったのでとても助かる。


「長い旅路だ。今のうちに休むといい。」


「はい…何から何まで…ありがとう、ございます…」


 確かに…少し、眠くなってきた。緊張が解けたのもあるのだろう。ここはお言葉に甘えて眠ろうじゃないか。


「お休みなさい…ガルディス様…」


 瞼を閉じ…私の意識は闇へ落ちていく。


 -----------------


「……確証は無かったが、やはりか…」


 僕は目の前で眠る少女を見て呟く。少女は黒に藍色の混じった珍しい髪色をしており、今は治癒士らしい白と金の制服を着ている。


「第1王子の御子様が数ヶ月前行方知れずとなった。しかしその子は従者との子、つまりは愛人の子だったため秘密裏に事は無かったことにされた…」


 ミレーヌから話を聞いた時、ピンと来たのだ。

 この情報自体国の上層部でさえ知ってるものは片手で数える程だろう。

 だから半信半疑の気持ちで彼女を受け入れ…保護のような形を取った。無論エレナの語ったことに納得したという理由もあるが。

 そして今日。国王の反応を見て確信した。この少女は間違いなく…


「…っと、やっぱり、安全に帰らせては貰えないんだね。少し止まってくれないかい?」


 行きもそうだったが…今、王都付近の魔物の発生源からは凄まじいほどの魔物が生まれ続けている。そして、戦線にて処理しきれない魔物が度々…王都やその近郊にて現れる。

 馬丁に一度止めるように告げた後…魔力感知により魔物の位置を把握する。


「上空600m先ってところだろうか…『オール・リバインド』」


 魔物に向けて魔法が放たれる。その魔法は単純ではない、固有の拘束魔法。虹色の光の粒子が形を持ち敵を拘束するもの。命中精度こそ扱う者に依存するがその効果は絶対であり、一度でも拘束されれば解かれることはなく魔力も、筋力も…あまつさえは思考する能力さえも封じる。


「キィィィィ!!??」


 浮力を失い落下する魔物の悲鳴が聞こえるが…静かにして欲しいな。今、リンが寝ているだろう?


「『オール・マグナス・サイレント』」


 無数の多彩の魔弾。それらは遥上空に展開され…誰も気付かない。静かな魔弾が暴力的に、魔物を貫く。

 今新しく組み合わせてみたが…これは中々に魔力の消費が激しいな…消音魔法は攻撃魔法と合わせて使うにはもう少し改良が必要か。


「…うむ。しばらくは襲ってくることもないだろう。進んでくれ。」


 馬車が動き出す。全く、空気を読んで欲しいものだ…何故、勝てないと分かっている相手に襲いかかろうとする?


「あぁ…そうか。魔力を抑えていたからか。」


 少し、栓を開く。瞬間に鳥やら、周囲の生命体が逃げ出していく。…少し出し過ぎだな。もう少し抑えよう。


「これぐらいかな。魔物になら…分かるだろう?」


 威圧感を放った目で、空を見上げる。姿は見えないが、その垂れ流しの魔力が物語っている。1匹で終わるわけが無いのだ。何匹も、何十匹もここいらには魔物がいる。


「僕と僕の身内に手を出すなら覚悟するといい。お前達も…ヴィンセントも、だ。」


 その精密に放たれた魔力の威圧によって魔物達は散り散りになって逃げていくのだった。


 -----------------


「この子はうちで引き取るよ。」


 ふわふわ、ふわふわ…意識が、混濁している。

 今の私…よりも、視線が低く、その声の主を見るには首を傾ける必要があった。中々に…久しい感覚。

 これは…夢?


「お前らはただこの子の知恵を借りたいだけだろう?ふざけるのも大概にしろ!この子は道具じゃない!ちゃんと…心がある、生きている…なのにどうしてそんな酷いことが考えられる?」


 急に何を言い出す?お前だって散々…

 周りがざわざわと、何かを言っている。私の耳には何も入ってこない。ただひたすらに…悲しみが胸を満たしている。喪失感が、とてつもない。


「黙れ!……お前らは二度とこの子に近づくな。この子は…私が育てる。」


 強い意志を込めて、その場にいる人たちにその人は宣言した。

 そして…私と目線が合うようにしゃがみこんだ後、私に向けて口を開く。


「凛…お前は今日からうちの子だ。」


「おじ…さん?」


「あぁ、それでいい。いつの日か…お父さんと呼ばれるよう、努力しよう。」


 あぁそうだ。この人が叔父で…とても、優しくて…とても、愛情深くて…大好きだった…

 最低な方法で私を裏切って殺した、私の最愛で最も憎い人。



ガルディスは天才です。魔力感知という一点のみなら国一のものを持っています。更には適応属性は水ですが全属性使えます。更にさらに、魔法を作るという点においても天才的であり、領主になる以前は魔物との闘いで猛威を振るっていました。ですが持病の悪化により戦線から退き、今に至ります。

ちなみにエレナは魔力量が半端じゃありません。ガルディスもガルディスの妻も魔法の才があったためそれがそのまま、どころかそれ以上に受け継がれています。今はまだ発展途上というわけですね。


タイトルですがいいのが決まらなかったので少し意味わからないかもです…リンちゃん的には挑発まではいかずとも怠慢を指摘する意図はありました。

度々入れるリンちゃんの過去、自分的にもこれは意味があるんだろうかと少し不安になってきてます…ちゃんと回収出来るだろうか…

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