3章3話 心の準備ぃ…
先日初めて100pv越えました!後、ランキング入りもしたみたいです!本当にありがとうございます!
ヴィンセントという人物の実態は…あまりにも、最低で最悪なものだった。
「………でも、ある種…分かりやすい、ということでもありますね。」
…使えるものは何でも使い、狡猾な手口でさえ厭わない…それは…
「私も…同じようなものですから。」
目的は違えど私は生きるためであれば人の命を奪うことさえも躊躇わない。
ヴィンセントも目的のためにただひたすら、動いている…だけだ。
しかし、私の言葉にアラキナが首を振った。
「あの人はただひたすらに合理的な結果を求める…でも、貴方は違うじゃない。リン。それは、今私がここにいることが一番の証明になると思うけど?」
「…そう、ですかね?」
人から見た評価と自己評価は違うだろうが…私には、とてもそうは思えない。でも…あの時、確実に口を封じた方がいいのにアラキナを生かそうと考えたのも事実で…
「よく、分からなくなってきました……」
ドサリ、と寝台に寝転ぶ。頭が痛い。少し考えすぎたし…目も疲れてきた。今日は、というか…一応日が過ぎてるから昨日は帰ってすぐ夕食も食べずに書類とにらめっこしていたのだ。
「寝ます…」
まともに着替える気力も無かったため私はそのまま瞼を閉じる。
アラキナが何か言いたげだったが…また明日聞けばいいだろう。
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「書類、ありがとございました…」
若干眠気の残った顔のまま、私は私の部屋に入ってきたエレナへお礼を言う。…なんで朝から…?
疑問も口にでないまま眠い目を擦り、立ち上がる。
「いえ…それよりも……ヴィンセントのことは、分かりましたか?」
「えっと…はい…」
質問の意図があまり上手く分からなかったが人となりはなんとなく理解した。これ以上にない、良い情報だと思う。
「では、これからリン様はどう動けばいいか…お分かりですか?」
「…?」
首を傾げるとやはり…と呟き、廊下で待機していたフィオナを呼んだ。フィオナは何やら本を何冊か持ち運んでいる。これから一体何が始まると言うのだ。
「朝早く来るべきか迷ったのですが…こういうのは早い方がいいと聞いたので、ご説明します。」
「はぁ…?」
「……賢人とは!」
とても大きい声と共に一冊の本のページが開かれる。そこには……確か、歴史の勉強の時に見た…えっと、セレンディス・エーテリア…?だっけ。の顔が書かれてあった。
「この国における偉業を果たした者達の総称のことであります!」
「…えっと、その、賢人というのが…?」
「ヴィンセント様も、賢人の一人です。」
確かに、確か書類にも書いてあったと思う。
「……仮に、ヴィンセント様の罪が認められる程の証拠を上げたとしても、国の一般国民の言う言葉と、賢人の言う言葉では重みが全く違います。当然のごとくもみ消されることでしょう。」
「え……?」
「はい…なので、リン様にも賢人になってもらうしかないかなと。」
「え?」
あれ?
「賢人の発言は国の指針を決めるものでもあり、賢人というだけで貴族よりも、国王よりも価値があると考えられます。」
「え、あ、はい。」
「なので、リン様は賢人になりヴィンセント様の悪事を世に知らしめついでに魔法至上主義も廃止してしまえばいいのです。」
「………」
なんか…急に話のスケールがでかくなったけど…理には適っている、のだろうか?
「お嬢様、リン様が困惑しております。」
「あら、いけない…少々テンションが上がってしまいましたわ…」
「…あのぅ…話の内容は分かったのですが……どう、賢人になればよいのでしょうか?」
なるしかないのであればなってやろう。ただ、問題はぽっと出の私が一体どのような過程を辿って、どのようにして賢人になればいいのかが分からないということ。
「そう、そのチャンス…と言うには少し不謹慎ですが、間違いなく好機が来ているのです。」
「チャンス?」
「はい。魔物の異常発生が起きていることは聞いていますか?」
「えと、はい。」
確かヴィンセントが私を呼び出した目的自体がそれだった気がする。
「そこでリン様が治癒士として功績を上げれば私達シルヴァーナが賢人に推薦することが可能だと思われます。」
「……なるほど。推薦された後は?」
「国の審議にて議決され、多数決にて決定が為されます。…当然、シルヴァーナが根回しさせていただきますので、リン様は功績を納めれば賢人になれるということです。」
…シルヴァーナ、すごい…でもそれ…
「あの、ですね…とっても、とってもありがたい知らせであるんですけど…」
私は荷袋の中から一つの令状を取り出し、二人へ見せつける。
「私…ヴィンセント様達が居ない間ルナリスの治癒院に居なきゃいけないんですけど…」
そう…これがヴィンセントの打った一つ目の手、であった。
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~数週間後~
「……多すぎる。」
正直に言おう。無茶である。治癒士一人に任せ他のもの全員を前線に行かせるというのが?
違うそうじゃない…ここに送られるのが…
「普通の治療だったらもう手遅れなのがほとんど…治療を施しても生きられるかどうかは本人次第。」
というわけだ。…まぁ、合理的ではある。治癒魔法によって再起できるのであれば邪魔にもならず、再び戦線に向かうことだろう。しかし重症者は違う。治療に手間がかかりもう一度戦線に復帰できるか分からない。それらは他の治癒院に送ってしまえ、ということだろう。
実に合理的、合理的ではある。…ただ、その量が、おかしい。
「一日で20人以上。酷いときは30人を超える…もちろんここだけの治癒院だけじゃない、らしい。」
グランツェさんに手紙を送ってみて確認したがあちらの大変らしい。どこもかしこも、大変な事態…ということだ。
「いつまで続くのかなぁ…それに、賢人になるためにも動かないとだし…」
どうしよう。宣戦布告したはいいが今のところ何も出来ていない。それどころかこの調子でいくと…私の身が持たないかも…
「少し休憩しよう。リン。」
「あ…アラキナ…」
「お茶を用意したから…どう?今は一応落ち着いてるんでしょ?」
「ありがとう…」
アラキナも下手に動けばヴィンセントの手先に狙われる可能性があるため私の手伝いをすることしか出来ていない。…それ自体はとっても助かっているのだが…
「あの、ガルディス様から連絡ありましたか?」
「あ、あれね。一応今朝フィオナが渡しに来たよ…ちょっと待ってて。」
慌ただしく部屋を出ていく。多分、手紙の類を取りに行ってくれたのだろう。
…何にせよ。ようやく何か動けそうだ。
「はい、これ…で合ってる?」
「えっと………うん。うん、ありがとう。」
手渡された手紙の内容を確認し…私は口角を上げた。やっと、やっとである。ガルディス様にはここまで忙しくなる前には頼んでいたがそこから数週間でようやく…
「これで、国王様に直談判できる。」
私は、反撃に出られるのである。
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国王、その名もレオンフリート・ヴェルディア。齢48歳、第18代目の国王らしい。
私は私自身が直接動くべく…ヴィンセントの干渉が効きにくいところから攻める必要があると考えた。
それが…国王。賢人の意見は確かに時に国王の意見すら真っ向から反対することも出来るが、基本的には国王の意見こそが絶対であり確実なものとなる。だからこそ…国王を説得し私が動けるようにしたかった。
「…緊張、するぅ」
「僕もだよ…こうしてなんだかんだ面と向かって話す機会はそう無いからね。」
私が控え室で胃を抑えている中、自分もと言っているガルディスはどこか余裕がありそうである。
「…その割には…なんか、笑顔じゃないですか?」
「これは貴族として、だよ。今から僕は嘆願するんじゃなくて交渉しに行くんだ。だから笑顔は崩しちゃいけない。決してね。」
「交渉…」
そうだ。何のために私はここまで来た。
…馬車を何回も乗り継いで、正直帰りたくもなったけど…ここまで、王都まで来たのだ。だったら、この一回ぐらいは…
「私も……どう、ですか?」
自分なりに、笑顔を向けてみる。…あれ?なんか…ガルディス様、肩が震えて…
「ふっ…緊張が解けるからやめてほしいね…ふふっ…」
「そ、そんなにおかしかったですか!?」
普通にショックである。これから先私はどう人と顔を合わせればいいのか分からなくなる。
ただ私の悲鳴に対しガルディスは首を振った。
「いやいや、そんなことは無いさ…ただ、君の笑顔がどうにも…可愛らしくてね、少しエレナの小さいころを思い出してしまったよ。」
「………えっと、変、じゃないんですね?」
「あぁ。国王は子供好きと聞く。それで行けばきっと…聞いてくれるよ。」
「そう、ですか…」
お世辞だろうが…もう、なんでもいいか。この際。私もどこか緊張は薄れた気がするし…
まさかそれを見越して?いや…無いか。
「シルヴァーナ伯爵、お時間です。」
「あぁ。承知した。では…リン殿。参ろうか。」
ガルディスと会話をしていると時間が来たようで王宮務めの侍女が私達を呼びに来た。
とうとう…この国の頂点、国王との対面である。
なんとか書ききった…
多分今週中どっかで休むと思います…
追記:なんか急にpv数増えてですね、あの…ランキング入りって凄いんですね、、、
これじゃあ下手な内容あげられないじゃん…がんばります




