プロローグ
新しいやつ!!!!!
「にゃ〜」
と鳴きながら、黒猫が窓からスルッと、部屋に入ってくる。
「ん〜?」
と、鳴き声に反応こそするものの、ベッドに寝転んだまま、視線を一切向けずに、本を凝視しながら反応する少女。
「にゃーにゃ!」
と鳴くと、少女は、少しを間をおき、めんどくさそうな視線を黒猫に向ける。
「なあに?緊急じゃないなら後にして」
聞く気のなさそうな、気だるそうな表情のまま、黒猫に問いかける少女。
「にゃーにゃーにゃ!」
「どこでぇ?」
と、めんどくさそうに反応する少女。
「にゃーにゃ!」
「えぇぇぇ〜、遠いぃ〜、うちが行かなきゃいかんの?」
と、嫌そうな顔で反応する少女。
「ミャー!」
と、黒猫は急かすように鳴く。
「おとーさまに言っておけばいいよね」
と、言いながら、少女がベッドの脇にある呼び鈴を鳴らそうとすると
「フシャー!」
と、思いっきり少女に威嚇をする黒猫。
「わっ、びっくりした〜、なにさぁ〜」
「ミャーミャ!」
「あっ!考えてなかった」
「にゃー」
と、呆れるように鳴く。
「はぁ〜、わかったよぉ、うちが行けばいいんでしょ?」
と、少女はとっっっっても嫌そうな顔で言う。
「にゃー」
と、勝ち誇ったような、胸を張っているように見える黒猫。
そして、少女は、いつも通り、ローブを被る。
すると、さっきまでの姿と違い、可愛らしい少女ではなく、綺麗な、黙っていれば冷たい印象の美女に早変わりする。
黒猫の入ってきた窓を全開にし、窓枠に足をかける美女、折角バルコニーがあるのに。
「にゃー」
と、黒猫が鳴くと、美女は後ろを振り返り、
「あっ、そうだった、忘れてた」
と、言う、するとさっきまで寝転んでいた位置に、少女の姿をそのまま写したような人形のようなものを現れる。
「じゃっ!行こっか!」
と、美女が言うと、黒猫が美女の肩に乗る。
そして、部屋の方を見ながら窓枠に立ち、背中から、両手を広げながら、窓から落ちる。
「やるかぁ〜」「にゃぁ」
とても気が抜けるセリフを、言いながら。




