ミクロの悪夢? 恐怖の細菌…その名は駄洒落菌!
で。
女体化作戦の際に使われているブツ、実は聖母教会の洗礼用聖水に投入する錠剤や、はたまた茸島のファインテックという怪しげかつ広大な工房の中で産み出された品種改良作物の数々にも使用されておるのです。
その名は…駄洒落菌。
これ、聖院第二公用語を理解していないと何のことか分からないと申す者が我がイスパニアはもちろん、フランスにも結構多いのですが、この目に見えぬ微小な生き物が人に取り憑いた際の症状を聞けば恐怖しか感じないでしょう。
(ええとな、フラメンシアちゃん…その説明はうちがやったるわ。これ、日本人か同等の日本語能力がないと話すんのん、厳しい思うからな)
ええと、マリアリーゼ陛下とベラ子陛下のお母上にして東方聖母教会の崇拝対象である初代聖母様のお言葉です。
(というわけでくたばるどころか、再生されるわ機械の体に押し込まれてネジとは違う意味で突っ込まれたり突っ込んだりの連邦宙兵隊終身中将にしてNB下院議員を辞職させてくれへんかと悩む毎日の高木ジーナでございま…痛いやんけ!何さらすんじゃマリ公!)
(ジーナさん…それ、私がマリアちゃんに頼みました…私の首相任期中は絶対に辞職しませんからマクラーレンF1くださいっていう請願書兼誓約書、ここにありますからね…)
(で、一見の方に説明しておくと、今話してるアグネス・ワーズワースおばさまはあたしの父さんの義理の母親で、旧姓アグネス・オコーネルというお方でね…あたしからすると祖父になるヘンリー・ワーズワースの跡をついでNBっていう惑星政府の下院与党である自由労働党の党首、つまり今のNBの首相だ)
Agnes O'Connell Wordsworth. アグネス・ワーズワース Million Suction(Limited Ten million) 百万卒 Slut Visual. 痴女外観 Special Advisor, Ian Lancaster Fleming Memorial Research Institute, New-British. イアン・フレミング記念情報研究センター特命顧問 Purple Rosy knights, Imperial of Temptress. 紫薔薇騎士団 Neo-British, Commonwealth realm. prime minister, Leader of the Liberal Labour Party. 英連邦王国NB首相・自由労働党党首
(で、マリアちゃんのお父さんでジーナさんの旦那様となるクリスくんだけど、そのファインテックグループの経営責任者です。単純に社長と言えない理由は、痴女皇国世界の茸島にあるファインテック支社と研究室の支社長兼室長だからなのよね…)
で、普段は私でも見れないようにされている、聖父様のIFFすてーたすを拝見します。
Chris Wordsworth. クリス・ワーズワース Artificial body(Compliance Slut human) 痴女種相当擬似身体装備者 Male Visual. 男性外観 Principal Investigator. Biochemical Laboratory, Cultural Education Bureau. Imperial of Temptress. 文教局生物化学研究所研究主任 Our Virgin 1st. 聖父
(んでな、駄洒落菌の改良はぶっちゃけ、クリスの仕事やねん…これの品種改良や人体実験の必要があるからこそ、クリスは痴女皇国世界や聖院世界から動かしづらいねん…)
(ええとかーさん、父さんは聖院世界の父さんと痴女皇国世界の父さんが二人いるってことも言っとかないと)
(それ言い出すと話がややこしなる。今はまず、駄洒落菌がなんで発見されたのか、そして駄洒落菌なのになんで人間の性別を変更することに使われてるんかを理解してもらう方がええやろ…)
(あいあい、で、上苦理学園の理事長先生とかお尻店長とか今、どうしてんのよ)
(前に缶詰ちゃん…マルハちゃんのスケアクロウ操縦実習のついでに岩国寄ることあったから顔出したけど、両方ともピンピンしとったぞ)
(その時に上苦理学園のグラウンドにスケアクロウを着陸させたの誰だよ…あたし、あとでゴルディーニさんに怒られたんだよ? あの変態輸送機に機密指定かけたかーさん自らが破ってどうすんのとかさ…)
(ええいやかましい、うちもNBでの登院とかあって早よ済ましたかったんじゃ…あの学校がくっそ山ん中にあるゆうのん、マリ公もよう知っとるやろが…で、プラウファーネさんとか比丘尼国関係者は知ってる思うけどな、駄洒落宗という仏教宗派のマイナーな一派が存在する)
はぁ。
同じ仏教でも、痴女皇国が布教を推進している南洋慈母宗というものが存在しますが、これとは別も別なんだそうですね。
(で、駄洒落宗はお経の代わりに寒い駄洒落を唱えることで衆生を救済しようというのがその教義やねんけど、しょうもない駄洒落を聞かされたもんの身にもなってみいというのが、大方の日本人の反応やと思う。しかも、痴女皇国世界のみならず連邦世界の駄洒落宗でも、駄洒落を聞いた者が発生させる寒い反応が駄洒落寒気団になるほどの実害を生じさせとったんや…)
(嘘のようだけど、これがあたしらの世界の歴史なんですよ…)
(で、迫害された駄洒落宗は本州の西の端…痴女皇国世界や聖院世界の比丘尼国でいうと、年賀武装決起確認挨拶国…つまり本州の西の端に近くて、うちみたいな関西人が広島焼きとか迂闊に言うたが最後「ソースはおたふく顔じゃろ!」とか言われて喧嘩になる県の近くにある元・米軍基地で現在は宙兵空軍隊と日本の航空自衛軍が使ってる基地のわりと近所の山中に逃れて、駄洒落山という修行の場を開いたわけよ)
(これも嘘のような本当の話な)
(んで、ある夏の豪雨の時にこの駄洒落山の山中に作られた中高一貫私立校への取り付け道路が崩落して、生徒さんや職員が雨の中で取り残される事態が発生してな…そんとき、たまたま聖院所属やった時代のテンプレスが航空自衛軍築城基地の沖合で宙兵隊を交えた航空機離着艦訓練に従事してた上に、その格納庫に聖院所属の方のスケアクロウHT013号機も積まれとったと思って下さい)
(痴女皇国かーさん、聖院の方のマリアだけどさ、あの時は本当に大変だったのよ…まぁ、訓練を緊急中止して上苦理学園の上空にスティックス・ドライブかけて転移して学校の人たちを受け入れたけど…)
(そしてうちとベラ子とエマ子が豊予海峡付近におったテンプレスの艦内に転送急行して、スケアクロウ引っ張り出して嘉手納基地に行って救援の工営部隊と機材を積んで岩国に引き返したまではよかったんやけど…)
で、聖母様のお話によれば、その時に街道の復旧作業に従事した工兵の皆様が、一様に寒い駄洒落を言い出す珍妙な現象に見舞われたそうです。
(で、おかしいと思ったんで、当時の嘉手納の基地司令やったゴルディーニ中将に話をして、駄洒落山の救出活動に従事した工営部隊の隊員の血液サンプルを臨時に入手したんや。あと、うちやベラ子、そして聖院のマリアとかテンプレスのクルーも一様に調べることにした…その結果、駄洒落菌の存在が発覚した経緯があってな…)
(あの菌の分析のためにさ、当時の痴女宮本宮の地下深く…それも転送でないと行けないようにされた場所に研究ラボを作ったのよね…痴女皇国の父さん、泣いてたの覚えてるわよ…)
(マリア…あれはほんまに当時、ヤバいもんに思えたんやで…実態報告を受けたうちが泡食って、戦略性危険生物自生地の指定かけたんもしゃあないと思うて…)
では、この駄洒落菌の何が危ないのか。
(人間の脳に血液を送る経路の途中の関門をくぐり抜けられるサイズにまで自分の体を縮小する。そして駄洒落を口走るか「駄洒落を聞いて反応を返す」脳に復元してしまう能力が確認されたんや…駄洒落宗を開いた坊さんの脳と思考に誘導する症状こそが、まさにその駄洒落山の道の復旧工事に従事した宙兵隊員に現れたわけよ…)
(あの時は内々の騒ぎで終わったけど、嘉手納基地と岩国基地全体が防疫対象にされる寸前まで行ったんだよね…)
(クリス・ワーズワースです。で、ジーナさんがなぜ駄洒落菌を危険だと判断したのかというと、その感染能力と症状にあります)
あら。
この心話、当の聖父様ご本人ですね。
で、聖父様のお話を要約すると、人の頭というものは元来ならば有害な何かが血に混ざっても、頭の中の重大なところに行かないようにする仕掛け…先ほど聖母様が申された関所が存在するのだそうです。
しかし、駄洒落菌はそこを通過するために、人が蟻の大きさに変わるほどにその身を縮めて通り抜けるのだそうですよ…。
(で、駄洒落菌いうのは駄洒落宗の信徒や鼻祖…駄洒落宗を始めた坊さんの脳こそが正しい人の姿やといわんばかりに脳の構造を改変しようとする性質があったんよ。ただ、駄洒落菌原種はおおむね72時間以内に死滅する性質があったから、駄洒落宗の人らと常時接触せんと隔離されるか駄洒落山を離れたら正常な状態に戻るねん…)
(あと、駄洒落山の麓の人たちに抗体が出来ていたのも、駄洒落菌の存在が秘匿されていた理由の一つです…そして、ジーナさんのような脳内思考が関西人の場合、駄洒落菌は「何もこいつに感染して駄洒落を言わせずとも良い」という反応を返してそのまま死滅します。つまり、普段から寒いジョークを口走ったり、日本の特定地方の方言が染み付いた脳に対して駄洒落菌原種が感染しない性質が確認されました…これが、関西弁抗体と称する一種の抗生物質の製造に繋がったのです)
え。
では、私とかマルハレータ殿下がカンサイベンを喋るのも…。
(ええとな、もともとマルハちゃんは球根詐欺国の王女様やし商人の素質があったやろ…せやから関西弁抗体の影響が強く出たみたいなんや…)
(かーさま。あたしもいまだにたまに出るんですけど、関西弁)
(ベラ子の話は聞き流すとして、関西出身でも共通語話者の雅美さんやマリアに駄洒落菌の症状が出なかったのもこの辺があるんよ…というのはともかく、マリア…お前が駄洒落菌の使用を決定したんやからな…)
(ふぉっふぉっふぉっ、よーく考えたら、あれほど有益な菌ってないじゃん…あたしらが聖院女官種の時代に接触した人が女官化されないように対策するとかさ、鬼さんたちの鬼細胞に触れて鬼化するのを防ぐのも簡単だし、逆に性別転換や女官化も容易な訳じゃん…女官や偽女種の姿があるべき状況だっていう風に体を作り替える変種を作ることを思いついたあたしと父さんを誉めて欲しいくらいなんだよ?)
(黒マリの話には全面的に賛同しがたいもんがあるのよね…聖院世界でも駄洒落菌の利用自体は開始してるんだけどさ、あれ、本当に使い方を間違えたら断種人工降雨弾頭どころじゃないわよ…)
そうです、あの女体化の雨の源、まさにこの駄洒落菌を鬼や神様の血で更に強化した変種によって為されるそうなのです…。
(あの雨のために使う聖水製剤の中には男の性別のままで懲罰偽女種や奉仕偽女種と同等の身体構造に変えるものもあるんだけどね…)
(ただ、あの聖水ってさ、女官種の治療能力と同じで、人の体を健康な状態に復元するのはいいんだけど…)
(まぁまぁ…これは作戦担当者たる小官の考えなのですが、男も女も若返って青春を謳歌できるのですから、寿命が連邦世界の半分になったとしても喜ぶ者は皆無ではないでしょう…それに、偽女種がまさにそうなのですけどね…女の身体で男以上の反射神経や筋力を得られるのですから、むしろ聖なる雨を浴びて聖母の加護に預かれたと感謝して頂きたいくらいだと思いますよ…)
ふらこ「問題は、若い女ばっかりになった町や村がどうなるか」
てれこ「男がおらんようになるだけでも大騒ぎやで…」
ふらこ「そればかりやあらへんがな…仮にフランスに女体化の雨、降らせた時にあのまま放置しとってみい…よその国から男をもらわんと、子孫が残されへんやないけ…てれこも王家の人間やったら、これがどんだけまずいかわかるやろ…お前のママンと真逆のことをしたら、下手したら王家断絶やぞ…」
てれこ「それを言われたら、あの雨の恐ろしさがわかるのぅ…」
ふらこ(で、実は回避方法があるんですわ…といっても、千人卒以上の完全体痴女種女官でないとあかんのですけどな…)
べらこ(あたしたちなら、今や男の子が作れるのですよ…女性相手でも(にやり))
ふらこ(まぁ結局は痴女皇国に頭、下げる話になるわけで…)
マリア(ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっ)
べらこ(ふほほほほほほほ…)
ふらこ(ふへへへへへへへ…)
てれこ(みんなの笑いが怖いんですけど…)
じょすりん(大丈夫ですプランセス・テレーズ…慣れますよ)
てれこ「なんか慣れとうない話ですな、コマンダン…(汗)」