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ふらこ、泣く

で、わたくしフラメンシアが本来、暴れ回っておる舞台の方の背景でございますが。


まず、痴女皇国世界の地球には、北方帝国(おそろしあ)という国家が存在します。


そして、都々逸国(あれまん)出身の貴族の娘である方が、東方聖母の預言に従って現在の皇帝たるエカテリーナ2世陛下として即位なさっておられます。


Екатерина II Алексеевна(Sophie Auguste Friederike) エカテリーナ2世 Ten Thousand Suction.Ten Thousand Suction.(Limited Ten million) 一万卒(限定千万卒) Red Rosy knights. 赤薔薇騎士団 Глава отделения Северной Империи(Russian Empire Branch head manager) Imperial of Temptress. 北方帝国支部長 император Российской империи. 北方帝国皇帝


そしてこの北方帝国の第一首都であるモスクワから遥かに離れた東の外れにあるウラジオストックという町まで、近年、しべりあ横断鉄道なる鉄の道が開かれております。


この鉄の道が開通してからというもの、従来は動力船でも2週間から1ヶ月は要しておった八百比丘尼国(じゃぽん)から欧州への旅、今やわずか3日4日程度でパリやロンドンの地を踏めるようになっております点、まずはご承知置きくださいませ。


そして…ですね、かつての北方帝国の東方辺境に漂着した、比丘尼国(にほん)の三河監獄国じゃなくて、その…。


鈴鹿工具(すぱななげつけて)投擲指導(しょくにんようせい)(するくに)の白子の出ですね、大黒屋光太夫殿…)


と、比丘尼国から欧州地区、わけても私が管轄するフランス支部との交流交易を図って派遣された公使であるムッシュ・プラウファーネから助け舟を頂きました。


(伊勢白子の船頭であった光太夫とその一行は北方の地に流れ着き、艱難辛苦の旅路を経てエカテリーナ陛下との謁見を果たしました。で、皇帝の男妾となった光太夫だけでなく、生き残ってもすくわに辿り着いた船員の多数は北方の地に住む事を選んだ経緯がございまして…で、比丘尼国としても中原龍皇国との関係が悪化している中で、痴女皇国の支部となった北方帝国の開発に協力するためにも、比丘尼国との国交を親密にする方針を打ち出しておると説明しておきましょうか)


(それで合ってますよ…で、ムッシュ・プラウファーネは比丘尼国大江山朝廷と聖院本宮との要員交換制度で、八百年ほど聖院の技術女官扱いで在籍しておられたので、その流れで痴女皇国女官身分を有しておられます…)


と、皆様にはお教えしておきましょう。


Plaufahne(Ibaraki-Douji) プラウファーネ Million Suction(Limited Ten million)百万卒(限定一千万卒) Shemale Visual (ogre mode) 偽女種外観 Purple rosy Knights. 紫薔薇騎士団 The Extra-Human Knights 八百比丘尼国大江化外衆(人外騎士団)頭 Imperial of Japan administrative bureau.Imperial of Temptress. 痴女皇国日本行政局


見た目は東洋人のスラリとした体格の女性にしか見えないこの方の正体、実は人間じゃありません。


ニホンの方がムッシュのIFFすてーたすとかいう情報をつぶさに眺めれば、ムッシュ・プラウファーネの真のお名前と本当のお姿が想像できるそうですけどね。


で、ムッシュは1年間の期間限定でこのフランスにお越しになっておられる立場なのですが、理由は「長年、聖院島=痴女島で暮らしていて異国人慣れしており、欧州に知己も多い」ため、比丘尼国の常駐外交官拠点である大使館開きのお仕事に向いているという判断が下されたからであります。


そして、私も関連する諸々で色々と工作やお仕事をさせて頂きましたが、先ほど名前が出ておりましたダイコクヤ・コウダユウ氏の支援や、北方帝国での日本大使館開設についても関わっておられましたね。


(お陰様で北方帝国については、薩摩出身の西徳二郎氏を大使として派遣、私の代替人事についても仙台藩出身の支倉常長氏が既にお越しですから、引き継ぎや諸々が終わりました時には…)


(ほんまにムッシュには色々とご支援を頂きまして…)


そう、ムッシュはあと数ヶ月以内には、再び比丘尼国へと帰国なさる立場なのです…。


で、私は目下、痴女皇国フランス支部に出向して、元来のフランス王国ブルボン王家の王女であるテレーズやソフィーちゃん、そしてシャルルくんやジョセフくんといった王子を支援してフランス支部…そしてフランス王国の経営を軌道に乗せる任務を厳命されている立場です。


元々、フランス・ヴァロワ王家の血を引くうちの愚母の思惑では「フラメンシアにフランス女王の地位を継承させたい」意向だったのですが。


しかし、この無茶な陰謀には待ったがかかっております。


と申しますのも、フランスと並んで国民の娯楽に競馬とかいう賭け事を流行させる対象に選ばれておる大英帝国の当代女王が、テレーズと私を密かに気に入っていて、私らがフランスを統治しておる間はあまり無理を言わないようにしてやろうと考えておる様子なんです。


そして、なぜか連邦世界の英国から叙爵された英国貴族の位が痴女皇国世界の英国でも生きておられるというマリアリーゼ陛下に「ルイ王家の誰かを王にすると再び揉めるから、兄弟姉妹で王権を共有して統治させるのはどうか」などと吹き込んでおるようなのですよ…。


しかし、英国女王としては積年の怨敵たる我がイスパニアの次には力を持ってもらうと困るのが、他ならぬフランス王国。


英国の立場で見ると、強敵と書いて仇敵と読む程度には仲良し国家らしいですね、フランス王国。


(その割に、うちの国から送り出したカレームを返しやがらんのやけど…ふらこからも何か言うたってくれや…)


(競馬の件に合わせて、返せとゴネまくろうや、てれこ…)


ええ、近代フランス料理の開祖にして料理の達人たるアントナン・カレームという男性、目下、フランスから派遣しておる英国大使に従う形で向こうに貸し出しとるのです。


そして、わたくしフラメンシアと、テレーズは聖院第二公用語(げんだいにほんご)でふらこ、てれこと呼び合うだけでなく、東方聖母語(かんさいべん)なる比丘尼国語(まんまにほんご)の方言…商売人が多い浪速三三四国弁(もうこべん)での会話、隙があればつい出てしまうのです。


ええ、東方聖母にしてマリアリーゼ陛下とマリアヴェッラ陛下の姉妹の実母であり、血統的にはロシアとウクライナの血筋らしい高木ジーナ様…お育ちが連邦世界という異世界の地球の浪速三三四(はんしんわるくない)国のお生まれで、首から上または頭の中身はジャポンが祖国と言い切る御仁いわく「あれは商人の言葉やから、商売人の才覚がある痴女皇国の女官には関西弁が伝染しやすいらしいねん」だそうです…。


(今でもバッキンガムの中での内緒話の時にはフランス語使いよる癖に…)


(前に行った時、私らフランス語苦手やゆうてクロムウェル閣下もドレイク閣下も泣いとったよな…あの人ら、純然たる貴族の生まれちゃうから、さすがに気の毒には思うで…)


(ええと、その、そちらのお言葉が苦手な女王陛下の執事オリバーでございます。その節は、貴国の言葉を無理して宮廷語で使う必要もないのではと助言頂きました件で御礼申し上げたく…)


(同じく、男言葉と女言葉の使い分けが苦手な執事のフランシスでございます…それはそうとテレーズ殿下にフラメンシア殿下、聞けば比丘尼国の北方大使のご子息が馬術を習い覚えに貴国に留学なさったとお聞きしたのですがね)


ええ、その噂の当人が、心話という会話技術で話しかけて来られました。


しかも、あの国特有の皮肉たっぷりな言い回しのもって回った苦情や、探りを入れる気満々なご挨拶で。


念の為に申し上げておきますが、お二方は英国におられます。


そして、わしもてれこも、パリの行政執務宮殿にしとるエリゼ宮の一室にいてますよ、今。


(エマ・ライオンです…うちの内縁の亭主にして若執事のホレイショ(ねるそん)が、閣下…げほほっ、当国の王室執事頭と両殿下との心話を繋げとか申しますので…)


Ema Lion Nelson エマ・ウィリアムズ Thousand Suction. (Limited Ten Thousand.)千人卒(限定万卒) Slut Visual. 痴女外観 Purple Rosy knights, Imperial of Temptress. 紫薔薇騎士団 Military Chaplain Nun HMNB Portsmouth, Westminster Abbey, UK Chapter, Imperial of Temptress. 英国支部・英国国教聖母教会ウェストミンスター寺院付従軍尼僧・ポーツマス王立海軍基地派遣


(というかマダム・ネルソン…ええ加減、籍は入れんのですか…)


(再婚すると、ホレイショに集まっておる女性票が揺らぐ可能性がございまして…)


(確か、陸に上がったら下院議員として立候補なさる予定だそうですな…)


ええ、この方、英国海軍に所属するネルソン提督の内縁の奥様にして、ネルソン提督が暴走した場合のお目付役です。


そして、IFFすてーたすという、私ども痴女皇国女官が腕に装着しておる聖環で見れる情報が出て参りますことでお分かりの通り、痴女皇国の女官身分を得ておられます…。


(しかも紫薔薇騎士団って、痴女宮本宮の内務局直轄の情報収集専門の部隊ですねん…)


(ふらこも紫薔薇やないけ…)


(あれはフランスの統治補助の際にマダム田中…田中雅美・内務局長と直にやりとりする必要があってそうなっとるんじゃ…わしの本宮騎士団編入時の所属、黒薔薇やから本来の上官はペルセポネーゼ団長か、ジョスリーヌ分団長やぞ…)


この黒薔薇騎士団が創設されたのはマリアリーゼ陛下が初代・痴女皇国皇帝の時。


そして皇帝直轄の親衛隊兼・潜入破壊工作部隊という性格がある物騒な騎士団でして…他の騎士団や女官に対する優越権限を持っていることで、痴女皇国女官の間でも知らぬ者はおらんのです。


で、私がこの黒薔薇騎士特権を使うことは滅多にありませんけど、使用するとフランス支部の全員を指揮可能だったりします。


いえ…南欧行政局長の権限を代行することすら。


ただし、目下のところは私の生まれ故郷であるイスパニア…スペイン支部のためにその権限を使うのではなく、フランス支部の統治のために持たされておるようなものなのです。


(フラメンシアちゃん、言っておきますけど黒薔薇騎士資格の返上は許されませんよ…)


(いえいえ滅相もない。それにこの権限がないと、今のフランスはもちろん、欧州で動くには窮屈ですから…)


そう、私フラメンシア、痴女皇国の支配地域の各支部長以外の地方幹部の集まりでは、後進後輩の部類なのです…。


(ふらこの黒薔薇資格、わしに譲れるもんやったら譲ってくれ)


(ええのあかんの以前に、黒薔薇(あれ)、身の毛もよだつ地獄の試練に打ち勝たへんと下ろしてくれん資格やぞ…)


ええ、てれこ…テレーズは、敢えて女官としての位、はっきり言ってしまうと私よりもかなり低めに設定されているのです。


ですが、テレーズには妹のソフィーちゃんがおりますし、この子はこの子でかなりのしっかり者。


(ふらこにもプランセス・クララとプランセス・カタリナがおるやないけ、姉妹に…)


(クララ姉様とカタリナ姉様は本国の要職者やぞ…それにフランスに来てすぐ仕事できる立場でもあらへんねや…)


Marie Thérèse Charlotte de Francise テレーズ Thousand Suction (Limited Ten thousand) . 千人卒(限定万卒)Slut Visual. 痴女外観 Red Rosy knights. 赤薔薇騎士団 France branch, European Headquarters, Imperial of Temptress. 痴女皇国欧州地区本部フランス支部


Marie Sophie Hélène Béatrix de France ソフィー Thousand Suction (Limited Ten thousand) . 千人卒(限定万卒)Slut Visual. 痴女外観 Red Rosy knights. 赤薔薇騎士団 France branch, European Headquarters, Imperial of Temptress. 痴女皇国欧州地区本部フランス支部


Isabel Clara de Valois クララ Thousand Suction. (Limited Hundred thousand)千人卒(限定十万) Slut Visual. 痴女外観 Red Rosy knights. 赤薔薇騎士団 España Branch, Imperial of Temptress. 痴女皇国南欧行政局スペイン支部


Catalina Micaela de Valois カタリナ Thousand Suction. (Limited Hundred thousand)千人卒(限定十万) Slut Visual. 痴女外観 Red Rosy knights. 赤薔薇騎士団 España Branch, Imperial of Temptress. 痴女皇国南欧行政局スペイン支部


(フラメンシアですら難儀する英国との交渉に、私やカタリナが出向くのも…)


(フラメンシアには悪いのだけど、よろしくお願いね…あと、私たちの縁談の口でいいのがあれば。出来れば英国以外で)


ええ、姉様たちがなんでフランスに来ないかと申しますと、英国とのあれこれの矢面に立つ局面、イスパニアにおるときよりも遥かに多くなるってのもあるのです…。


で、英国のどこぞの名家の執事フランシスこと、現在は陸に上がった海賊の超・大物な御仁が申されるには。


(ふふふ、あの若執事、血気盛んすぎるのが困りものでしてな…議会発足を良い機会に、少しばかり文官の世界も良かろうと思いましたまで…しかし、フラメンシア殿下…近年のフランス王国、比丘尼国から大使を迎え入れたり、接触には熱心なご様子ですな…)


む。


これはフランシス・ドレイク閣下の嫌味です。


つまり、英国の財布だの米櫃だのとでもいうべき収入の道の一つである、対・比丘尼国貿易にフランスが手を突っ込んでいることをあまり快く思っておられません。


しかし、こちらとしても、手を突っ込まざるを得ない事情もありますし、何より私らだけで比丘尼国との親密なお付き合いを目指すと決めてる訳でもないんですよ。


(マリアリーゼ陛下のばくち好きな性分、閣下を始めとして英国の方々の方がよっくご存知ではないですか…競馬場建設や、競走馬の繁殖も、陛下の策定した特別支援予算を支給頂いたからこそ実施出来た話なのですから…)


と、ど直球で海の男…ぶっちゃけ海賊船長上がりのドレイク閣下にはお返しをしておきましょう。


(これこれふらこ…で、ドレイク議長、あのニシ・タケイチですけどな…彼を受け入れるに当たっても、マリアリーゼ陛下のご意向があったからこそ実現出来たようなものなんですわ。ただ、馬の利用については、我がフランス以上に熱心な北方皇帝エカテリーナ2世陛下のご意向もございますからねぇ…)


と、テレーズもカンサイベンでなく、王女らしい言葉遣いで援護射撃を始めてくれます。


(仕方ございませんな…ま、我が主君としても、競馬の流行には乗る気満々でございます。しかしながら四方を海に囲まれた我が国、どちらかと申せば陸よりは海に注力しがちでしたので、ここはひとつ陸の上の戦に慣れたお国の力にすがらせて頂ければと)


(ド…いやさフランシス殿、陸軍としては海軍に反対したいのだが…)


(陸軍卿らしきオリバー殿の発言には一言申したきなれど、実際に我が陛下の陸軍、海軍より戦績芳しくないのは事実でしょう…幸い、そちら生まれの金田の大統領閣下も貴国の方針に賛同して、アメリカ合州国ともども、馬の繁殖や輸出に乗り気のご様子ですしな)


ええと、これ、金田国の初代大統領となったナポレオン・ボナパルトというチビのおっさんの話なのです。


おっさんはフランス革命一派の失敗に伴って痴女皇国に捕縛され、痴女宮本宮併設の罪人寮の頭を勤めておりました。


しかし、このおっさんは罪人の管理でも相応に頭角を表した結果、比較的早期にお勤めを終えて北米大陸地区本部の金田の地で出世の機会に挑戦することを勧められておったのです。


(しかしふらこ…こうなると、うちのママンおるやん…前フランス王妃でヅラ大好きで助平逢引き大好きやったあれ…あれと愛人のフェルセン伯爵姉妹を金田に逃す話進めといてよかったと思わんか…)

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