飲む打つ買うは女の嗜み? 賭博は女の甲斐性です!(マリア談話)
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお負けたやんけぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
ええ、それが手紙とか勝馬投票券の部類であれば、ビリッビリに破り捨てていそうな剣幕のフランス王女たるテレーズがそこにおります。
そして、てれこが何を怒り、泣き叫んでおるのか。
むろん、このフラメンシアとて無縁ではない話なのです…。
「おのれ、おのれ大英帝国…おのれキュナード…」
では、てれこの手元に届いたのは何なのか。
それは、ブル・ルヴァン・グランプリ…ブルーリボンレースという名前の、競争結果を連絡して来た書簡なのです。
そして、負けたというからには、ただ負けた訳ではなく、何らかの損失が発生しておるのです。
もちろん、損失といっても、色々な損があります。
では、どんな損をぶっこいたのか。
いえ…これから損をするのです、私どもフランス…。
「むぐぎぎぎぎぎぎぎ」
「しかし、1隻の船を大西洋航路に張り付けたら最速でも1週間は港に戻られへんのを思い出すんや…いくら英国といえども毎日1便ずつの客船、自分ちの港とマンハッタンから出されへん訳やんけ…せやからこそ大西洋横断航路客船を各国で分担して建造しましょうね、という話になった訳やないか…」
「ただ、自分とこの港から出してええ権利を得られるだけやなしに、よその国にも寄港する場合に、その寄港した国から金をふんだくれるいうのが…ううう」
これ、大人の方が読めるアルト閣下のお話でも出た話題ですのでご存じの方、いらっしゃるかも知れません。
つまり、ぶるーりぼん賞というのは、最速で大西洋を横断した船に与えられる栄誉賞です。
で、痴女皇国世界の欧州では、アメリカ大陸…とりわけフランスが肩入れしまくってる金田国はもちろん、英国系の連合国家であるアメリカ合州国と南米行政局管内の淫化帝国と尻出国、そして他のお話では常連出演者でもあるフランシスカ・中米行政局長が率いる女裂振珍帝国との船便を強化する動き、従来から顕著でした。
いえ、一時期は、大西洋ですら2泊3日未満で横断してしまうくらいに速かったのです。
で、その速さの原動力である「超電導ヘリカル水流ジェットエンジン」とかいう訳がわからん名前ですが、その実際に動いているところを見るととてもわかりやすい恐怖の水流噴射装置は、痴女皇国国土局海事部の手が入った改造帆船または新造帆船に装備されています。
ただ、この装置を取り付けた船はその速さの代償に、痴女種女官でないと船酔いに苦しみ続けるくらいに揺れまくりながら波の上を吹っ飛ぶようにして航行し続けるのです。
その速度は水の上を行く船の限界らしい、時速50ノットから60ノットにも及びます。
いえ、乗った事はあるんですよ。
ただ、本当にこれ、最大級の一等戦列艦やその同形貨客船が、皆様の世界のもーたーぼーと、それも一着を予想するばくちのために走らせるものを更に上回る高速を延々と出し続けるようなしろものです。
女官ですら、船に弱い者であればぐったりとうずくまっておるようなとんでもない物件なのです。
こんなもんで、淫化帝国の領土に移管された有全珍から牛や豚を生きたまま持ってこようとすれば家畜が参ってしまいます。
それに、この水流噴射機関は精気駆動発電機というしろものと必ず組み合わせて積み込まれるのですが、これがまた、女官や尼僧や偽女種が必死こいてアレをして貯めて貯めて貯めに貯めた精気をがんがんと消費するのです…。
(スペインの王女様のフラメンシアちゃんにもわかりやすく言うとね、1回の大西洋往復航海でね、マドリードからパリまでのS1919型高速列車が消費する精気10往復分を消し飛ばすの…)
あれも大概、時速400キロとかいう速度を出すと思いましたが。
ええ、黒薔薇騎士が地上で走って「出してもいい」速度の上限が時速800キロです。
そしてその速度を出すと、このわし、フラメンシアですら距離によっては目を回します。
なもんで、もうちょっと人としての暮らしというか、優雅な船旅を適度な速度で実現してくれという動きは、前から女官の間でも出ておったのです。
それに、狂った速度を出すとはいえど、基本は帆船ですので船室を貫通する帆柱がだいたい3本は立っています。
この帆柱のせいで、船室にまとまった広さを確保できないという問題も発生しておりまして、積荷の荷卸しに機械が使えないとか、あるいはくるまのような大物を積みづらいという欠点をなんとかしないと、せっかく尻出国で大豆を作ったり、あるいは有全珍で牛豚小麦大豆とうもろこしを作っても、連邦世界から原型船を持ってきた「ゆり丸型」小型貨物船の半分くらいしか荷物が積めないとかいう話もございます。
ええ、南米の農作物の中には、人間だけでなく家畜の飼料や肥料の原料となるものも多いのです。
そして、せっかくの広大な農地で「例の緑色や黄色の卑猥な容器で卑猥な名前の肥料」を使って十毛作とか十二毛作とか、にわかには信じられん作付高を叩き出して農産物を大量生産しても、積み出して欧州まで持ってくる船がないと非常に困ったことになるのはお分かりでしょう。
ええ、これまた連邦世界から、アークロイヤルというとんでもない大きさの空飛ぶ船を持ち込んで運ぶようなことまでしておったの、淫化の後見支部だった南欧支部つまりスペイン支部の幹部でもあるわたくし、存じております。
(船室全部バルクカーゴモジュールで埋めたら連邦世界の最大級のバラ積み貨物船の2倍近い量、運べるからねあれ…その代わりに全長700m、最大喫水深度40mっていう水上艦外れした船だからね…)
(まりり…誰よあの船設計したの…コンテナ船と空母兼用でしかも宇宙船兼用で超光速航行どころか瞬間転移できるのって、何かこう色々間違ってない?)
(あれは元々英国とNBの間の密輸貨物船で有事に連邦宇宙軍との艦隊戦とかNBが万一の場合に地球に侵攻した際のガチ空母として使う用途も想定してたからああなったんだよ…あとあたしは建造に噛んでないからな。アークロイヤルの縮小版のテンプレスを聖院に押し付けてきたのもワーズワースのジジイだからな)
ともかく、近代的な製鉄所を比丘尼国や南米、そして欧州に建設する動きと併せて痴女皇国世界におった人間でも造れて整備できる船を、ということで「普通の船」を建造する運びとなったのです。
ですが、そういう船は普通に作るとお菓子やパンを作るよりも時間がかかりますので、数を揃えるだけでもこれまたひと騒動。
ようやく、大西洋の向こうの権益に投資できそうな資力と工業力を与えられた英国と都々逸、そしてフランスが数隻の客船を揃えるに至ったのですがね。
問題は、この3つの国、たとえ痴女皇国の監督下にあっても仲が良いということに尽きます。
それはもう、都々逸の船には絶対乗ってやんねぇとか、あの酸っぱいパンは絶対食べないとか腸詰が苦手とか。
(プリンセツィン・フラメンシア…都々逸に恨みでも?)
(プリンセース・フローレシェーネ…わしやなしにこっちの国民が嫌がっとるだけです。あとストラスブールに都々逸の連中がパン買いに来てるとか、何でかバーデン=バーデンのおんせん旅館の朝食のパンがフランス風なのが気になりましたくらいで)
ええ、バーデン=バーデン大公国をそっくり痴女皇国支部と化した地域を担当しているフローレシェーネ南独支部長に怒られかけましたが、支部境界または国境とライン川を挟んだ一帯の実態をお伝えしておきます。
(マリーセンセイがストラスブールを仕切っていた時は毎週のようにドイツビールとヴルスト目当てで酔っ払いに来やがってたのも追加でお願いしますわ)
とまぁ、国境付近で、しかも歴史的な経緯で国境線が動いていて双方の住民が混在しとるアルザスやロレーヌ界隈ですら、こんなもんなのです。
そして、都々逸なら都々逸単独で作った訳ではなく、風車人魚姫国とか好戦的蹴鞠国とか自由恋愛王国とか海蛮国とか狙撃兵国にも海運債の購入という形で援助をもらっています。
フランスの場合も、イタリア教和国や我がスペイン王国からも援助を受けて船を揃えたのです。
ですから、フランスならフランスがニュー・ヨーク行きの船をシェルブールから出してどこにも寄らせずに大西洋を横断させると、資金を援助してくれた国から文句が出るのです。
ただ、これらの船は国営ではなく勅許または国策支援を得て設立された船会社に委ねられておりますので、船会社としてはなるべく速くマンハッタン島と欧州の間を結ばせて乗客を獲得したいというディレム…ジレンマがございます。
そこで、マリアリーゼ陛下が提案なさったのが「速さを追求したいという気持ちもわかるから、速い船を出せた国に大西洋速達便をなるべく多く任せよう」という試みです。
そう…ぶるーりぼん賞、まさにこの一番速い船はどこの船やというのを競うことで、乗客を集めやすい直行便を優先して運行する権利を与えるための競走というか、一種のばくちなのですよ。
例えば英国、今回のぶるーりぼん賞で「大西洋を一番早く横断した」結果で運航を許可された船便枠にタイタニックという船を登録して、ポーツマスからマンハッタンに向けて出す運航計画を立てたとしましょう。
英国は最終到着地をマンハッタン島の国際旅客船桟橋にする以外は、その航路や経由地を自由に設定する権利を得られるのです。
例えば海綿菓子国のポルトなり、わしの祖国イスパニアのア・コルーニャなりビルバオに寄って沿岸国からの乗客を集めてうっはうは…いえいえ乗客の利便を図るもよし、そのままポーツマスからどどどどどっと大西洋を一路西へ西へと進んでニュー・ヨークを目指すもよし、なのです。
ただし、英国の勅許会社であるキュナード海運社という会社が「寄港させて」と言ってタイタニック号をビルバオ港に寄港させて聖母ゆかりの聖地たるサンティアゴ・ディ・コンポステーラへの巡礼客の利便を図ろうとした場合、運行経費やら港湾使用料やらはキュナード社持ちです。
しかし、フランス王国または国策企業である大西洋横断会社がル・アーブルなりディエップなりシェルブールなりにお宅の船を寄港させてウチの国のもん乗せてぇな、と頼んだ場合、その際の経由運行に関わる費用はトランザトランティーク社持ちなのです。
(実際には乗船券の発券代理店の仲介があるからもうちょっと細かいゼニの払い貰いは複雑ですねんけど、大雑把に言うとそういうことになっとります)
まぁ、フランスにはもう1つ、メサージュ・ナシオナル・マリティムっちゅう民間郵便・駅馬車並びに海運会社がありまして、これは地中海の方を主に担当しとるんですが、この会社の船便含めて旅客乗船券を一手に取り仕切っとる旅行代理店がフランスと英国双方に店を持っとります。
つまり、その代理店としてはお船の指名をしなければ旅客にとって一番都合がええか早い船の乗船券を都合しようとしてくれますし、英国の船だろうとフランスの船だろうと都々逸の船だろうと、客が船を指定しなければ公平平等に乗船券を斡旋してくれるのです。
ただ…その代理店は複数の国の旅客の便利を図ろうとして寄港地を増やせと船会社に要求する権利はありますけど、余計なところに寄らずに北米大陸との間を結びたいのも船会社側の人情でしょう。
そこで、大西洋を渡る旅客の利便を図るための運航義務便とは別に、船会社が途中経路を自由に設定してよい運航権便を巡って競争をしなさいという指令が痴女皇国・国土局海事部から発行されました。
そのこころは「そんなに速い船走らせて旅客獲得を競いたいなら船会社で競争しなさい。一位の会社には義務便の運行割り当てを減らすかわりに権利便の運行枠を増やしてあげます」ということだそうです…。
で、この運行義務便の割り当てを受けた船会社は、出発した港から最低1ヶ所は余計に寄港することを義務付けられます。
しかし、権利便の枠を増やしてもらえれば、それだけ早く大西洋を渡れる便を多く運行できます。
または、なにとぞうちの国の旅客を拾うてくださいとイスパニアなりフランスなりが頼み込めば、有償ですけど運行義務便と同様に経由港を増やしてやることができます。
逆に、義務便というのは大西洋沿岸各国が大型客船を競うように建造しようにも国力差があるだろうから、大型船が建造できる国と船会社が大型船を作れない持てない国のために便宜を図ってやれやというお達しを受けて運航する船です。
そして、このぶるーりぼん賞を目指して争った結果で負けた国は、勝った国が本来は出すべきだった寄港義務便を出す義務を背負うのです…。
(特急走らせたいのに準急とか各停ばかりを走らせることを鉄道会社に強要するようなものなの…)
(大西洋を渡るのに4日切るのと7日かかるんは違いますわな…)
で、このぶるーりぼんとかいう競争制度。
連邦世界の場合だと、単に「わしとこの船が一番速い」という自慢大会で終わってたらしいのですが、痴女皇国世界であればこの通り、実利実害が絡んだ真剣なばくちになっておるのです、船会社同士の…。
そして、今の欧州の国々は大体のところで痴女皇国の間接統治を受け入れていますから、海事部のこの指示を無視しようもんなら燃料配給だの船舶建造に必要な鋼材などの割り当てを受けられないだの、挙げ句の果てには造船設備を没収されてよその国に一瞬で移築されてしまいます。
ええ、エマニエル部長ならそれ、できますから。
(せやけどうちを恨まんといてくださいよ…大西洋でフネシャルなんとかいうんですか、走り屋の車が競争するどころやないガチの利権絡みのレースを企画したん、マリアねーさんですからね…)
しかし、その企てにがっつり乗って、強力高速な船を建造して送り込んで来たのが大英帝国だったのです。
ええ、あそこは海運保険とかいう、一種のばくちを始めた国です。
船が無事に荷物を載せて港に着けば、掛け金総取り。
しかし、海難に遭遇して船が沈めば、逆に荷主たちから集めた保険の掛け金に応じた補償配当を支払わなくてはなりません。
わしからしても「そういうガチのやつはやめた方がええんちゃいますか」と思えるくらいに真剣に人生を賭けた金額や内容でのばくちが大好き。
わしの英国に対するこの偏見、決して間違っていないとは思うのです。
ですから、今年の大西洋航路の割り当てでは、高速船を走らせてうっはうっはどころか、ぜってーにどっか一ヶ所は最低でも寄港させて他の国の旅客の便利を図る船ばっかり走らせることになってしまうのです…。
(おーい、回避方法はあるぞー…それとさ、フラメンシアちゃん…あたしを博打大好き人間で人生は賭博だを座右の銘にしてる人間であるかのように喧伝しないでよ…)
と、そのばくち大好きなマリアリーゼ陛下が抗議をなさっておいでですけど。
(例えば今度サラ・ベルナールさんと弥助くんたち乗せてニューヨーク行く船あるじゃん、お菓子号)
(陛下、それ、マリー王妃号ゆうたらんと、てれこが泣きます…)
ええ、そのマリー王妃号が、試験航海で大西洋を渡った際に、ぎりっぎり僅差で負けたのです、英国のメリー王妃号とかいう、これまたくっそ速い船に。
いえ、フランスのマリー王妃号も遅いわけじゃないのですが、海流や波高など様々な条件が重なると、同じ船でも鉄の道のように時間を秒単位で厳守していつも同じ時刻に着岸接岸できるわけでもないようですね。
(そりゃ同時に出発させて競わせる方向でさ、あたしもやりたかったんだけど…船会社の都合とか色々あるから、連邦世界のブルーリボン賞の基準に合わせる必要があったんだよね…)
で、このお船の話。
馬と、何の関係があるんやとお思いの方へ。
あるのですよ、それが…。
わしらフランス王国でも、競争させる馬以外の馬の使い道が増えていると申しますか、じどうしゃを導入する以前よりもある意味では馬の重要性が高まってはおるのです。
しかしぃ、もっと需要が高まっとる国が存在します。
ええ、アメリカ合州国です。
あのくっそだだっ広い広大な土地を開発するには、人の脚だけでは無理にも程があるというもの。
いえ、黒薔薇騎士の能力を使えば、人だけならば半日あればまぁ、余裕で横断できます。
しかし、それでは通り道に被害をもたらすだけでなく、人が持ち運びできる程度のものしか持って行けません。
ましてや開発や開拓であれば、男衆にも来て頂かねば長期的には困るのです。
そこで、自動車に伍して人や物を運べる馬車や馬の需要も高まっておるという次第。
そして、向こうの農場や牧場では優秀な馬の子種を欲しがっておりますし、逆に向こうで優秀な馬をのびのび育てて欧州に持って来ようかという傾向も出ております。
更には、欧州の苗床で産み出した人々を北米に送って労働力にしたり、あるいはアメリカ合州国や金田で功成り名を遂げた者が大西洋を渡っての用務はもちろん、観光や遊興に来ることも起きております。
無論、聖母教会としても進出しておりますから、尼僧や偽女種を送り込む必要も生じております。
(で、連邦世界のアメリカ合衆国だと、街一つが賭場だらけになったような砂漠の中の町とかさ、嘘つかない族への補償問題で居留地で賭場を開かせたり、それなりに博打をする環境が存在するんだけど)
(あと、富くじの一等の金額がものすごい大きいとか聞きましたが)
(たださぁ…痴女皇国世界だと、あらかたの賭博は成立させようがないよね…)
つまり、庶民の娯楽がそれだけ少ないということになります。
(草競馬という分野がある。つまり、民間の競馬ってやつだな)
なるほど。それならば、あの西部劇とやらのように、アメリカのあっちこっちで牧場があって牛や馬を飼っているような環境では簡単に開催できるでしょう。
(ただ、言ってしまえば民間レースだし、ご当地ルールの麻雀同様に全国大会じゃ通じないよな)
なんとなく意味は伝わりますが、よくわからぬ例えではあります。
(ただし、金がある連中なら話は別だよ。牧場主や農場主たちが集まって賭け金を集めたり賞金を用意しても限度があるけどさ、大きな資本を投下して大規模な賭場を開く方が、勝ち金はでかくなるんだ)
聞けば、連邦世界の痴女皇国・東京支部と密接な関係のある協力者のマサミ・タドコロなる男性。
日本では公営賭博となる競馬でも飽き足らず、時々はアメリカに渡ってラスベガスなるその砂漠の中の街丸ごと賭場に入り浸るのが趣味なのだそうです。
そして、そのムッシュ・タドコロに限らず、賭博の毒に頭をやられたようなばくち打ちにとっては、賭け金が高い博打や、難易度の高い賭博になるほど闘争本能をたぎらせるような習性があるとも。
(で、英国の目論見としては、なるべく高い払い戻しが出るレースを開催して競馬での儲けを上げたいわけなんだけどさあ…強い馬にばかり賭けられちゃ、バクチとしては面白くないよね…だからこそ、アメリカで育った新人ならぬ新参の馬とか、フランスのレースで強い馬を呼んで来ましたなんてことをやってさ、不確定要素を増やして勝ち馬への投票者を分散させようということも目論みたいわけなんだよ…だからこそ、海を渡って馬を運んでも馬の調子が崩れないようにできる設備を持った船を入れたかったんだよね…もちろん家畜輸送にも使えるようなのをさ…)




