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王子様と婚約したようですが、何故ですか? 〜溺愛してこられても困ります!〜  作者: 星月みら


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40 精霊と聖女 2



 お兄様がそんなことを言うなんて、結構やばい感じなのかな?


 やっぱり私は知らないことが多すぎる。

 もっと勉強しなきゃならないことは、まだまだたくさんある。


「お兄様、それはどういう?」

「精霊の魔力のせいで、魔物が例外的に大量発生の大量発生を起こしているみたいだ。もう少し進むと、魔物はもっと強くなるし、レーアでは敵わない魔物も大量に出てくる」

「そんな……!」


 やっぱり私はとれだけ頑張っても、お兄様の足手まといにしかならない。

 今いる魔物を倒すだけで精一杯の私は、これ以上に魔物が強くなれば、魔力も持たないし、体力的にも続かないことは目に見えている。


 どうにかしないといけないけど、大量の魔物を初めて相手したからか、緊張と恐怖で頭がいっぱいで考えられない。


 というか、すでに疲れてきていて魔物を倒すスピードも下がってきている。


 このままじゃ、無理だ。


 考えたくもない未来が、そう遠くないことを悟ってしまう。


 自分の無力さに嫌気が差してくる。それでも私は自分の心に弱気になるなと叱咤し、手足を動かす。


 お兄様が私の前に出て、魔物をある程度倒していってくれるおかげで、私はまだもっている状態だけど、このままじゃお兄様までもが魔物を倒すのが難しくなってくる。


 すると、案の定、お兄様も疲れてきたのか、倒すスピードが遅くなっていることに気づいた。


 私のせいだ。

 私が弱いせいだ。


 そのせいでお兄様が、と思うと自分自身がどんどん嫌になってくる。



 そのことに気を取られていたせいで、周りが見えていなかったのか、お兄様の「危ない!!」という声があるまで魔物が襲いかかってきていたことに気づかなかった。


 気づいたときには、魔物はすでに目の前にいて、今から何をしても間に合わないことだけは分かった。


 私は最後までダメな人間だ。


 私は死を覚悟して、そっと目を閉じた。

 お兄様がこちらに駆け寄って来るのが、視界の端で見えたが、結構離れているから、いくらお兄様でも間に合わない。



 ───……あれ?


 何も起きない?

 目を閉じていたから、分からなかったが、これから来るであろう痛みが、いくら待っても来ないことに気づいた。


 恐る恐る目を開けてみると、見慣れた恋しい白い髪が目に入った。


「ど、どうして……」


 恐怖のあまり震えた声だったが、何とか言葉を発する。


「───セレン、さま……」


 その白い髪の主は、瞬く間に防御結界を張り、私に手を差し出した。

 その姿は、王子様によって助けられたお姫様が、王子様に手を差し出しているのと同じだった。


 私は驚きが隠せないまま、王子様の手を取った。


 ようやく状況を整理できてきた私は、王子様の瞳から目が離せなくなる。

 王子様は、本当に王子様だったのだ。


「セレン様……!」


 やっぱりセレン様は、世界で一番かっこよくて、世界にたった一人だけの王子様だ。


 やっぱり、私はセレン様のことが好きだ。どうしようもないくらい、好きなんだ。


「レーア、怪我はない? 大丈夫?」

「はい、大丈夫です」


 久しぶりに聞いたセレン様の声を聞くだけで、すごく安心する。



「セレン様、好きです……!」


 全て言ってしまったあと、はっと我にかえった。

 無意識のうちに、言ってしまった。

 後悔はしてないけど、すごく、すごーく、恥ずかしい。


「レーア、そんなことを今言ったら俺は……」

「俺は?」

「我慢が、きかなくなってしまう……」


 セレン様は自身の手で自分の顔を必死に隠しているが、指の隙間から見える顔は、ものすごく赤い。


 それを見て、私も安心した。

 セレン様は私を嫌いになったんじゃなかったとこれは勘違いしてもいいよね。


 防御結界の先にいる魔物なんか、怖くなくなってきた。


「セレンとレーアのイチャイチャ恋人タイム〜!は終わってくれた?」


 急にひょこっと現れたお兄様に、セレン様と一緒に驚く。


「お兄様! そんなんじゃ……!」


 私はお兄様の言葉への不満を露わにし、訂正を試みようとした。

 が、セレン様は満更でもなさそうに、ニコニコ笑っている。


「ヴィル、そんな時間は終わることはないんだから、終わってはないからね?」


 セレン様はそういって、私の腰に手をまわす。


 私は嬉しさを覚えると同時に、少しの恐怖も覚えた。

 セレン様が何してくるか分からない怖さがある。私は男性と接することが今までにあまりなかった。だから、そういうことに慣れてない。嬉しさはあるけど、緊張感もあった。


「レーア、あれは俺がいないときに言ってあげて欲しかったな〜? セレン様も二人のときに言って欲しかったみたいだよ?」


 お兄様がさっきの私の告白のことを言ってることに気づく。


 さっき勢いあまって告白したのを思い返すと、セレン様と二人きりではなかったことに今気づいた。


 あれ、お兄様に見られてたんだ!


 そう思うと、段々と恥ずかしくなってくる。お兄様だけには見られたくなかったかもしれない。散々、言われてたし。


 恥ずかしさから、セレン様の影に隠れるように、少し後ろに下がると、お兄様とセレン様がある一点を見つめだした。


 何かと思い、私もそちらを見る。が、何もない。

 一体どういうことかと、お兄様たちに聞いてみる。


「あちらに、何かあるんですか?」


 お兄様は軽く頷いたあと、戦闘態勢をとり、セレン様は頷くと私を後ろに隠すように位置をとって、戦闘態勢に入ったようだった。


 私には何も無いように見えるけど、二人には何かを感じ取っているらしい。


 私もお兄様たちが見ている方向を見つめる。



 すると、林の方からカサカサと音がしたあと、一頭のドラゴンが姿を露わにした。

 その手には弱ったように見える、精霊の姿があった。

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