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王子様と婚約したようですが、何故ですか? 〜溺愛してこられても困ります!〜  作者: 星月みら


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32 夏至祭 1



「レーア、湖に行こう!」


 セレン様が突然、我が家にやってきた。

 まあ、いつものことなので驚くこともなくなってきたのだが。


「どうしたのですか? いきなり」

「今日は湖で夏至祭が行われるんだ。だから、レーアと一緒に行きたいなと思って」


 そういえば、今日は夏至だ。

 夏至祭が行われるのは夕方から夜。それでも暑いけど、お祭りは好きだし行ってみようかな。


「いいですよ、セレン様」

「ほんとに!? やったー!」


 無邪気に笑って喜んでいるセレン様が可愛らしくて、ついつい私もつられて笑顔になってしまう。


 こういうセレン様、すごく可愛いくて好きだ。


「レーア、あとで迎えに来る。またあとで!」


 セレン様はそう言い残して、出ていった。

 今はお昼前だし、まだ時間はある。とりあえず、ララに色々と準備して貰うように頼んでおかなきゃ。


 楽しみだなぁ〜。



◇◇◇



「レーア様、すごくお綺麗です! 絶対に王太子殿下も見惚れて何もできなくなりますよ!」 

「流石にそこまででは無いと思うけど」


 私はララに着替えを手伝って貰い、お化粧と髪もセットして貰った。


 今、私の目の前にある鏡には、それは美しい女性が立っていた。


 多分、これは私じゃない。この鏡は鏡としての役割を果たしていないと思うくらい、普段の私とは別人だった。


 私の桃色の髪はアップにしてあり、そこにセレン様から貰ったサファイアが輝く青色を基調とした髪飾りが飾られていた。


 服はまたまたセレン様から貰った、少し青色がかった大人しめのドレスで、反射で光沢のある生地がほんのり光り、夜歩くと少し幻想的な雰囲気が醸し出される。


 本当に鏡に映っているのは、きっと私じゃない。


 未だに鏡に映っている人物が私なのかと疑っていたとき、私の部屋の扉がノックされる。


「はい」


 急いで返事をすると、セレン様がひょこっと顔を出した。

 いちいち仕草が可愛いのが少しイラッとくる。


「レーア……」


 セレン様が私を見た途端、私の名を呼んだあと目を大きく見開いたまま動かなくなった。

 出た、カチンコチンセレン様。


 早く氷とけてくれないと困るんだけどなぁ。

 なんか今回の氷は結構分厚いみたいで、なかなか解けてくれない。


 とりあえず、声をかけてみよう。


「セレン様〜早く動いてくださ〜い」


 しばらく待ってみたが、全く動かない。カチンコチンセレン様には困ったものだ。

 次に、セレン様に触れてみることにした。


「セレン様、動いてください」


 セレン様の肩をポンポンと叩く。

 が、カチンコチンセレン様のままだ。


 ふと、ララの言葉を思い出した。


『絶対に王太子殿下も見惚れて何もできなくなりますよ!』


 本当になっちゃったよ、これ。

 どうするの、本当に何もできなくなっちゃうよ、これ。


 私1人で行く? カチンコチンセレン様を頑張って、いつものセレン様に戻す?


 いつもならすぐに解けてるんだけど、何で今日に限って解けてくれないんだ!


「ララ……」


 私は後ろに控えているララに助けを求めた。


「レーア様、王太子殿下に『好きです、セレン様♡』と言ってあげてください♡」

「え……っと、それで本当にセレン様の氷解けるの?」

「はい!」


 こういうことに関しては、ララのほうが圧倒的に詳しい。ララを信じて、あの恐ろしい台詞を口にするか、口にせずに他の方法を探すか……。


 よーし! こうなったら言ってやるー!


「セレン様、す、好き、で……ってわあ!」


 好きの単語が私の口から出たあとすぐ、セレン様の氷は解けた。解けたはいいものの、セレン様が急に私に抱きついてきたのだ。


「レーア、本当!?」


 セレン様はきっと、私のさっきの恐ろしい台詞のことを言っているに違いない。


「嘘です。すみません、セレン様がカチンコチンになってしまったもので」


 すると、セレン様は私から離れたあと、パタッと倒れた。


 もういいや、セレン様は放ってララと二人で行こう。


「ララ、湖に行こう!」

「え? 王太子殿下は……」

「いいのいいの! カチンコチンになったり倒れたり面倒くさいし」


 ララはまだ納得のいってない顔だったが、私が無理やり連れ出し、家を出て手配していた馬車に乗る。


 すると、猛スピードでなにかがこちらに飛んでくる。

 なんだろうね、この国の王太子は氷になったり、すぐに倒れたり、すごいスピードで走ったり。


「王太子殿下が来られたので、お二人で楽しんできてくださいね、レーア様」


 そして、ララはニヤニヤしながらどこかへ行ってしまった。

 裏切り者……!


 むむむ。ララのせいでセレン様と二人きりになってしまった。


「レーア、次に俺から離れたら許さないからね?」


 相変わらず、セレン様は馬車でも私の隣に座っている。狭いのに。


 それに、さっきセレン様を置いていったからか、ものすごく笑顔が怖い。

 セレン様の右手は私の腰に回されてるし、もう片方の手は私の手を絡め取っている。


 逃げられない。誰か助けてー!


「返事しないなんてレーアちゃんは悪い子だなあ」


 ヤバいヤバいヤバい!

 これ、セレン様すごい怒ってる!!


 急にレーアちゃんだなんて。怖い。


「あ、えっと……今日もセレン様から離れません! さっきは返事をせず、申し訳ありませんでした!」

「レーア、今日は俺だけのものだからね?」

「……はい」


 本当は言い返したいが、今はこれ以上怒らせないようにしておかないと……!


「本当は今すぐにでも、その可愛い唇を奪いたいくらいなんだから、前みたいに俺のためだとしても約束を破ったら、奪っちゃうから」

「約束は絶対に守ります!」


 ううう……。いつもなら、はいはいって流せるのに、今日は本気度がセレン様から伝わってくる。絶対に守らないと!



「あ、さっき言えなくてごめんね。今日のレーア、すごく可愛い」


 セレン様が急に耳元で甘い声で囁いてくるものだから、思わずドキッとしてしまった。



 いつも読んでいただき、ありがとうございます!

 評価やブックマークなど、とても励みになっています。


 昨日は更新できず、すみません。

 今後は少し更新頻度が落ちると思いますが、できる限り毎日更新できるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします。

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