泡姫のソープ
俺はキマイラの触手を使い一度城に戻る。
向かうのは北西にある町。伝説の吟遊詩人『ダライ・ラマ』が作り、その『ダライ・ラマ』の墓には『泡姫のソープ』という楽器があるらしい。
ちょっと前に死にかけながら見つけた祠で、雨雲の振動杖が貰えると聞いたのだが、『ダライ・ラマ』にある、『泡姫のソープ』を持ってこないと渡さないと言われたのだ。
仕方なしにダライ・ラマの町へ。
墓を探しながら人々に話しかけると、ラーブ姫の居場所がわかった。
イラマの村から南に運ばれた、とのこと。その後リムルテンペストの町には来てないことから、あの洞窟内にいる可能性が高い。
そして、あの洞窟で感じた圧倒的な力。
もしかしたら姫を守る守護者のような魔物なのかもしれない。
気を引き締めなければ。
まずは目の前のダライ・ラマの墓攻略に全力を傾けよう。
土壁。苔。湿気。獣臭。
さまざまな匂いが立ち込める洞窟を慎重に歩いて行く。
階層を追うごとに魔物も強くなっていく。
苦戦を強いられながらも、進んだ先に、泡姫のソープはあった。
その音色は様々なモンスターを呼び集めるという。
ただここに安置されているだけで墓に魔物が蔓延るのも、そのせいだろう。
その魔物たち地上を襲わないで、洞窟でのみ生息しているのもこの泡姫のソープの力なのかもしれない。
俺はそれを手に取り、早速追い出された祠にいった。
「お、おおぉぉぉ……。これが泡姫のソープ!
よくぞ、難題を打ち破った!そなたにならこの雨雲の震動棒を渡そう!世界に再び光をもたらしてくれ!」
なんだろう、この疎外感。
勝手に話しが続いてるな。