大団円
その時、奥に卵があるのを見かけたが、なぜか俺はそれを破壊する気になれずに、そのまま城を後にした。
「竜王の首は討ち取った!魔物ども、観念しろ!」
ざわり、と魔物たちの間に動揺が走る。
司令塔が打ち取られた。
それは、この総力戦においては敗北を意味する。
その動揺は瞬く間にひろがり、散り散りに逃げ出すモノが多数いた。
「残党狩りだ!逃すな!」
本当に。本当に一握りの魔物以外が殺されていく。
しかしこれは戦争なのだ。
正義が勝つとは限らない。
勝った方が正義だ。
俺はなぜか虚しさを感じながら、疲れからか気を失った。
「勇者様、お目覚めですか?」
ベッドの脇にはラーブ姫が座っていた。
どうやら俺を看病してくれていたらしいが、全裸なのと、なぜか戦闘以外の徒労感があるのが気になった。
「姫、ここは?」
「ラブドール城の一室ですわ。勇者様のお世話は私が全てやらせて頂きました。ぽっ」
なぜ頬を赤らめるのか気になるところだが、俺は数日寝込んでいたらしい。
「王様に挨拶をしないと……」
俺は王様に失礼の無いよう、装備を整えていく。
「おぉ、勇者よ。目が覚めたか!」
王が握手を求めてくる。
俺はその手を取り、軽く握りしめる。
「其方こそ、誠の勇者『トロトロ』の子孫だ!
どうだ、私の後をついで、この城の王にならんか?」
→はい
いいえ
なんだこのコマンドは。しかも、このイベント選択肢付きじゃなくて、俺が断るやつだったはずだが……。
「いえ、王よ。私が王になるならば、自分で国を1から作りたいのです」
そう言って俺は踵を返す。
ちょっと、はい、って言ってみたかったのは内緒だ。
「お待ちください、勇者様!」
ラーブ姫が俺を呼び止める。
いいか、絶対ついてくるなよ。絶対だぞ!
「私も付いて行きとうございます!」
フラグを立てた俺がバカだった。
ここで断ったら、王にも王女にも傷が付く。
仕方なしに連れて行くことにした。
「わかりました、王女。ともに参りましょう!」
盛大なファンファーレが鳴り響く。
「娘をよろしく頼むぞ、勇者よ」
「勇者様、万歳!!」
「ラーブ姫様、万歳!!」
こうして俺と姫は新たな新天地に旅立つことになった。
もうちょっとだけ続くんじゃよ。




