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Dick Quality Saga  作者: 葛葉龍玄


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18/22

伝説の剣

 ラブドール城にも劣らない豪奢な細工の施された城は今は邪悪な臭気に満ちている。

「竜……王……」

 俺の中の血が騒ぐ。

 かつては竜の女王という善に組する神の一人から生まれた竜の王。

 それがなぜこの大地を支配しようとしているのか。

 確実に近づく最終決戦の気配に、俺の体にも自然と力がはいる。

─玉座。

 王がいたであろう一際美しい広間。そこには誰もいないが空気の流れが明らかにおかしい。

 隠しきれていない殺気が地面からもれ出ている。

 竜王も隠れる気などないのだろう。俺は誘われるように隠し階段を降り、新たな大地へ降り立つ。

 剣の血をぬぐい、脂をふき取る。

 いったい何匹の魔物を切り伏せたことだろうか。いかな名剣とはいえ、そろそろ限界が近い。

「ちっ。変えの武器を持ってきておくべきだったか」

 この剣を除いては、短剣しか持っていない。

 引き返すことはできない。時間をかけることのできない即効戦だ。そうしなければ人間側は敗北するだろう。

 そのとき。

 トロトロの紋章が輝き、一つの部屋を照らす。魔法で鍵が掛けられた扉で守られていて、さすがに俺のピッキングでも開けることができなかったものだ。

 紋章の輝きが扉を包み込むと、錠前が開く音がした。

 その部屋の中は竜王の居城とは思えないほどの清浄な空気が流れていた。

 中央に備えられた剣。

 調べるまでもない。紋章と俺の血が認めていた。

「トロトロの剣……」

 俺の呼びかけに答えるかのように剣は浮かび上がると、俺の手に納まる。

「竜王……」

 かつて大魔王と名乗るものに破壊された王者の剣は、トロトロによって復活し見事大魔王を打ち倒したという。

 それから時代が移り変わり、その剣が今俺の手の中にあるのだ。

 竜王の邪悪な魔力によりその力は幾分そがれていたが、それでも今までのどの剣よりもすばらしい切れ味を誇っていた。

 これなら。

 この剣なら。

 竜王にも勝てる……!!


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