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Dick Quality Saga  作者: 葛葉龍玄


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王女の帰還

──ラブドール城、謁見の間

「おぉ!ラーブ!!」

「お父様!!」

 しっかりと抱き合う父と娘。こうなってしまえば、王や王女という肩書きはもはやない。

 俺の隣では大臣も目頭をハンカチで押さえていた。竜王を倒すための重要なクエストを終えられた安堵感が俺の心には残っていた。

「カクよ。ワシの心中を察し、姫を助け出してくれたことに礼を言おう。さぁ、ラーブ。寝室へ行こう」

 寝室?王女の体調を慮ってか。優しい父親だ。

「その前に、カク様にお渡ししとう物がございます」

 王女は俺へ近づくと、一つのキーホルダーを手渡した。

 お土産やで500Kくらいで売ってる、剣に龍が巻きついた定番の貰っても嬉しくないお土産No.1のアイテムだ。

「わたくしからの愛がこもっております」

 頬を染めながら呟く姫。

 これに愛がこもってるのか……。

 まぁ、愛の形は人それぞれだ。しかし、なにか不穏な物を感じる。

 カクは『王女の愛欲』を手に入れた!

 愛……欲?

「わたくしのカク様へのお気持ちですわ。ぽっ」

 生娘のように頬を染めながら、姫は王に連れられて寝室に向かう。

「カクよ。ワシからも礼を言おう。本当にありがとう」

 泣きながら俺の手を取る大臣を気持ち悪いと思いながらも短い達成感に包まれた。

 しかし、旅はまだ続くのだ。

 俺は気を引き締め直すと、謁見の間を後にする。


 が、後ろからなんか聞こえてきた。

「お父様!いきなり激しすぎますわ!ラーブ、すぐに気をやってしまいます!」

「ラーブや!ドラゴンのものを咥え込んでいたとしても、この締まり!父も久方ぶりだ!も、もう……っ!!」

「王、王女よ、今夜はこの大臣めも参戦しますぞ!

 アイツらは何をしてるんだ?

 聞かなかったことにして、俺は今度こそ謁見の間を後にした。

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