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白い部屋  作者: いちこ
ジュード
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6



 ここ最近巷ではマサの街に出来た新しいダンジョンの話でもちきりだ。


 ダンジョンはこの世界の至る所にある。


 ダンジョンに常識は通用しない。ダンジョンに入れば、そこで起きることが常識になる。

 下手をすれば命を落とすようなことでも、そこでは常識なので、仕方ないで終わってしまう。


 まあ、死んでしまっては困るわけで、そうならないためにギルドがダンジョン情報を精査、管理、監視している。


 どの階層にどんな敵がいるとか、ドロップするアイテム、ボス情報まで様々だ。


 ダンジョン自体がどんな属性なのか、クリアまでの階層数、ボスの強さなど精査してダンジョン自体にランク付けしてギルド内で共有している。


 冒険者ギルドはこの国だけじゃなく、世界各国のギルドと繋がってる、それぞれの街の依頼を受けたり、自警団的な活動もある。

 魔物が襲ってきた時の緊急依頼など特殊な任務もあるが、多くの冒険者はダンジョンに入りドロップした魔石やアイテムをギルドに売ることで生活してる。それらのアイテムから装備や魔道具などが作られる。


 そしてマサの街の東に現れたのが、噂の新しいダンジョンだ。


  {真実の迷宮}


 ランクはダンジョンの特異性からSランク。

 入口に必ずギルド職員が24時間待機する、重要ダンジョンだ。


 このダンジョンは本当に常識外だった。


 ダンジョンは区切りの階層に転移陣が置かれていて、入口の魔法陣と繋がっている。なので冒険者達も10階層の転移陣で帰ってきた。

 ギルドで情報を売ると、また準備してダンジョンへ向かう。

 みんなそうやって生計をたてている。


 こうやって集められた情報だが、ギルドマスターは頭を抱えていた。


「で、今度はどんなだ?」


書類をペラペラとめくりながら、副官の女性が答える。


「入ったら水の中だったそうですよ。なんと息が出来たそうです。5階で大型の魚に襲われて、気が付けば外だったそうです。」


「前は洞窟じゃなかったか?」


「別のパーティは宮殿の中だったそうですよ。」


「その内10階まで行けたのは?」


「1パーティですね。」


 不作だなとギルマスは思った。

 このダンジョンは入るとパーティによって、様々なダンジョンに変化する。出てくるモンスターも宝箱も全然違う。

 あるパーティは火山だったり、かと思えば氷河にでる。

 階層を進むだけで、空中にいたり海中にいたりする。


 ダンジョンは命を落とすこともある。

 それが常識だと思っていたが、そいつらの言うには確かにモンスターに食い殺されたんだそうだ。

 しかし、気が付けば全員ダンジョンの外に居たと。手に入れた魔石やアイテムは消えてしまったそうだ。


 情報を持ってきた奴らが適当な事を言ってるのかと、ギルドタグを調べたが、改ざんされた証拠は無かった。


 死なないダンジョンとして、多くの冒険者達が気軽な感じで入っていった。


 初めは情報収集のために、制限は設けなかったが、しかし、死ぬ時の感覚も少なからず残るらしく、軽く精神を病む者が出た。


 そのため、ダンジョンに入る冒険者の徹底管理と、攻略終了後に必ず報告をすることを義務付けた。


 そこで分かった事は、レベルに応じた強さの魔物が出るらしいという事だ。


 ギルドタグには色々な情報が残されるが、そこにレベルがある。


 一般成人で10から20くらいと言われ、冒険者ともなれば、100を超える者もいる。


 この半年で、多くのパーティが挑み、未だクリアした者はいない。


 ギルドタグを確認すれば、倒したモンスターのレベルも確認出来る。入ったパーティメンバーのレベルの合計にプラス10くらいの難易度に設定されるようだ。


 魔物のレベルよりもダンジョン自体の難しさで先に進めないのだ。


 階層も50くらいではないかと、思われているが、まだ未確認だ。




 ついにクリアしたものが現れて、大騒ぎになった。


 PN(パーティネーム)[聖なる椅子]

は聖騎士を辞めたイワンをリーダーに、戦士、シーフ、魔法使いの4人組だ。


 初クリア報酬は劣化版オリハルコンだった。


 それ以外にも2つの宝箱が置いてあり、どちらを選ぶか聞かれたそうだ。


 階層は全60階まで…。


 これである程度の条件が分かったので、更にいろんな条件でダンジョンに挑んでもらい情報を集めることになった。






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