エイヒレの詩
開けて
取り出し
閉じ込めて
熱くさせるは
そり返えらせる
熱し過ぎでは
身を焦がす故
ほのかに しっとり
程よい頃合い
開け放ち
保護した 指で
引き裂き 裂かれ
待ちきれないと
口に含んで
火傷して
咽せたところで
小皿並べ
こんもりマヨに
醤油と七味
ご機嫌 鼻歌
冷酒片手に
いただくぞ
マヨの端を
グチャリと混ぜて
纏わせるは
繊維に沿わせて
裂かれたエイヒレ
熱であたたか
凝縮された
旨味を噛み締め
冷酒をキュッ
微かに 混じった
磯の香りが良いではないか
ゆっくり いただき
冷酒をやれば
火照る 身体に
最後のひと切れ
名残惜しげに
口に運ぶは
満足出来ず
暫く酒煽り
次は大きな烏賊でも
焼くとするかと
熱燗の準備に
勤しんだ
夜は長いは
まだまだ呑むぞ
※炙りエイヒレ
乾物のエイヒレをトースターなどで焼いたもの。熱い内に裂かないと、後で硬くなるので注意が必要。ハサミで切るでも可。
メモ:魔王