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無口系女子達との騒々しい日常 レティセンス・ガールズ【21/8/4完結】  作者: 市み
一章 レティセンスガールズとチャラくないチャラ男
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1-2-1 属性付与

「では待機部二日目の活動を始めるぞー!」



 一人で盛り上がってみる。

 4人は相変わらず手元で遊んでいた。



「ボラ部の活動は無いらしいし。やっぱり写真部かなー」


「……」


「……」


「……」


「……」



 誰も反応しない。



「酷い、昨日より冷たい!?」



 二日目にして慣れられた感がある。



「でも大丈夫! 本子はチョロいから、きっとやってくれる!」


「……!?」



 本子は読んでいた本を閉じると、ゲム子の影に隠れた。



「本子とゲム子はチョロいから!!」


「!?」 「?!」



 ゲム子に被害が拡大していた。

 二人が互いの手を取って震えている。



「でも、素人に写真撮影とかハードルが高いか」



 流石に可哀想になった。

 俺だってあまり写りたいとは思わないし。



「そうだ。ゲム子はゲームばっかりやってるし、ゲー研とかどうだ?」


「……?」


「俺より強い奴に会いたいらしいぞ」


「……フッ」


「くっ、鼻で笑いやがった!?」



 言ったのはゲー研の部長なのに!!



「まぁ、いいや。取り合えずゲム子は確定で、後は自由参加ね」


「……?!」



 ゲム子は首を横に振る。



「頼む、一生のお願いだ!」



 二度目である。



「……」



 ゲム子は渋い顔で、渋々といった感じで立ち上がった。

 渋すぎる……。



「よし決まりだ! 行くぞ、続けー! 乙女ども!」


「……」



 本子だけは黙って付いてきてくれた、優しい。








 ◇








「たのもー!」



 勢いよく戸を開く。



「やれやれ騒がしい人だ」


「部長さんおっすー。騒がしくてごめんねー」


「我々の集中力を乱すには程遠いさ」


「強そう!」



 な気がする。



「あ、チャレンジャー連れてきたよ」


「ほぉ。後ろの子かい?」


「あぁ、ゲム子だ!」


「ゲム、子さん? 変わった名前だね」


「あぁ!」


「……?!」


「むむ、そういやアイツは居ねぇの?」


「アタシー?」


「おお、二橋!」



 俺達はイェーイと、ハイタッチする。

 次は肘を合わせて、最後に拳と拳をくっ付けた。



「君達、会うの二回目だよね?」



 息が完璧に合っていた様に部長さんが驚く。



「いやぁ、惣藏はさ。何かやりやすいのよー」


「分かる。お前が男だったら親友だったろうぜ!」


「だねー! ひひっ」



 互いに肘を突き合ってヤイヤイする。



「後ろの人が言ってた子ー?」


「あぁ、ゲム子だ!」


「宜しくねー、ゲム子ちゃん!」


「……!?」



 そう言われた”本子”は、首を全力で横に振った。



「こらゲム子。本子を盾にするんじゃない!」


「……」



 ゲム子は、本子の影からヌルッと出てきた。



「……」



 ゲム子は注意深そうに覗いている。



「警戒されてるー!?」


「こいつ”ら”人見知りだからさ、わりぃな」



 勝手に属性を付与していく。



「……!?」



 本子も被害を受けていた。



「お! 手に持ってんのホイッチライトじゃないのさー。何やってんのー?」



 同性の強みで、グイグイといく二橋。

 ゲム子は震えながら、二橋に画面を見せた。



「ぺよぺよじゃんさ! あたしの担当だわ!?」


「……?!」



 あせあせと、二橋とホイッチに視線を移すゲム子。

 何処か楽しそうだ。



「ず、ずるいぞ……」


「……?」


「簡単に仲良くなりやがって……」



 性別という見えない壁に、俺は無力感を感じて崩れ落ちた。



「……!」



 本子が俺の肩にスッと手を置く。



「ジェラシー、感じてます……」



 本子は手に持った”本”で、俺の頭を小突いた。

 痛くない……。



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