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無口系女子達との騒々しい日常 レティセンス・ガールズ【21/8/4完結】  作者: 過去の憧憬
一章 レティセンスガールズとチャラくないチャラ男
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1-6-2 以心伝心

「取り合えず、これで進めようか」



 ポスターの草案が完成した。



「……」


「……」


「……!」


「……」



 反応は薄いけど異論もない様だ。



「ちょっとコピー用紙貰ってくる」


「……?」



 本子が『一緒に行きましょうか?』って感じの顔をしていた。

 以心伝心って感じだな。


 俺の想像だけどね!



「すぐ終わると思うから一人で行ってくる」


「……!」



 ゲム子が嬉しそうに手を振っていた。



「そんなにゲームがしたいのか!?」


「……ニチヤァ」



 わざとっぽく笑うゲム子、何か懐かしい。

 という訳で教員室へと向かった。






 ◇






「邪魔しまーす」


「あん?」



 強そうな先生がお出迎えだ。



「あの強面先生」


「誰が強面だ!?」


「え?」


「素で驚くんじゃない!」


「すみません。怖かったので」


「強面は怖いのこわじゃないぞ!?」


「つまり怖ろしい面だと?」


「誰の顔が怖ろしいって?」


「あの人です!」



 待機部顧問を指さす。



「ぶふっ!?」



 待機部顧問は、飲んでいた茶を噴き出した。



「こらぁ、惣藏!?!」



 慌てて駆け寄って来る。



「あぁ、すみません。怖くてつい!?」


「お前は、ったく。すいません、仕掛先生」


「葉月先生。はは、はねっかえりは部活で慣れてますから」



 強面先生は、急にへらっとした顔になった。



「そう言えば頭は平気か?」


「頭がおかしい人じゃないし!?」


「そうじゃねーよ」


「あ、はい。……ちょっと血は出てますが平気です」


「焦ったぞ、本当に」



 葉月先生も心配してくれていた様だった。

 初めて教師らしい所を見た気がする……。



「昨日はありがとうございました、仕掛先生」


「お安い御用ですよ」


「何の話ですか?」


「仕掛先生がお前を送り帰してくれたんだよ」


「そうだったんですね、ありがとうございます」


「あぁ、気にするな。教師として当たり前だ、あっはっはっはっ」



 へら顔の強面先生は気恥ずかしそうに笑った。



「あれ、もしかして狙ってます?」



 強面先生はバッとこちらに向き直ると、俺の肩に手を置いた。

 無言の圧力を感じる!?



「ん? 何を言ってんだ惣藏?」



 葉月先生が訊ねてくる。



「いやぁ、俺の葉月に手を出そうとしてるのかなって」


『ぶふぉっ!?』



 教員室中でお茶を噴き出す音がした。



「ななな、急に何を!?」


「葉月先生、今更何を隠す必要があるんですか!?」


「や、止めろって!? 洒落にならんから!!!?」


「あの、葉月先生……?」



 頭を丸めた新キャラが現れる。



「きょ、教頭先生!? 違うんですよ。この子、虚言癖があって!?」



 酷い言われようだった。



「そんな、何度も揉んであげたのに……」


「……揉む?」



 肩の話である。



「あぁー、馬鹿馬鹿馬鹿!?」


「葉月先生……」


「ち、違うんです!? こ、このクソガキャァ!?」



 葉月先生を狂気が襲う。



「冗談ですよ」


「嘘を付くなぁ!?」


「え?」


「え??」



 教員室に氷期が訪れた。


 それからは、教員たちに取り囲まれて説教をされた。

 傍から見たそれは、異様な光景だった事だろう。


 きっと笑われてしまうに違いない!?









 ふと、入り口から視線を感じる。



「……?」



 本子がこっそり見ていた。

 ヤダ、見ないで!?



「……!」



 本子は頷くと帰っていった。

 心の叫びが伝わったようだ。


 まさに以心伝心!!










 半時間が過ぎた。



「はぁ、じゃあもう戻って良いよ」



 葉月先生が解放してくれる。



「あ、はーい。お疲れ様です!」


「お前のせいで疲れてんだよ!?」


「つまり俺が特別って事ですね」


「面倒くさいって意味ではな」


「まぁ、キャラ何ですけどね」


「作ってたのかよ!?」


「じゃあ、お疲れっす」


「こいつまるで反省してねぇな……」



 教員室から出る。



「ん?」



 教員室に入る。



「何だよ?」


「あの、コピー用紙貰いに来たんでした」


「あぁ? それだけであの騒ぎか」


「こんなの学生の間だけですよ」


「妙に悟ってんな!?」


「あんまり褒めないで下さいよ、照れます」


「褒めてねぇよ! まぁ分かってるなら良いけど、ほら」



 コピー用紙を受け取った。



「ありがとう、葉月ちゃん」


「!?」


「ん? どうしたの葉月ちゃん?」


「せ、先生って呼べぇええ!?」



 頬っぺたを引っ張られる。



「い、痛いですよ!? こっちは怪我人ですよ!?」


「恥ずかしいんだよぉおおお!?」




 謎の地雷を踏んだようだった。

 それからもうちょっとだけ、葉月先生と遊んでから部室に戻った。







 ◇






「ただいまー」


「くすくす」 「クスクス」


「既に笑われてる!?」



 密告者が居るようだった。

 ケー子とルビ子は、先に帰宅したらしい。



「……」


「……」



 本子とゲム子が、本とゲーム機を盾に俺を覗いてくる。



「待っててくれてありがとうな」



 素直に感謝を述べる。



「あ、でも用事がある時は帰って良いからな」



 気を使い過ぎても、健全な青春ではない。

 皆が、それぞれの思いを大切にしなければいけないのだ。



「今日は遅くなったし、帰るか」


「……」


「……」



 二人は頷いて帰宅する準備を始めた。

 途中まで一緒に帰ったが、二人は一言も喋る事は無かった。


 其処は気を使って欲しい。







 ◇






「にいやん、この服どう?」



 妹がひらひらの付いた可愛らしい服を着ていた。



「何それ、可愛いじゃん」


「でしょでしょ?」


「急にどうしたんだ、まさかデートか?」


「うん。……勝負服、だよ」



 何故か低い声で拳を握る妹。



「素直に応援させて!?」



 妹に彼氏ができそう……だった?




肩の話です!!

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