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現実転生  作者: 橋本成亮
1/1

失敗はよくある話

 異世界転生というジャンルのラノベに手を伸ばしたのは高校デビューに失敗した現実逃避だった。


 失敗したというのは、例えば場違いな感じに金髪にしてしまったとか、いきなり陽キャに絡んでみたとか、そんなことじゃない。


 単純に、何も変わらなかったということだ。


 少し身だしなみを気にしてワックスを使うようになったり、おしゃれな雑誌を読んでみたり、陽キャたちが好きそうな音楽を聴いてみたりして、俺なりに陽キャに寄せてみたつもりだった。


 その結果、俺の些細な変化に気づくのはオタク友達でしかなかったし、中二の妹には「何、お兄ちゃんがそんなことしても変わらないよ」と煽られ、音楽も楽器もスポーツも、話せるようにはなっても話す相手はいなかった。


 そりゃ、何もしないよりは良かったとは思う。とはいえ、望んでいたような変化も何も起きなかった。


 そして一つのことを悟る。現実で主人公になれるのは、限られた人間なのだと。


 例えば同じクラスの古賀朋央は小学生の頃からサッカーで世代別日本代表と聞くし、隣のクラスの大神奏はファッション誌でモデルを務めているらしい。世の中、そういう主役が輝くようになっている。


 そいつらみたいになりたいと思っていたわけではないけれど、同じように話したりだとか変な引け目を感じたくなくて挑戦した結果がこれだ。


 その点、異世界転生ものはといえば、現実では冴えないやつがチートスキルを手に入れて無双生活。努力もなけりゃ苦労もない。


 現実にはありえないご都合主義な展開と分かっていても、爽快感は凄かった。


 意地悪な敵キャラも、満を持して登場したボスもなぎ倒し、どこに惚れる要素があるかもわからないままに女キャラは主人公の虜になる。


 最初はバカにしてやるつもりで手を伸ばしたそれは、いつの間にか俺の敵わない主人公願望を埋めてくれるものとなった。


 チートスキル万歳。異世界転生、最高。

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