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僕のモノクロだった世界が君に出会ってから色付き始める  作者: 高橋裕司
第四章 確かに僕は
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今から部活の全容を話す

 ――ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ、ピッ……カチャッ


 僕は眠たい頭を手で抑えながらベッドから起き上がる……さぶっ!? 何この寒さっ、まだ11月だよぅ……死んじゃうってぇっ!? ………ブルブルブルブルッ。なんて馬鹿な事してる場合じゃないな。さっさと起きよ…。


 僕はベッドから出てまず顔を洗いに一階の洗面所へと向かう。洗面所へ入って鏡を見ると相変わらず死んだような目をした僕の顔が写っている。……男前じゃねえか? 今の内に言っておく……。全人類の皆様スイマセンッ調子乗りましたっ!!


 と、そんなおふざけをやりながら僕は顔を洗い葉を磨き終えるとタンスが置かれてる部屋へと向かう。と言っても別段カッコつけ用の服を着るわけじゃない。学校に行くための制服を着るのだ。


 ワイシャツ、ズボン、学ランと順良く身体に身に着けると僕は深呼吸する。……いつも制服を着るこの行為を僕は儀式と呼んでいる。なんでって? 制服に着替えようとしてる間僕はこう思うんだ? ……あぁ、学校に行くのダルい。行きたくないなぁ……と。


 だからこの行為を無事に終えた時僕の本当の意味での朝の始まりなんだ。だからこれは僕にとっては大事な儀式――。


 着替え終えた僕はキッチンへと赴き、冷蔵庫を開けて中を覗く。……ふむ、卵とレタスか。え? マジでこれだけしかないの? 


 僕は暫く呆然と冷蔵庫とにらめっこをした後、パンがあったので目玉焼きを作りそれをレタスと一緒にパンで挟んで食べる。……今日買い出し行かないとな。と、朝のお天気を見ながらそんなことを考えていた。


「今日は全体的に雪が降るみたいです。所によって強く吹雪く場所もあるみたいなので皆さん、外出する時はくれぐれもお気をつけください」


 お天気コーナーのお姉さんが本日のお天気を平板な声音でそう告げた。……まぁ、天気なんてたまに間違ってる時だってあるだろう。僕は密かに慌てる。何故なら僕は冬用の靴を履いているわけでもましてや、防寒具など全く用意していない。  


 僕は軽い気持ちで玄関のドアを開け放ち目の前に広がる光景に息を呑む。辺り一面銀世界が広がっていた。……いや、ただの銀世界ならまだマシだ……。


 ――ビュウウゥゥゥーーーーッッッッ!!!!


 ご丁寧に扇風機の強の何十倍もの威力の風もセットで付いてきた。風が空中に浮遊している雪を力強く決められた方向へと飛ばしていく。僕はその光景を見て盛大に溜息をつく。……はぁ、めんどくせぇ。


 寒いっ寒いよっパトラッシュ!! 僕の顔に向かって強く吹く向かい風に必死に耐えながら歩みを進めていく。走ろうとも思ったけど、この強風だ。走っても対して変わらないだろう。なんせ近くに止められている自転車が吹き飛ばされているくらいだ。これ、交通機関麻痺してるレベルだろうから今日休校にならないかな? ……あ。


 僕はある事に気づきズボンのポケットからスマホを取り出す。そしてスマホを操作して一人の女性に電話を掛ける。


 ――プルルルルルッ、プルルルルルッ、プルルルッ、ガチャッ


「はい、黒崎ですが」

 

 受話器から美紗ねえの声が聞こえる。正確には合成音声が僕の鼓膜に届いているのだが。


「美紗ねえっ、僕……、集だよっ!!」


「あら、集ちゃんっ!! 朝からどうしたのっ……はっ、もしかしてっ朝のラブコールウウウゥゥゥッッッ」


 美紗ねえ朝からそのテンションは痛いよっ!? 僕は心の中でそう呟くと要件を伝える。


「そう……。」


 僕の用件を聞いて何か思案しているのか慎重な声を出す美紗ねえ。


「残念だけど今日は休校じゃないわ」


 WHAT!? ……何故ッ!? こんな強風の中を歩いて学校行けってどんだけ鬼なんだよっ!! 僕は仕方なく向かい風に当たりながら走って学校へ向かう。途中霰が降ってきて僕の顔に何度も直撃する。……イタイっイタっイタイってっ!?


 僕はなんとか顔を強く打ち付けてくる霰との長きに渡る格闘の末に我が母校へと辿り着いた。――ハーハッハッハッハッ……。学び舎よっ!! 私は帰ってきたーーーっっっ!!! ってこんな古いネタ通じる人間少ないか? 

 何はともあれ授業が始まる前に何とか着いた……。正門を通って学校の中へ入ると――。


「……?」


 学校の中は驚くほどに人っ子一人見つからない無人の空間だった。

どうなってんだ? と下駄箱に近づいた瞬間、見知った顔が5人いた。


 おなじみの山岸さん、万丈、そして最近一緒に行動するようになった天道と本城さん。そして……。


「冴、島、さん……」


 僕が戸惑った声を上げると皆こちらへ顔を向ける。


「集君、おはよう」


「おぉ集、はよっ」


「あ、ボチ崎おはよう〜」


「集……おはよう」


 最近良く一緒に行動する山岸さん達が挨拶してくる。僕はそれをたった一回のお辞儀で済ます。そして冴島さんの方へ目を向ける。が、彼女は一回も僕と目を合わそうとしない……。僕、嫌われるような事したっけ? そんな事を思っていると――。


「来たわね貴方達」と右側から声が聞こえた。聞こえた方に視線を向けると美紗ねえがニコニコしながらこちらへ歩いてくる。


「ミサっ……く、黒崎先生……どうやら皆いないみたいですけどっ」


 僕がそう問いかけると笑いながら

 

「それはそうだろう……だってこの学校にはお前らしか居ないんだから」


 僕らはその言葉に各々疑問符を浮かべる。


「連いてこいっ……今から部活の全容を話す」


 部、部活っ!! 美紗ねえにもう少し詳しく聞こうと思ったけどどんどん先へと行ってしまう。結局僕達は美紗ねえの後をテクテクと連いて行くのだった――。

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