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僕のモノクロだった世界が君に出会ってから色付き始める  作者: 高橋裕司
第二章 銀狼と呼ばれた少女
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少し……いやかなり

今回は万丈皐月視点になります。

「すごかったな……集のヤツ」

 オレはこの騒動を引き起こした人間……一人の男に感心する。度胸があるとは思っていたがまさかいきなり怒鳴り散らして自分のクラスメートを糾弾した上に……。


 オレは、依然として床に倒れたままの男……天道に目を向ける。


 一人の男子生徒を殴り飛ばすとは……。 

 ここまで大胆な人間という印象は受けなかったんだけどな。もっと内気で、自分から行動する事を嫌う他人の為に自分を犠牲にする行為など一切しない。そんな人間だと思っていたのに……オレは今も泣きじゃくる山岸奏に目を向ける。



「黒崎君の、馬鹿ぁ」

 泣きながら山岸奏はそう口にする。状況はなんとなく、分かった。このクラスで、山岸奏の事を陰で悪口を言っていた。理由はよく分かんねぇけど


『校内1の山岸奏がっ、テメェ見てぇな……底辺と、肩並べて仲良くして良い訳ねえんだよっ!?』


 さっきの……天道、だっけか? が言っていた事を考えるとこの山岸奏が集にばかり構う物だから。それに嫉妬してという辺りだろ。動機が、小学生過ぎて嫌になるな……けどな。


『そいつの様になりたくねえんなら……僕の陰口は構わない

 でも、山岸さんの陰口は金輪際っ口にすんなっ!?』


 集、あんな顔をするのか……。昨日あったとはいえ怒るようなタイプには見えなかった……。


 今目の前で泣いてる女……山岸奏の好意に気付いてないくせにコイツのために、集はクラス全員に喧嘩を売った。

 どうでも良いやつだったら、ここまでしない。相手が友達だったとしても、私は集みたいに立ち回る事は出来ないだろう。

 つまり、少しは山岸奏を心の何処かで気付かぬうちに意識をしているんじゃないのか?


 オレは、頭を振る……なんでこんな事を考えなくちゃならねぇんだっ。だが少し……いやかなり

 集にこんなに思われてる今オレの目の前で泣いてる山岸奏が羨ましいと思っちまった……。集は他者の悪意が、山岸に向かったからだからあんなに怒った……。


 もしその相手がオレだったらあそこまで怒ってくれただろうか?


 答えは否だ……。会って2日も経っていない人間が悪意にさらされているからといって悪意を向けている連中に本気で怒ることは出来ないだろう。


 だからこそ、羨ましいと思っちまう。集の怒ってるときの目……全てを擲ってでも自分の守ると決めた人の為に手段を選ばない……。そういう覚悟を固めた目をしていた。


 なぁ、集……もしオレの抱えてる問題を知ったらお前は、俺の為に全てを擲ってくれるか?


 と、オレは教室の窓から見える曇り空と教室の惨状をを眺めながらそんな事をふと思っちまった。

続きが気になった方ブックマーク並びに感想ご指摘など宜しくお願いします^_^

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― 新着の感想 ―
[良い点] 山岸より美沙先生が好き! あーゆう白衣着たちょっと年下をいじってくるとこがまじベスト! ペコポイント2000あげちゃいます! [気になる点] 文の空きが気になる。 切らなくていい場所で改行…
2020/05/31 00:32 退会済み
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