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僕のモノクロだった世界が君に出会ってから色付き始める  作者: 高橋裕司
第六章 これから変われるよ
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プロローグ

「俺はっ……」


 男の声が教室の中で響く。

 その声は僕に向けてではなく、今目の前にいる少女……木下雫に向けられたものだ。


「俺は……中学の頃自分が虐められたくなくて逃げた……。だけどっ」


 男はそこで言葉を区切ると木下さんの前まで歩み寄り、片方の肩に手を置く。


「だけど……今度はもう逃げない……逃げたくないっ!!」


 木下さんはその言葉に目を見開きながら


「ど、どうして……?」


「それは……」


 男は木下さんの言葉に目を伏せる。

 僕はそんな男……川崎漣かわさきれんを見守る。

 僕は暫く黙りこくっている川崎漣を見ている間、今日までの事に思いを馳せていた。

 あれは6月に入る前の事だったか――。

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