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僕のモノクロだった世界が君に出会ってから色付き始める  作者: 高橋裕司
第五章 僕の過去
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ヤバい奴だ

万丈皐月視点でお送りします。

「姉御、同じクラスですね」


「良かったわ。皐月と同じクラスで」


 留年が決まったオレの二度目の一年生は涼と紗季……このクラスと同じクラスになった。


 これでいつでもバカみたいに騒げるから嬉しい……。

 だが、集と離れたのは痛ぇな。

 好きな奴と一緒にいれねえとか、こんなに切ないもんだとはな。


「これから1年間、二人とも宜しくな」


「水臭いっすよ、姉御っ」


「……当然よ」

 

 二人が笑顔で答える。オレはそれを見て、穏やかな気持ちになる。


「あ〜ダリィ」


 そう言いながら、一人の男が教室に入ってきた。

 オレはその男の顔を見て驚く。


 男は髪を短くして赤く染めている。

 それだけならまだいい。問題はその顔だ。

 男の顔にヒョウのタトゥーが入っていた。


「なんだ……アイツ」


 オレはひと目で直感する。……コイツはヤバい奴だ、と。

 男の近くにいた連中が怖がって皆離れていく。


「朝から……傷つくね〜。俺泣いちゃうよ」


 男はヘラヘラと笑いながら言う。


「ん……そこのお前」


 男は辺りを彷徨わせていた目線をオレに留めると指を指して呼びかけてくる。


「その銀髪……お前が()()……万丈皐月か?」


「だったらどうだってんだよ?」


 オレはそう言いながら構える。


「ハハッいいねぇ〜っ最高だよお前っ!!」


 なんなんだコイツ……。

 男から全くと言っていいほどスキを感じない。

 一見無防備に見える体勢だが無駄な力が抜けてる分、攻撃にも防御にも転ずる事が出来る。この技術が使えるって事は、相当強いって事だ。


「テメェ、姉御に失礼だろうがっ!!」


 紗季はそう叫ぶと男の元へ駆け出す。


「待てっ!!」


 オレは紗季を呼び止めようと静止の言葉を叫ぶが、紗季はその言葉を無視し男に殴りかかる。


「……なっ」


 紗季が放った拳を避けもせずに顔で受け止める男。

 殴られたというのに男はその場から微動だにしない。


「ハハハッ」

 

 暫く無言でいた男が厭らしい笑みを浮かべ乾いた笑い声をあげる。


「なんなんだお前……なんなんだよっ!!」


 紗季はそう叫ぶと空いてる手を握って拳を作り、男目掛けて放とうとする……が。


「……グァッ!」


 男は紗季の脇腹を容赦なく蹴る。

 紗季は横に蹴り飛ばされ置かれている周りの机や椅子を巻き込みながら倒れ込む。


「紗季っ!!」

 

 涼が叫ぶ。

 オレはその光景を見て途轍もない怒りに駆られる。


「あれ〜っ、もう終わりか? 女相手じゃこんなもんか……」


 男はつまらなそうに言うと、紗季の元へ歩いていく。


「まぁ、二度と抵抗できないように……。お前の可愛い顔ボコボコにしてやる」


 そう言って、紗季の肩を掴もうとする。


「……やめろ」


 オレはその男の手を掴み取って静かに言う。


「……ハハッ、次はお前が相手になってくれんのか?」


 男は楽しそうに笑いながら言う。


「相手になってやんよ。……だが、時間と場所はこちらで指定する」


「は? ……まぁ良いか、オーケーお前に従うよ。……で?」


 男は鋭い眼光をこちらに向けて問う。


「場所はこの棟の屋上。……時間は昼休みだ」


「分かった。その時まで楽しみにしてるぜ……銀狼(万丈皐月)っ!!」


 男はそう言って教室から去っていく。

 周りの連中がビクビクしながら遠巻きに去っていく男の後ろ姿を眺めている。


「……紗季っ!!」


 涼が紗季の元へ駆けつけ、紗季の身体に軽く手を触れながら呼びかける。


「すいません……。油断、しちまいました」


「いや、アイツは強い……。だから油断してなかったとしても紗季、お前に勝ち目は無かった」


 オレがそう告げると紗季が目を伏せる。

 オレは紗季の頭の上に手を置く。


「心配すんなっ。敵はオレが取ってやるからよっ!!」


 オレは笑って涼にそう告げると教室を後にしようと立ち上がる。


「涼……。紗季の事頼んだぞ」


 オレは教室の外へ出る。

 あの野郎、ぜってぇ許さねえっ!!


 オレは廊下を歩きながら仲間を傷つけられた怒りを募らせていく――。

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