仮結論都市伝説:ドッペルゲンガーが少女であることへの違和感が残るものの和解を提示される またそれの了承
目が覚めたらベットに横たわっていた。
どうやら、あの後自分はしっかり家に帰れたらしい。記憶はあるがぼんやりだ。殺されかけるというのはなかなか、精神にくる。これも全部夢ならよかったのに。
「おはよう。ん?夜だからこんばんわか?」
夢ならよかったのに・・・
少女はベットの横で椅子に座っていた。そしてこちらを見下ろしていた。
心配でもしていてくれたのかと思ったが、少女の手には漫画があることからそうではないらしい。まぁさっきまで殺しに来てたしそんなことないのは分かっているが。
「・・・殺しにきたのか?」
「・・・んにゃ。そのつもりじゃない。」
少女は立ち上がり、漫画を本棚に戻すと再び椅子に座った。
「・・・じゃあ何しにきた?」
「今後の俺たちの関係性について。」
頭が重いが何とか起き上がる。ベットに腰掛て、少女と向き会う。
「関係性?殺されかけたやつとのか?今後どうやって殺されたいかとか何時殺されたいかとかか?」
「殺すつもりねぇって。」
目の前の少女は上半身をそらし、あくびとともに伸びをする。
正直、それを見て怒りが沸く。こっちは、殺されかけてんだぞ。目の前の少女に。
「・・・意見が随分と変わったな。『俺はひとりでいい』んじゃないのか?」
「・・・ふむ。お前の意見と疑問は分かった。殺さない理由だろ。」
少女は足を組み、手の指をクロスさせる。探偵が事件の解説でもするように。
昼間は殺す。夜になったら急に殺さないっていうのは、こっちからしたら納得のいくわけが無い。
「そうだな。簡単に言おう。約束したからな、先生と。」
「・・・ふざけてるのか?」
残念ながら、目の前の少女の言動からして先生の言うことを素直に聞くとは思えないし、なによりそう簡単に殺意が消えると思えない。
「事実なんだがなぁ?」
「お前はなんなんだ!急に現れて殺そうとしたり、挙句先生に言われたからやめるだと!?ふざけるなよ!俺の日常を返せよ!!」
少女はポーズは変えず見下すように、しかし笑顔にも見えるほど口を引き上げると言った。
「日常?なぁまだ分からないのか?お前は俺に出会った時点で日常は無くなったんだよ。理解しろよ。お前はドッペルゲンガーに出会ってしまったんだよ。」
・・・わけが分からない。どうやってこの状況を理解しろと?目の前の少女がドッペルゲンガーだということさえも理解できていないというのに。
「・・・じゃあどうすればいいんだ・・・」
「それを話し合いたいと言っているんだがな。」
少女はあきれたように手をあげた。アメリカのホームドラマのように。
「・・・いいか。今後はお前を殺さないそこは理解しろ。」
「・・・」
「・・・理解したとして進めるぞ。今後はお前と共に移動する。というよりお前の影にいる。」
「・・・影?」
「お前と共にいるということだ。そんなに気にするな。」
少女はまたあくびをすると話を続けた。
「そして俺の目的を見つける。」
「・・・まだ思い出せないのか。」
「ああ。」
少女は肩をすくめた。どうやら困っているのは事実らしい。
「ドッペルらしく本体殺せばどうにかなるかと思ったがそうじゃないらしい。」
「おい。」
「冗談だよ。」
少女は椅子から立ちあがり、こちらを指差す。
「その『少女』ってのやめてくれないか?なんだか事件の関係者みたいでやだ。」
「・・・思考は勝手に読まないんじゃないのか?許可が無ければやらないんじゃ?」
「よく覚えてるな?今回は見逃せ。か弱い俺が思春期の少年に襲われたらどうする?」
「思春期の少年が自称か弱い少女に襲われたんだが?」
「・・・なんて呼んでもらうかな。」
「おい。」
少女は手を顎にあてて考える。そしてたいして間もおかずに言った。
「そうだ。『影』とよべ。名前エイだしいいだろう」
「考えてたろ。」
「・・・今後もよろしく頼むぜ本体。」
「無視すんなよ。」
少女・・・影は座っている俺に手を差し出し、握手を求めてきた。
それに応じると、影は微笑み言った。
「今後ともよろしく。二身 衛。」
「・・・よろしく。二身 影。」
また影は消えていた。もう夢でした、ではすまないだろう。
・・・眠い。急な眠気に襲われた俺は、そのままベットに横になる。
まどろみのなか、一つの疑問は残ったままだ。
結局、どうしてドッペルゲンガーは少女の姿なんだ?
読んで頂いた方、ありがとうございます。
読みづらい文で申し訳ないです。