冒険者におれはなる
バンッ!!
「うわっ!!」
突然の音で目が覚めた、辺りを見回すとガタイが良い男が立っていた。男は服の上からでもわかるくらい筋肉が発達して首回りも筋肉太く服のサイズがあっているのかと疑問に思うほどのパツパツであった。髪は伸びており肩のあたりで結んで腰まで伸びており、目は鋭く一睨みでどちらが上であるか理解させるほどの眼力があった。右目の下には、二線の傷がもみ上げまでありそのしたの頬には星型に見えるアザのようなものがあった。
「誰だよおっさん!」
「誰がおっさんだ!私の事はカマーちゃんとお呼び!ったく誰のおかげでギルドの中で泊まれたと思っているのよ」
何言ってんだこのおっさんは、・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっそうだった思い出した昨日、飯食った後に泊まるとこの話になって金がなくて野宿するしかないって話をクレンして、あいつが嫌だと文句を言っている時にこのおっさんが話しかけてきたんだった。
「そうだったそうだった、あんたのおかげで昨日は野宿せずに済んだんだった。ありがとおっさん」
ドンッ!!!!突然、凄い音と共に空気が揺れた
「ぴょ!!!!!!」
びっくりして変な声が出てしまった。
いつに間にかおっさんが壁を殴っており手首のあたりまで手が埋まっていた、壁にはひびが入りそのひびバラバラと崩れだしていた
「よく聞こえなかったわ、おかしいわね私の聞き違いかしらもう一度チャンスをあげるわ、次おっさんと呼んだら二度と表を歩けない顔にしてやるわ。さぁ私の名前を言ってみなさい」
ひっ冷や汗が止まらねーーーーー 足ががくがく震えてやがる。今度おっさん呼びしたら俺の命が終わる。そんな雰囲気がおっ・・・カマーちゃんから出ていた。チクショー数秒前の自分を殴りたい、まだ寝ぼけて頭が働いてなかった脳に文句を言いたい、昨日カマーちゃんを見て明らかに一般人じゃない事がわかってたのに、ギルドにいる冒険者の奴らはみんな明らかにカマーちゃんに対して態度がおかしかったし話していた奴の大半は全身が震えていた。
怒らせないように気を付けようと思っていたのにやっちまったー。ヤバいこれ以上の怒らせたら絶対死ぬ、なんでわかるかって?だってカマーちゃんの後ろにヤバそうな奴が見えるもん。
「カマーちゃんのおかげです。俺達が野宿せずに済んだのはカマー様おかげでございます。ありがとうございました。」
過去最速の動きで土下座をし勢いよく床に頭を付けながら心の底から感謝をした
「もうっカマーちゃんよ。分かればいいわ、あなたの連れを早く起こしなさい、ここは怪我人を治療する場所なんだから、あとこれ残り物だけどサンドイッチよ。これを食べたたら早くこの部屋を開けなさいあんまり遅いと・・・・・ふふ。それじゃあ私は仕事に戻るわ。あと冒険者登録は私がしてあげるからあとで私いる受付にきなさい。」
意味深な微笑みをしたあと、手に持っていた皿を木で出来た机の上に置いて笑顔で部屋を出て行った。コウタは急いで部屋を出て前を歩いてるカマーちゃんにお礼の言葉を言った
「はい!色々とありがとございます。」
分度器で測ったらピッタリ90度だと思えるような角度に腰を曲げて礼を言った。カマーちゃんは後ろ姿から右手を挙げて答えてくれた
ふーーーー助かったーーー俺は汗を拭きながら部屋の中に入りクレンが寝ているベッドを見た。
「ふっふっふこれで私も・・・・むにゃむにゃ」
スゲーーーーーよく寝ていられるなこいつあんな大きな音と、カマーちゃんの激おこオーラの中で、眠っていられるなんて。、こいつまさか!大物か、いや違うこいつはただ鈍いだけだ。うん、そう思っておこう。だってなんか悔しいし・・・・・・・・・・・。取り合えずクレンを起こそう。
昨日の経験を活かし触らずに声だけで起こすことにした。だって、噛まれたくないしうん、失敗から学べる人間だ
「おーい早く起きろよ。あんまり長く居るとカマーちゃんがまた来ちゃうよ」
「うーん何よまだ早いわよ。あと3時間」
「長げーよ!そういう時はあと5分がお約束なんだよ。頼むよあんな怖い思いはしたくんだよあんまり長く居ると俺もお前もヤバいんだよ~」
心の底から言っていると何かを察したのかすぐに起きてくれた。
「どっどうしたの?今日はなんだか朝からもう疲れている顔してるわよ。この世界に来て二日目なのに・・・・・まっまさか!自家発電のし過ぎで疲れてるんじゃ!ちょっと窓開けて!手も消毒してきて!」
なんて失礼な奴だ人がせっかく起こして注意してやってるのに変な勘違いをしやがって
「ちげーよ!そんなことしてねーよ。昨日ここに泊めてくれた人がいただろ?」
「あーいたわね。やたらとガタイがいいおっさッ!!」
俺はNGワードを聞いて急いでクレンの口を塞いだ条件反射だすごい俺。って自分の動きに感動している場合じゃない
「やめろー。いいか昨日は人にあったら絶対におっさごにょごにょとか言うなよ!カマーちゃんだいいか!絶対間違えるなよ!ふりじゃないぞ、ガチだぞ!あの壁を見ろあんな感じになりたくないだろ?分かったからカマーちゃんと呼ぶんだぞ」
「分かったわよ。ちょっと必死過ぎない?私は女神よ。そんなちょっと力が強いからって、只の人に私は屈しないわちょっと行ってくる。」
「ちょっ」
止めようとしたがクレンは、ダッシュで部屋から出て行った。絶対後悔しながら帰って来る。そんなすぐ起きる未来を想像しながらサンドイッチを手に取った。そいえば気になっていた事があった。クレンの犬はどこに行ったんだ?
数分後
クレンは震える足で何とか部屋まで帰ってきた。まるで生まれたての小鹿を思わせてくれるそんな足取りで。その姿を見てやっぱりなと思った、クレンは震える足で少しずつ歩きながらベットに取れ込んだ。
「分かったか?」
顔を上げてこちらを見て涙目になりながら小さく頷いた。
「まぁなんだ。取り合えず一緒にサンドイッチを食べよう。」
皿に置いてあるサンドイッチを手に取りクレンに渡した
一口食べるとクレンは涙を流しながら小さな声でおいしいと言い食べていた。
「そうだな」
俺は静かに答えた今はそっとしておこう。そう思いながらサンドイッチを食べた。
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食べ終えた俺たちは部屋を出てギルドの受付に行った
受付には多くの人が並んでおりテーブルや依頼書の所には人が集まってガヤガヤしていた。
テーブルでは何かの話し合いをしている人や食事をしている人、一番人が集まっているテーブルでは「俺の時代だー」とか「俺の出番だー」とかの声が響いている。
これが朝の冒険者ギルドかと色々見ているとクレンに肩を叩かれて振り返るとどこかを指さしていた。指している所を見るとカマーちゃんが手招きをしていた。
正直あまり行きたくない、だって怖いしでも行かなければもっと怖い。クレンを見ると青い顔しながらチョロッピを抱えて震えていた。いつの間に戻って来たんだ?まぁいいか。
そんなことよりも今は目の前の問題を解決しなければならないあまり長く待たすのはヤバい、ふと視線を感じた、感じた方を見ると一部の冒険者が泣きながら親指を立てていた。ありがとう知らない冒険者よ俺は行ってくるよ、そして生きて帰って来たら次会ったら名前を教えてくれ。気が付いたら涙を流しながら敬礼をしていた。
クレンには俺の後ろに付いて来るように言い、覚悟を決めて歩きだす。たった10メートルくらいの道のりがいつもの数倍長く感じた。そしてついに魔王が待っている受付に着いた。
「もう何やってるのよ遅いじゃない。ところで何で泣いてるのかしら?」
ポケットの中に入れていたハンカチで涙を拭きポケットにしまった。
「いや、何でもないです。ちょっといい奴らが居て感動しただけですから」
「そうだったの、いい出会いは大切にしなさい
素晴らしい出会いは人生のスパイスよ、よく覚えておきなさい
さぁ冒険者登録をしましょう。」
「はい!分かりました。ほらクレンお前もいい加減、前に出ろ」
いつまでも前に出ずに黙っているクレンを前に出そうと振り返ると・・・・・・・・・寝てた。
え~~~~~~~~!!!!
開いた口が塞がらなかった、数秒前まで青い顔して震えていた奴が寝てる。
マジか、ヤバいぞこれは魔王が降臨してしまう。カマーちゃんを見ると下を向いて肩が震えていた。
あぁさよならクレン、骨は拾ってやるよ。短い間だったがお前の分も頑張るよ。せめて安らかに心の中で手を合わせた。
あんなに騒がしく、ガヤガヤしていたギルドはいつの間にか静寂に包まれていた、もう「俺の時代だー」しか聞こえない・・・・・・。って誰だよ空気読めよあんた以外は黙って全員こっち見てんだよ。
そう、あの俺の時代さん以外が全員青い顔してカマーちゃんを見て止まっていた。
カマーちゃんの肩の震えが大きくなってもうだめだーと覚悟し目を瞑った
「ハーーーーハッハハッハハッハハッハハッハ」
カマーちゃんが大きな声で笑っていた。ギルドの中にいた人々は一部を除いた全員が驚いた顔していた。その声で今まで眠っていたクレンが起きた
「うるっさいわよ!おっさん!大きな声で笑わないでよ!」
「誰がおっさんだ!カマーちゃんとお呼び!」
「ひっ!ごめんなさい」
クレンはとっさに誤った。またおっさん呼びしてしまい先ほどみたいに怒られると思って目を瞑っていると何も起きず恐る恐る目を開けるとカマーちゃんは先ほどよりも小さく笑っていた。絶対に怒ると思っていたのに予想外の展開になっていた。
「カマーちゃん怒ってないのか?」
「フフ、怒ってないわよ。ほんと予想外だわ。まさかさっき怒って注意したあとなのに、私の前で眠るような娘、初めてだわ。最初は鈍いだけの娘かと思っていたけど少し違うようね。あなた面白いわ。将来大物になるかもね。さぁ固まってないでさっさと仕事を再開しなさい。」
「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」
驚きや困惑の表情を浮かべていた冒険者達は
息ピッタリの声を上げ、ギルドの職員や止まっていた冒険者が動き出した
大きな手でクレンの頭を撫でながらカマーちゃんは微笑んでいた。クレンは何が起きているのか理解できておらず困惑の表情をして周りやコウタの顔を見て頭に?を浮かべていた。
「よくわからないけど、取り合えず私がスゴイってことね?」
確認するようカマーちゃんに尋ねるクレン
「そうね取り合えず私は期待しているわ。あなた何か凄いことしてくれそうだわ」
「エッヘン
当然ね何たって私は女神なんですもの、むしろスゴくない方が無理な話なのよ。さぁ早速冒険者登録よコウタ床に座ってないで早く立ちなさい汚いでしょ。
ついに始まるのね。私の輝かしく希望に満ちた、未来永劫に語り継がれる、老若男女問わず小さな子供から赤ん坊、全ての生物が知らないなんて、ありえないクレンと素晴らしい子分たちの栄光となる伝説への一歩が今始まるわ。」
自身満々に胸を張り鼻を高々に上げている同じようにチョロッピも、当然だと言っているような顔をしていた。・・・・・・・・・・・なげーよ!えっなに!?素晴らしい子分たち?えっ?俺いつの間にかクレンの子分になっているの?えーーー嫌だよー。
もっとグラマーな、おねいさんの子分がいい。そんなコウタの気持ちに気付くはずもなく冒険者登録の手続きをしようとしているクレンを尻目にコウタは外を見る・・・・・・・太陽が眩しいぜ。
暫く外を見てフーーよし。登録するか