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あまり興味はない

教室の開いていた窓から心地よい風が肌をなでる。ふと外を見やると居住区ドームの換気用ファンがゆっくりと回っているのが見えた。この季節にそぐわない涼しい風を送ってきてくれたのはあの遠くにあるファンのおかげなのだろう。

この半球状のドームは俺たちの住む町を覆うように設置されており、日本国内の至る所で開発が進んでいる。外から見た感じでは太陽光の角度に合わせて色んな色の波紋が広がっている。まるで街を囲うシャボン玉のようであった。そのシャボン玉の形を維持させるために2本のアークラインがそれに外側で張り付いている。そのラインに2つずつ大きなファンが付いており、それがドーム内の換気の役目であった。

ドームのおかげで雨風がしのげたり、電気などの主要エネルギーの消費がかなり削減されたようであったがすでに世界中で新エネルギーが台頭してきた現在、このドームが建てられているのは現状では日本のみであった。

そんな換気用ファンからの風を教室内で真っ先に受け取ることが出来るのは窓際席の特権だと言えよう。午後の少し傾いた太陽の絶妙な日差しと送風機から送られる風、加えて先ほど食べた弁当の満腹感が何とも言えないバランスで眠気を誘ってくる。

眼鏡に反射してくる太陽光が少し眩しかったが気にはならなかった。半分寝かけの俺とは関係もなく前に立って教鞭をとっている長身細身の先生が少し暑そうに授業を行っていた。

「ここ、テストに出すからしっかり復習しておけよ。ここ数年の出来事とはいえ急激に時代が変わっていったところだからなー」

社会科の先生がそう言いながら黒板型電子パネルに先ほど書いていたとある単語に赤線でシャッと下線部を引く。

そこに書いてあったのは、「大規模宇宙戦争」。

4年前に地球全土の人々が宇宙の遠いどこかから来た異星人たちとやっていた戦争。

結果は地球側の勝利でパレードや祭典などが世界各国で数日行われていたらしい。

その時のテレビは・・・・・・見ようという発想すらなかった。

「俺も当時少しだけだが参加してなぁ、それはもう恐ろしかった」

戦争という単語に感化されたのか当時のことを思い出したらしい教師が持っていた教科書を閉じ少々青ざめた顔でそんなことを言う。

「具体的にどんなんだったんですか?やっぱ当時の体験談とか聞きたいでーす」

クラスでお調子者の一人がそんなことを教諭に投げかける。あまり思い出したくなかったのだろうか、先生は嫌そうな表情を浮かべるがこれも教育のためと決心したのだろうゆっくりと口を開きしゃべり始めた。

「そうだな・・・・・・まず事の発端となった元旭川墜落事件は何年前だったか覚えているか?」

質問を急に投げかけられた教室内。

しかしすぐに

「確か2064年だったから・・・・・・7年前ですよね」という答えが教室内のどこからか出てくる。

俺は授業を聞き流しながら窓の外の方へと再度視線を向けた。

「正解だ。そのころお前らはまだ小学生だったから覚えてない子たちもいるかも知れんが当時はえらい騒ぎでな。毎日墜落したロケットに関しての報道がされていたんだ」

俺は変わらず外を眺めつづけていた。

「そのロケットの中に異星人がいたんですよね」

「あぁそうだ」

異星人。

見た目は地球人と全く変わらない者もいればあまりにもかけ離れた種もいるらしい。遠路はるばる宇宙の遠いどこからかやってきた生命体の住む星は地球より化学や文明が進歩していた。

しかし地球の科学者チームは墜落したロケットからできる限り参考になる書物から本体であるロケットまで解析、研究を重ね解明し、地球の科学力に還元した。そして今では科学力は異星と遜色ないとまで言われているらしい。

「地球のこれまでの生活は異星人がもたらした技術のおかげでずいぶん変わったんですよね」

「街の外にある送風機もその一つだ」

「そう考えると異星人様々だぜ!暑い時期になっても涼しくすごせるんだからな」

少し短絡的な意見をクラスメイトたちが口々に言う。

「確かにそうかもしれない。しかし地球に住む我々と他の生命体はやはり相容れることが出来ず・・・.」

キーンコーンカーンコーン。教師の言葉をタイミング悪くチャイムが遮ってしまった。

先生はこれからが大事な場面なのに・・・とでも言いたそうな顔をしながら教卓の上に置いてあった荷物を手早く整理し「今日はここまで」と言い残して教室を出て行った。

クラスメイト達もそれぞれの休み時間を過ごし始める。俺は椅子からゆったり立ち上がり教室の後ろの壁に組み込まれている中型電子パネルを見に行く。そこには今日のお昼からのニュース、天気予報、占いなど数多くの情報が映し出されていたがそんなものに用は無かった。ただ俺にとって時間割表を確認できればよく少し画面を眺めるとすぐにそこから立ち去った。

次の授業は「実戦演習」。この学校に体育という授業はなく、その代わり武器を使用した実践演習という授業がカリキュラムに組み込まれている。1対1の戦闘形式でこの授業は実施される。そして実践演習は2クラス合同で行われるがいつもどのクラスと合同なのかはシャッフルされる。そのため次の時間、俺の所属している学年はすべて実践演習となっている。俺の在籍しているクラスは2年3組であるため7クラスあるうち、そのほかの6クラスの内の1クラスとの合同、ということになる。その合同クラスを時間割で確認するために時間割を見たのだ。

「今日は6組と、か」

頭の中であるやつの顔が思い浮かぶ。あまり好きじゃない顔だった。だが当たってしまった以上は仕方ない。

自分の机に戻りカバンの中から無造作に放り込んでおいたジャージを取り出す。更衣室に早く行かなければすぐに混んでしまうため、いち早く教室をでた。


どうだったでしょうか。続きで読んでくださった方は「は?」となっているかもしれませんが同じ作品です。分かりづらくてごめんなさい。

でもきちんと「あぁ、そういうことだったのか」とわかってくれるような仕組みを作っていきますので暖かく見守ってくださればと思います。

「暖かい」といえば、今日(2017年11月20日)はめちゃくちゃ寒かったですね。

地元では雨が降り、寒さに拍車がかかってました。ホント自転車をこぐのが地獄でした。

こたつやホットカーペットを考えた人は天才ですね。

では、またご縁があれば次のお話でお会いしましょう。

よければ感想、レビュー(低評価でもしていただければ嬉しいです)よろしくお願いしまぁす!

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