第十話 lv100って案外多い
テスト2日目終了です!!
あと3日がんばろぅ!!!!
俺はみんな(受付姉さんを含む)に目で、行くぞ、というサインを送る。
第一手、スカルナイトが少年に斬りかかる。 少年はその攻撃を身体を捻るようにして躱す。そして腰から短剣のようなものを取り出しスカルナイトの首元に刺す、その瞬間スカルナイトは意識を失うようにその場に倒れる。
第二手、シルが、メインウェポン、レッドスピアーを変色蜥蜴龍に突き攻撃をする。変色蜥蜴龍は、突きを避ける。 シルは続けて斬り上げ攻撃をする、攻撃は避けられる、しかし続けて攻撃してくるのを予測してなかったのか変色蜥蜴龍は少しよろける、シルは、そこをしようとレッドスピアーを振り上げる、しかし攻撃が変色蜥蜴龍に当たる前に少年がシルの後ろから現れ、背中を刺す。 シルはスカルナイトと同じように倒れる。
二人とも死んでは無いようだ。
残りは俺とリスト・トリス(受付姉さん)だけだ。
俺はとりあえず奴らのステータスを確認する。
少年の方は、
『ジョブ”アサシン” ジョブlv100 Name’解山 鈍軌 二つ名”螺旋的蠍団副リーダー
所有武器”毒刺剣 解毒刺剣” サブウェポン’毒刺剣専用毒酒各種 装飾品”蠍の尾”
装備 頭 ”螺旋的なゴーグル”
胴 ”螺旋的にして蠍的なコート”
腕 ”爪付き手袋”
足 ”角獣のブーツ”
』
ジョブlv100か、メインウェポンの短剣、毒刺剣はさっきスカルナイトやシルに刺した剣だろう。
そうなると、解毒刺剣は毒状態を解毒させるものだろう。サブウェポンの毒刺剣専用毒酒各種というのは、毒刺剣に注ぐ毒のことか。
変色蜥蜴龍を見てみる。
『ジョブ”弐刀魔剣士&魔拳師 ジョブlv100 Name’Chamaeleoninae 二つ名”姿無き者 変色蜥蜴龍”
所有武器”透剣・神隠し 明剣・灯宿し” サブウェポン’顔砕ナックル 装飾品”召喚書(上)”
装備 頭 ”可視無鰐蛇龍鱗製の口隠し(フード)”
胴 ”可視無鰐蛇龍鱗のマント(フード)”
腕 ”鯱魏師皮の石拳”
足 ”可視無鰐蛇龍鱗の足鎧”
』
なんか強そうだ。
それよりジョブの弐刀魔剣士と魔拳師っていうのは何だろう、俺のジョブ選択のときにはそんなジョブ表示されてなかった。
条件を満たすと追加されるジョブもあるのだろうか。
「さて、そろそろ攻撃しにいってもいいかな?」
変色蜥蜴龍が呟く。
~~戦闘開始~~
メッセージ欄にその言葉が表示された直後。
なにかが額を緩く突く、額から、かすかに血が流れる。
目の前には、剣の柄だけ(刃の部分がない)をこちらに向けた、変色蜥蜴龍の姿がある。
いや、柄だけじゃない、額に鋭い金属の感触がある、おそおらく刃の部分が透明なのだ。
変色蜥蜴龍は俺の考えていることが分かっているかのように、
「おっ、よくわかったね~、そう刃が透明なんだよ、”透剣・神隠し”はね。」
と、言う、すると目の前に見えてなかった刃が現れる。
変色蜥蜴龍は透剣・神隠しを俺の額から離し、腰からもう一つの剣を抜く、
「こっちが”明剣・灯宿し”だよ、神隠しは不可視化できるんだけど、灯宿しは不可視化できないんだよね~、まぁ、灯宿しは攻撃がHITすれば相手はアイテムを使えないんだけどね。」
右に透剣・神隠し、左に明剣・灯宿し、というように変色蜥蜴龍は弐本のロングソードを持っている。
”透剣・神隠し”の方は柄が緑色の何かの鱗に覆われており(おそらく可視無鰐蛇龍の鱗)、所々に宝石(?)のような物が埋まっている、ガード(鍔)の部分には爬虫類のような生き物の絵が刻まれている。ブレードの部分は透明、または半透明になっている。
”明剣・灯宿し”は柄が黄色っぽい鱗で覆われており(おそらくこれも可視無鰐蛇龍の鱗)、柄頭からガードの部分まで蔓が巻かれていて、ブレード部分はアイスグリーン色になっている。
どちらの剣も鋭くて、突く、切る、に適した武器だ。
そんなことを考えていると、変色蜥蜴龍が「そろそろ、再開。」と言いながら両手の剣で斬りかかってきた。
一撃目を辛うじて躱す、二撃目が当たる直前に俺は後ろに大きくジャンプする。
綺麗だ、舞い踊るように攻撃してくる。そんなことを一瞬思いながら俺はリストさん(受付姉)のいる、カウンターの上に着地する。
それを追うように、変色蜥蜴龍は大きくジャンプし、すごい速度で回転しながら斬り掛かってきた。俺はまだ体勢を整えておらず、躱すにも間に合わない、ガードするのも間に合わない状態だった。 もう無理だ。 斬られたな。 俺は諦める。
弐本の剣が俺の身体の30cmほど前に来たとき、何かの音色が聞こえた、
ギィイイイイイィイイイン!!!!
まるで黒板を爪で引っ掻いたような音が目の前で鳴る。
俺は音に驚き閉じていた目を開ける、目の前にバリアがある。
緑色で半透明のバリアだ、誰がバリアを発動させてくれたんだ?
そう思っていると、
「ほんっと!!、危なっかしいわね!!!、見ててハラハラするわ、もうちょっとで、その”絶対バリア”も無くなるわよ。今からは私が演奏で、あなたのステータスを強化したり、援護したりするわ、いいわね?」
と、リストさんが言ってくる。
俺は首を縦に上下させ頷く。
「よし、あと6秒よ準備はいい?」
俺は「あぁ。」と言いながら、背中に背負っていた、抜骨鎌・カマイタチを構える。
(まだ手に馴染んでないな・・・・、とか思いながら。)
寝たい。。。