第二百三十九話 第七章のプロローグ
コミックス版『異世界王朝物語』(文藝春秋社)、ピッコマにて連載中です。
ご覧いただきたく、なにとぞお願い申し上げます。
王都に到着して、一年が過ぎた。
官位官職については、「変動無し」。
従五位下、男爵にして、近衛小隊長兼治部少輔である。
環境に慣れれば少しは楽になるかと思ったけれど、そんなこともなく。
次々と仕事が舞い込んでくる。
もし転生せずに、大学を卒業し、就職していたら。
……やっぱり忙しかったんだろうな。
そういうところは、きっとどこの世界でも同じなんだろう。
ともかく二年目に入り、「世界」が少し広がった。
などと言うと、大げさだけど。
「メル館~宮廷~官舎~磐森館」以外のところに足を踏み入れる機会が増えた。
広がれば、その分だけ「広く浅く」なってくれるのが、ものの道理と思うのだけれど。
そうは問屋が卸さないのが、毎度ヒロ・ド・カレワラ氏の異世界ライフと言うわけで。
磐森郷ならびに周辺地域を中心に、「ディープ王都」に触れる機会も増えてしまったのである。
李老師や宗教団体に絡む話をする前に、まずはそちらから……。
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