TRPG
「せんせー」
小学生の女の子が呼んだ先には、【ヒゲが白い老齢の先生】がいた。
「おー、なんじゃい?」
「あれやって!」
「TRPGかい?」
「そう!!」
「では、トランプを持ってくるかな。ちょっと待ってなさい」
「うん!」
「さて、TRPGって聞いたことあるかな?」
「おれはない!」「ボクも……」「あたしは前きいた!」
「ほっほ、そうかそうか。なあに、至って簡単さ! まず、見ててごらん」
「うん!」「わかった!」「はい!」
「まずは、なんでもいい、舞台を決めるんじゃ。そうじゃな。よし、無人島にしよう。次からトランプに決めてもらう。例えば、その無人島に人間は楽しいか? キツイか? ほれ、ダイヤの5、ダイヤはお金とかを表す。つまり、1から13まであるなかの5。無人島にしては楽な方じゃな。ただ、それだけではつまらん。目的を決める。今回は勝つことにしよう。敵は、またトランプから引いて、クローバーの7、クローバーは自然などを表す。ふむ、野生の熊とでもするか。ここからが始まりじゃ、ここまでで質問はあるかな?」
「んーん」「ない!」「平気」
「じゃあ始めると、ステータスを決める。ステータスとは強さじゃ。トランプを引いて、む?」
「どうしたの?」
「クローバーが出た。しかも3」
「それがなんだよ!」
「わからぬか? 熊は同じクローバーで7、つまり、完全に負けている」
「なるほど!」
「では、人間の知恵で、武器を決める。トランプを引く。ハートの9。ハートは命じゃ。それが熊より高いということは、鎧かなんかわからないが、熊と対等に渡り合える防具ということじゃ」
「へー!」
「じゃが、それだけでは平行線、なにも起きないし終わらない。熊は魚を捕りに来た腹ペコとして、人間は釣りをしていたとしよう。防具は、そうじゃなぁ、車にしよう」
「うん……」
「で、釣りに来ていたわけだから、武器は釣り用具じゃ。よし、スタート! まずはどっちが先に気付いたか? まあ、熊じゃな。それがどのくらいの距離か? トランプを引く。ダイヤの11、人間に有利じゃ。川を挟んで向こうじゃったんじゃ。で、人間の攻撃。トランプはクローバーの2。ほほほ、これは手厳しいな。釣り用具ではなくて落ちてた石にでもするか。それを投げた。ダメージ判定、スペードの4、スペードは死、ハートの真逆を表す。と、いうことは、そこそこ、効いたみたいじゃな。人間は元野球部かな?」
「うけるー」
「今度は熊の攻撃じゃ。ハートの5、熊が何をしても、川の反対まで行くのに時間がかかる。それでも、ハートの5、元野球部は石を投げて、自信をつけ、油断しておるな? ダメージ判定。ダイヤの8、釣り用具にダイヤの8なんてないじゃろ、これは逆じゃ、熊が何か手に入れた。しかも8! なんじゃ?」
「剣!」
「バカ! 熊が剣使えるわけないだろ!!」
「いや、そうしよう。と、言っても、鋼の剣じゃなくて、丸太、川の底にあったと。熊の力は子供か親か、成長具合などにもよるが、丸太を扱えるなら、大人じゃ! 次、元野球部。ダイヤの10! ほー。なんじゃ? そうかそうか!」
「どおしたの?」
「この元野球部はキャンプに来ていた。だからサバイバルナイフがある! ダメージ判定、ダイヤ、またダイヤか……、6。ふむ、熊が丸太を捨てるほどのダメージだった、と。ちと、ダイヤが出すぎじゃな、きり直しじゃ」
「うん」
「して、熊、スペードの3! なるほど、さっきのダメージでひるんでいるな? 熊はテントなど、どうでもいいものに丸太を投げつけた。元野球部にもかすったが、それだけ。反撃じゃ。ハートの10! さっきの逆と同じじゃな、サバイバルナイフが急所に刺さった。ふむ、勝負ありじゃな! ただし、熊は死んでいない。逃げた。だから終わり。と、これを話にするとこうじゃ……」
ーとある無人島ー
甲子園にまで行ったが、プロにはなれなかった俺は、ソロキャンプをしに、車でここまで来た。無人島と言っても橋は繋がっていて、広さもそこそこだ。ここは釣りの名所でもある。
「ひー! 熊だぁ!」
騒ぐ人で気付いた。大人の熊が、鮭でも捕りにきたのか?
ピッチャーだったんだぜ! 石を思いっきり投げた! どうよ? あれ? 潜った?
「そこの人! あぶな……」と、叫ぶ声で気付いた! いつの間に!? 後まで来ていた! 丸太を投げた! デカイ! テントがぐしゃぐしゃだ!! クソー! サバイバルナイフで、目を突く!
「グアー!」
熊は逃げて行った……。ふぅ、危なかった。




