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空舞う箒の巡遊譚  作者: あすへ
第三章 中部巡遊
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第2話 戦車の異常

名古屋観光の翌日、結はいつもより早く目を覚ました。


「ふぁ~…今何時だ?…4時か」


冬なので、まだ日は昇っていない。

食堂が開くのは6:30。結はそれまで出発の準備をしていた。


「う~、寒い…」


準備をしているうちに、徐々に朝日が昇り始める。

結は日の出を見ようと屋上へ登った。


「寒い…けど綺麗…」


日の出を見終え、朝食を済ませた結は再び屋上へ。箒に魔力を込め、空へと飛び立った。


「ありがとう、名古屋」


東方向へ飛び立って2時間、現在は富士市上空。目の前には雄大な富士山がそびえる。


「あれが…富士山…で、でかい」


そのとき、魔力異常探知機が反応し、地図上に赤い点が表示された。


「魔力異常か…遠いけど急ごう」


現場に到着すると、そこは陸上自衛隊・北富士演習場だった。

しかもこの日は実弾射撃が行われていた。


「異常が起きたのは…え!」


結が目を見張ると、異常を起こしていたのは戦車だった。

普段は結界で魔力異常が防がれているはずだが、その結界が破られていた。


「なんで…戦車は結界が張られているはずなのに…」


戦車は勝手に動き回り、主砲や機銃を乱射している。


「早く止めないと…」


結は戦車に近づこうとしたが、機銃で撃たれ近づけない。

「く、どうしよう…そうだ!全身のバリアを箒の前に集中させて強度を高めよう」


結の魔力で強化されたバリアは、徹甲弾すら跳ね返すほどの硬度を持った。


「これなら…!」


しかし、戦車が放った機銃弾の一発が突然魔力異常を起こし、威力を増した。

バリアは破れ、結の左肩を貫いた。


「くっ…」


結は急いで治療を試みたが、銃弾や砲弾を防ぎながらでは難しい。

仕方なく一度撤退し、岩陰に身を隠す。


「はあ、はあ…痛い…早く治さないと」


隠れながら傷を治療した結は、対処法を考えるがなかなかいい案が浮かばない。

そのとき、遠くからものすごい音が響いた。


「なんだ…この音は…」


振り向くと、魔力異常を起こした戦車が爆発して炎上しており、暴走は止まっていた。


「暴走が…止まってる…」


慎重に近寄って確認する結。戦車は確かに動きを止めている。

「でも、なんでこうなったんだろう…」


結は至急、魔法管理庁・異常調査部に調査を依頼し、到着した調査員に状況を説明。

その後、箒に乗り空へ飛び立った。


結の次の目的地は、魔法管理庁の本庁がある東京である。


次回に続く....

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