第2話 戦車の異常
名古屋観光の翌日、結はいつもより早く目を覚ました。
「ふぁ~…今何時だ?…4時か」
冬なので、まだ日は昇っていない。
食堂が開くのは6:30。結はそれまで出発の準備をしていた。
「う~、寒い…」
準備をしているうちに、徐々に朝日が昇り始める。
結は日の出を見ようと屋上へ登った。
「寒い…けど綺麗…」
日の出を見終え、朝食を済ませた結は再び屋上へ。箒に魔力を込め、空へと飛び立った。
「ありがとう、名古屋」
東方向へ飛び立って2時間、現在は富士市上空。目の前には雄大な富士山がそびえる。
「あれが…富士山…で、でかい」
そのとき、魔力異常探知機が反応し、地図上に赤い点が表示された。
「魔力異常か…遠いけど急ごう」
現場に到着すると、そこは陸上自衛隊・北富士演習場だった。
しかもこの日は実弾射撃が行われていた。
「異常が起きたのは…え!」
結が目を見張ると、異常を起こしていたのは戦車だった。
普段は結界で魔力異常が防がれているはずだが、その結界が破られていた。
「なんで…戦車は結界が張られているはずなのに…」
戦車は勝手に動き回り、主砲や機銃を乱射している。
「早く止めないと…」
結は戦車に近づこうとしたが、機銃で撃たれ近づけない。
「く、どうしよう…そうだ!全身のバリアを箒の前に集中させて強度を高めよう」
結の魔力で強化されたバリアは、徹甲弾すら跳ね返すほどの硬度を持った。
「これなら…!」
しかし、戦車が放った機銃弾の一発が突然魔力異常を起こし、威力を増した。
バリアは破れ、結の左肩を貫いた。
「くっ…」
結は急いで治療を試みたが、銃弾や砲弾を防ぎながらでは難しい。
仕方なく一度撤退し、岩陰に身を隠す。
「はあ、はあ…痛い…早く治さないと」
隠れながら傷を治療した結は、対処法を考えるがなかなかいい案が浮かばない。
そのとき、遠くからものすごい音が響いた。
「なんだ…この音は…」
振り向くと、魔力異常を起こした戦車が爆発して炎上しており、暴走は止まっていた。
「暴走が…止まってる…」
慎重に近寄って確認する結。戦車は確かに動きを止めている。
「でも、なんでこうなったんだろう…」
結は至急、魔法管理庁・異常調査部に調査を依頼し、到着した調査員に状況を説明。
その後、箒に乗り空へ飛び立った。
結の次の目的地は、魔法管理庁の本庁がある東京である。
次回に続く....




