表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空舞う箒の巡遊譚  作者: あすへ
第二章 近畿巡遊
5/39

第4話 2つの異常

堺市から10分ほど経った頃、結は和歌山県に入った。


「和歌山に到着!」


そう言ったその時、魔力異常探知機が作動し、マップが表示された。

結はすぐに発生地点へと向かった。そこは広いみかん畑だった。


「場所はここなはずだけど……」


すると、数十本のみかんの木が突然揺れ始め、周りのみかんを次々と飛ばしていた。


「み、みかんが……! 早く止めないと!」


結は急いで異常解除の魔法を放ち、暴走した魔力を抑え込んだ。

やがて風が止み、木々も静まる。


そして、魔法で周囲に落ちたみかんを元の木に戻し、結は一安心した。


「何とか元通りにできてよかった……」


すると、それを見ていたみかん農家のおばちゃんが結に駆け寄った。


「暴走を止めてくれてありがとね。お礼がしたいから家に来て欲しい。」


おばちゃんはお礼に、採れたてのみかんを結に差し出した。


「ありがとうございます。……うん! このみかん、甘くておいしい!」


「まごころ込めて作ったから当たり前さ。」


みかんを食べ終えた結は、おばちゃんに見送られながら再び箒に乗り、空へと飛び立った。


三十分後、結は三重県に入った。

紀伊半島の上空を飛びながら、遠くに見える海を眺めていた。


「もうすぐ志摩半島ね……ここは風が強いな。」


その時、再び魔力異常探知機が反応した。


「また異常……今度は海の上?」


マップを確認すると、海辺の灯台付近に強い異常反応があった。

結はすぐに高度を下げ、灯台の方へ向かった。


波が激しく打ちつける岩場。そこでは、海面から青白い光が立ちのぼっていた。


「これは……海の精霊?」


光の中から現れたのは、水の精霊が暴走した姿だった。


「落ち着いて!」


結は杖を構え、風と水の魔法を組み合わせて魔力を中和しようとした。

嵐のような風と水しぶきの中、結の魔法陣が輝く。


「風よ、水よ、静まれ——!」


光が収まり、精霊は穏やかな形に戻っていった。


「ふぅ……これでよし。」


そこへ、灯台守の老夫婦が駆け寄ってきた。


「お嬢ちゃん、助けてくれてありがとう!」

「いいえ、私はただの魔力保安官ですから。」


老夫婦はお礼に、灯台からの絶景を見せてくれた。

海と夕日が輝くその景色に、結はしばらく見とれていた。


「……きれい。」


夕日を背に、結は再び箒にまたがり、次の地――名古屋へと向かっていった。


次回に続く....

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ