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空舞う箒の巡遊譚  作者: あすへ
第八章 北海道巡遊(後編)
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第3話 くしゃみ

凍えるような朝。

結は午前6時に目を覚ました。


「ふぁ〜...よく寝た。」


眠い目を擦りながら顔を洗い、歯を磨く。

その後、食堂で朝食をとり、静かな朝の支局で出発の準備を整えた。


次の目的地は、帯広。


荷物をまとめ、厚手の上着を羽織った結は、箒に跨る。


「よし、行こう。」


釧路の空へとふわりと浮かび上がり、結は東へと飛び立っていった。


釧路を飛び立って少しした頃、白糠町上空。


「さっむ...それに、昨日ちょっと買いすぎたかな...」


小さくしたとはいえ、カバンはパンパンだった。

少し困った顔で、結は下を見下ろす。


「もうちょっと縮めてみるか...」


そうして結は、白糠町にある高校の近くの公園へと降り立った。

雪の上にブルーシートを敷き、カバンから荷物を取り出す。


「さ、頑張って縮めるとしますか。」


腰に下げた杖を取り出し、荷物に向けた。


「よし、準備完了……あ、くしゃみがで……クション!」


くしゃみと同時に魔法が暴発。

小さくなるはずの荷物は、逆にどんどん大きくなってしまった。


「あちゃ~...ブルーシートせっかく敷いたのに、はみ出ちゃった...」


するとそこへ、小学生くらいの男の子たちが現れた。


「うわ~。すっごく大きな、パジャマだ。」


その一言に、結は固まる。


「え、パ、パジャマ!?

ちょ、ちょっと見ないで〜!」


顔を真っ赤にしながら、慌てて子供たちを追い払った。


今度は、パトロール中の警察官がやってきた。


「あの。何をしているんですか?」


結は振り返り、苦笑い。


「え、はい、ちょ、ちょっとね。ハハハ...」


警察官は、結の服にある《魔法管理庁》の文字に気づき、同じく苦笑した。


「あ、あぁ...そう、ですか...ハハハッ...」


「さ、さてと。気を取り直して。えい。」


今度は魔法は成功し、荷物はきちんと小さくなった。


「ふぅ...これでも私、主席だったんですけど...」


小さく独り言を呟きながら、結は荷物をまとめ直す。


荷物を片付けた結は、カバンを背負い、箒にまたがった。


「さてと、行きますか。」


そう言って、ふわりと宙へ浮かび上がる。


白糠の街並みが遠ざかり、眼下には一面の雪景色。

結は再び、北海道の空へと飛び立っていった。


次回に続く....

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